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2017年7月21日 (金)

XASM-3標的艦の「元しらね」が舞鶴港に再入港

我が国は航空機発射の対艦ミサイルとして国産のASM-1CとASM-2Bを運用していますが、これらは亜音速のミサイルです。対艦ミサイルは海面近くを飛行して相手に近づくため、高度にもよりますが、およそ30Km手前で相手のレーダーに映し出されることになります。

どうして30Kmよりも手前で発見できないのかと言えば地球が丸いからで、低い高度を飛ぶ対艦ミサイルは水平線の下になってしまうからで、艦船のレーダーには映りません。従って攻撃された相手は、突然30Km先のミサイルを発見することになります。しかし、ミサイルの速度はおよそ時速900Kmなので、命中まで約120秒かかることになります。

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この120秒の間に迎撃用のミサイルを発射したり、舵を切ってミサイルのコースを外そうとしたり様々な対抗手段を取ろうとします。従って相手に逃げられないようにするためにはミサイルを高速化する必要があり、ロシア、中国、台湾などでは超音速の対艦ミサイルが開発されています。四方を海に囲まれている我が国は、侵攻してくる相手を海上で迎え討たなければなりませんので、このような動きに遅れる訳には行きません。

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左翼に吊るされた白いミサイルが超音速対艦ミサイルのXASM-3です。 (出典:防衛装備庁HP)

航空機に搭載するミサイルの試験は、岐阜基地にある防衛装備庁の飛行開発実験団の機体で行なわれますが、場合によっては空自小松基地の支援を受けることもあるようです。

XASM-3は2016年度に開発完了を目指して開発が進められ、標的艦「元しらね」を使って実射試験が行われることになっていました。ところが予定が遅れ、標的艦の改装を済ました「元しらね」は母港だった舞鶴港で最後の出港を待っている状態でした。

そして今月11日、「元しらね」は曳き船に曳航されて舞鶴を出港し、誰もが二度とここには戻らないと思っていましたが、どう言う訳か昨日になって、再び曳き船に曳航されて舞鶴港に戻ってしまいました。

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実射試験が行われる日本海のG空域です。G空域は大変広い訓練空域で長手方向で380Km以上の距離がありますので、およそ200Kmとも言われているXASM-3の射程のフルレンジのテストも可能です。おそらく、標的艦は佐渡の北西側の海上に置き、山陰沖からミサイルを発射する形で実射試験が行われるのではないかと思っていましたが、何故か突如中止が決まってしまったようです。

この試験については日程を含めて一切公表されていませんので、中止の理由については全く判りません。技術的な問題が発生したのか、外国の情報収集艦や航空機が邪魔なのか、それとも政治的な事情なのかと言ったところが思い浮かびますが、明らかにされることはないでしょう。稲田防衛相の問題が影響した可能性は、もしかしたらあるのかも知れません。

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