失態
愛媛県で、高齢の女性が相次いで襲われた事件で重要参考人として、任意の事情聴取を受けていた30代の女性が聴取を終えた後に帰宅を許されましたが、自宅に戻った後自殺していたことが明らかになりました。
事件後、目撃情報や現場周辺の防犯カメラから容疑者が特定され、事情聴取に至ったものですが、警察が期待した自供が得られず、その時点では逮捕に踏み切れる物的証拠がなかったことから、一旦帰宅を認めざるを得なかったものと思われますが、過去にも容疑者が自殺した事案は多々あることから、警察の捜査の在り方には大きな疑問が残ります。
そもそも現場周辺では、2年前にも高齢の独居女性が路上で腹に包丁を突き立てて死亡しているのが見つかった事件があり、この捜査を徹底していれば第二の事件を防げた可能性があります。しかも、このような事案があったにも関わらず、先月26日に独居の高齢女性が腹部を刺されて死亡が見つかったのに、殺人事件としての捜査をしていませんでした。もし、この時点で、容疑者を絞り込んでいたなら、第三の事件は防げたと思われますので、警察の判断の遅れが悔やまれます。
第三の事件後、容疑者が特定されましたが、第二、第三の犯行現場の遺留物を調べれば、容疑者のDNAに結び付く物が発見できたと思われますので、これらの結果を待って任意同行を求めていれば、動かぬ証拠を突き付けられたのではなかったかと思われます。現時点でこの容疑者が犯行に関与した物証の存在は明らかになっていませんが、家宅捜索まで行なっていますので、犯行時の着衣の特定位はできていないと見込み捜査のそしりは免れません。
容疑者は自殺に際して遺書を残しているようですが、警察はその内容についてプライバシーを盾に一切内容を明らかにしていません。しかし、周辺の住民に、犯人が逮捕されていないことに対する不安感が強まっていることを考えれば、事件に対する認否について明らかにする義務があると考えます。
いずれにしても重要参考人の自殺を招いたことは警察の失態であり、愛媛県警には事件の全容解明についての責任が決して消えた訳ではないことを肝に銘じて捜査に当たって欲しいものです。
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