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2017年6月23日 (金)

弾道ミサイル防衛に明暗

いずれも米国発の報道ですが、核実験場付近で不審な動きがあったり、新たなミサイル用エンジンの燃焼実験を行なったりと相変わらず北朝鮮の軍事挑発が止まりません。

我が国として、このような北のミサイルに対抗する手段は現在のところSM-3で迎撃することですが、昨日から大きな動きが二つありました。

一つ目は能力向上型のSM-3ブロック2Aミサイルの迎撃試験です。ブロック2Aについては2月にも迎撃試験が行われ、この時は成功していました。2回目の試験は当初5月中に行われるとされていましたが、なぜか見送りとなっていました。この間、5月14日には新型ミサイルを高度2000Kmnのロフテッド軌道で打ち上げがありましたので、これを踏まえて試験内容を見直したのかも知れません。

今回は、現地時間6月21日午後7時20分、ハワイのカウアイ島ミサイル試験場から準中距離弾道ミサイル(MRBM)標的が発射され、イージス駆逐艦「ジョン・ポール・ジョーンズ」がイージス・ベースライン9C、BMD5.1を用いてAN/SPY-1レーダーにて標的を探知、SM-3ブロック2Aを発射しましたが迎撃に失敗しました。現時点で詳しい状況は判っていません。

今回の失敗を悲観的に捉える向きがありますが、ブロック2Aは開発段階であり、ミサイル、艦載システムの双方に改善すべき問題が残っていた可能性があります。結果をしっかり検証し、次につなげれば良い話なので深刻に捉える必要はありません。

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ミサイル防衛能力の改修工事を行なう予定となっているイージス艦あたご (出典:防衛省)

二つ目が最近話題になっているイージスアショア(陸上設置型イージスシステム)です。マスコミ報道では、導入検討の結果、THAADよりもイージスアショアの採用に傾いているとのことでしたが、本日の朝日新聞が2018年度の防衛予算にイージスアショアの予算を計上する方針を固めたと伝えています。

これは北の発射能力が増強の一途を辿っていることや、これに対応できる我が国のイージス艦は現状4隻しかなく、日本海への展開に対応しきれない場合があり、在日米海軍のイージス艦に応援を依頼することがあることや、その米軍のイージス艦フィッツジェラルドが衝突事故で長期離脱を余儀なくされたことなどの結果ではないかと思われます。

イージスシステムは随時能力が更新されており、現在は大気圏外で迎撃するSM-3での対応ですが、今後大気圏内で迎撃可能なSM-6の能力向上型の配備が予定されており、課題となっている重層防御の仕組みがより向上することになる可能性を秘めています。

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