米国がTHAADでIRBMの迎撃に成功
米国防総省ミサイル防衛局は11日、米軍の新型迎撃ミサイルTHAADの実射実験を行い、中距離弾道ミサイル(IRBM)の迎撃に成功したと発表しました。これで2005年からの実験での成功回数を連続14回に更新しました。
THAADは1995年から実射実験を行なっていますが、1999年まで連続して6回失敗して、開発計画が中止になりかけました。そのため迎撃条件を緩和して、なんとか2回迎撃を成功させて計画を存続させ、大幅な改良を加えました。その結果、2006年に再開した実験で成功を治め、現在に至っています。但し、これまでは短距離弾道ミサイル(SRBM)や準中距離弾道ミサイル(MRBM)を使った実験ばかりで、IRBMの迎撃は初めてです。
今回の実験場所です。使用した地図は国土地理院の「地理院地図」を使用しています。
実験はハワイ北方上空のC-17輸送機から投下したIRBMに見立てた標的に、アラスカのコディアック打ち上げ基地からTHAADミサイルを発射して行いました。IRBMは射程3000~5500Kmの弾道ミサイルなので、およそ4000Kmの距離で行なわれたのではないかと推定されます。
一方THAADは射程200Kmと言われていますので、かなり近い位置で迎撃しなければなりませんが、安全を考慮して最大射程で迎撃したのではないでしょうか。勿論安全のため、標的には自爆装置が搭載されていますので、万一迎撃に失敗しても危険が生じない配慮はなされています。
今回の成功によって現在グアムに配備したTHAADが北朝鮮からのIRBMを迎撃可能であることを示した訳で、北の挑発を牽制する目的は果たしたと言えるでしょう。
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