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2017年6月26日 (月)

米軍が陸自の12式地対艦ミサイルに興味

昨日の産経新聞が、太平洋地域を担当する太平洋統合軍が、陸自が保有している12式地対艦ミサイル(SSM)の運用に興味を持っており、来夏に合同訓練を行う計画があると伝えています。太平洋統合軍は司令部をハワイに置き、太平洋陸軍、太平洋海兵隊、海軍太平洋艦隊、太平洋空軍を擁しています。

米国は、太平洋や大西洋で各大陸から距離的に離れていることから、これまで地対艦ミサイルを必要としていませんでした。また、強力な空母打撃軍を保有しており、艦載する航空機から相手の艦船を攻撃するのが基本的な戦略でした。しかし、中国が南シナ海の岩礁を埋め立て、人工島を造成して自国の基地化を進めたことから、この地域で中国艦艇への抑止力と対処力を強化する必要に迫られることになりました。

そこで目を付けたのが12式SSMです。12式SSMは88式SSMの改良型で、元々は旧ソ連の北海道侵攻を阻止する目的で開発されたものですが、現在はロシアの脅威は低下しており、最近は南西地域での中国軍の動きに備える体制に代わっています。

Ssm

12式SSMの発射機です。(出典:防衛省)  12式SSMは直径35cm、全長5m、重量は700kgのミサイルで射程は200km弱と言われており、1発射機に6発が搭載されています。垂直に発射されると、あらかじめ設定されたコースを巡航ミサイルのように地表に沿って飛行し、その後海面すれすれを飛んでレーダーで敵艦を捉え命中します。

1個中隊は捜索標定レーダー2基、中継装置1基、指揮統制装置1基、射撃管制装置1基、発射機4両、弾薬運搬車4両の合計13両の車両で構成されています。

記事ではSSMを保有していない米軍は装備・運用のノウハウを陸自から習得し、南シナ海に援用することを視野に入れているとしていますが、そうなると12式SSMを米陸軍が採用することを意味します。

米軍は艦対艦ミサイルとしてハープーンを装備していますので、これを陸上の車両に搭載することは技術的には何の問題もないと考えられますが、評価試験などを考えると手間であることは確かです。あくまで自国開発にするのか、手っ取り早く我が国から購入するのかは米国次第ですが、仮に我が国からの購入となれば、画期的な出来事となりますので、今後の推移が注目されます。

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コメント

>SSMを保有していない米軍

米陸軍は、この記事の次の記事で触れられている、日本が導入検討しているF-35向けミサイルJSMの原型となったミサイル、ノルウェー製のNSM(Naval Strike Missile)車載型(ポーランドが導入中のもの)を試験的に採用・導入する方向の模様

JSM/NSM派生型・艦載型はハープーンの後継候補のうちひとつとして導入コンペに掛けられているものでもあり、米レイセオン社・ロッキード・マーティン社も開発製造に関与、うち一種は米艦LCS-4コロナドに搭載され試射済みであるため、生産体制及びサポート体制の構築の容易さとからも、米国陸海空三軍共同で同系列のASM/SSMを装備化する場合は有力な候補となると思われる

陸自地対艦ミサイル部隊がRIMPAC2018に参加するが、
その際に米陸軍も共同で実艦標的に対して実弾射撃する予定とされているが、米陸軍側としては、弾以上に戦術面・運用面でのノウハウ伝授を期待する向きが大きいとも考えられる


※なおアドレス内URLは詳報および観測記事

米側の見方では12式SSMの射程は公表値以上の120海里(約220km)を超え、開発中の12式改は射程180海里(約330km)を超えるものと捉えられている点に注目

投稿: | 2017年6月28日 (水) 14時28分

観測記事のURLが投稿されなかったため補足

 h t t p ://thediplomat.com/2017/06/us-army-japan-ground-self-defense-force-will-conduct-sinkex-at-rimpac-2018

投稿: | 2017年6月28日 (水) 14時33分

投稿: | 2017年6月28日 (水) 14時28分さん、コメントありがとうございます。

NSM車載型の導入を検討の由、初めて知りました。12式の構成も少し大がかりすぎるのではと思っていますが、NSM車載型も同様のようですね。

索敵手段については捜索レーダーのみでは高度が足りませんので、哨戒機からの情報が不可欠と思いますが、米軍の場合は位置情報の入手をどうするのかに興味があります。もしかしたら、ニフカのようなことを考えているのかもとも思っています。

投稿: 雨辰 | 2017年6月28日 (水) 15時11分

先の米陸軍への車載型NSM試験導入の要請は、海軍(太平洋軍)からの要望に加え、現トランプ政権において国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めているH. R.マクマスター中将が提言したマルチドメインバトル・コンセプトに基いた、米陸軍将来砲兵部隊への対艦戦斗能力の付与と地対艦兵器装備要求の一環でもある模様なので

仮に車載型NSMが全面的に制式採用され、米陸軍に対してSSM運用能力付与が為された場合には、将来的には米海軍のNIFC-CA FTS下でのSM-6運用に類するバックボーンのもとで、他リモートセンサーからの諸元に基き超水平線(OTH)射撃を行う方向で発展するものと考えた方が無難ではないかと

投稿: | 2017年6月28日 (水) 16時00分

投稿: | 2017年6月28日 (水) 16時00分さん、再度コメントありがとうございます。

了解です。長距離ミサイル、特にSSMは水平線下の目標が相手になるので、外部のセンサーがないとどうにもなりませんが、ニフカを使えばすべて解決できるので、三軍で情報をリンクするのが正解ですね。自衛隊も見習って欲しいものです。

投稿: 雨辰 | 2017年6月28日 (水) 16時48分

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