火星12型の飛翔について
北朝鮮が、今日になって昨日発射したミサイルが火星12型だったと公表しましたので、昨日の火星12型の発射について検証してみました。すると、前回よりも大幅に燃焼時間が短く、搭載燃料をかなり減らして発射したのではないかと思われます。また、経過時間と高度、飛距離から計算すると速度はいずれも秒速3Km台で、液体式の1段式ミサイルだったと考えられます。
公表された時刻と距離、高度を図にしてみました。発射時間については5時57分説もありますが、58分説を取っています。襟裳岬の通過時刻についても7分説がありますが、落下時間から考え6分説を取っています。いずれにしても分の単位なので、秒にすれば相当な誤差を含んでいるのは確かです。
飛行距離(水平移動距離)を所要時間で割ると平均速度が出ます。
2690Km÷14分÷60秒=3.2Km/秒 平均速度は秒速3.2Kmです。
また、襟裳岬上空で最大高度550Kmに達したとのことなので、ここまでの平均速度は
1510Km÷8分÷60秒=3.15Km/秒 最高高度までの平均速度は秒速3.15Kmです。
550Kmの高さから自由落下した場合、海面に到達するまでにかかる時間は
h=1/2gt2 h=落下距離 g=9.8m/s2 から t=√2h/g なので
t=√110000/9.8≒335秒 5.58分 となります。この場合の平均速度は
1180Km÷335秒=3.52Km/秒 平均速度は秒速3.52Kmです。
尚、これらは水平移動距離での数値なので、三角関数を使って疑似的に弾道距離に換算すると
総飛翔距離約2908Km、最高高度まで約1607Km、最高高度から約1301Kmとなりそれぞれの平均速度は
3.35Km/秒、 3.88Km/秒、 3.57Km/秒 となります。
弾頭部分についてはMIRV(複数弾頭)ではなかったのかとの見方がありますが、完全には否定できないものの、現段階では核弾頭の小型化がそこまで進んでいるとは思われず、単弾頭方式であったと考えます。
| 固定リンク
コメント