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2017年8月11日 (金)

北朝鮮がグアムに火星12号発射を予告

北朝鮮が米国に対し、グアムから40Km離れた周辺の海域に火星12型ミサイル4発を撃ち込む用意があると通告しました。グアムにはB-52やB-2爆撃機が配備された米国空軍のアンダーセン空軍基地があり、極東における戦略上の要衝です。これに対しトランプ大統領は:「北朝鮮はこれ以上、アメリカに脅威を与えないことがベストだ。彼らは世界が見たことのない炎と怒りに直面するだろう」と強い言葉で牽制しています。

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北朝鮮が主張するミサイルの飛行コースです。今回は半島の東海岸から発射する予定のようです。恐らく自衛隊としては黄色い船マークの位置にイージス艦を出して警戒するのではないかと考えます。

今回は我が国の上空を通過しますので、もしミサイルが正常に飛行しなければ日本列島に落下する可能性も0ではありません。まして4発同時発射ともなれば、全て正常に機能する保証など何もないからです。ミサイルにかけては先進国のロシアでさえ、新型のICBMの開発において、実戦配備前には何回も試射を行っていますが、何回かの失敗を克服した上で、実戦配備しています。北朝鮮はほとんど試射をしないまま、何の許可を得ないにもかかわらず、我が国上空を飛行させるのは到底許されるものではありません。

仮に何かトラブルがあった場合に備えて、イージス艦を配置しますが万一迎撃に失敗した場合に備えて地上配備のPAC-3をコース下の地域に展開する予定です。現在我が国が独自にできることはこれくらいです。しかし、将来に向けてやるべきことはやっておかないと、再びこのような事態に対した時にあわてなければなりません。

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上の表は迎撃ミサイルの主な仕様を表にしたものです。我が国が最初に導入したPAC-3は、元々野戦の拠点防衛用に開発された経緯がありますが、射程がわずか20Kmと大変狭い範囲しかカバーできません。しかし、湾岸戦争でスカッドの攻撃を受けたイスラエルが開発したアロー2ミサイルは半径90KmとPAC-3のおよそ6倍の射程を持っています。

中SAMは我が国がホークミサイルの後継として開発した対空ミサイルで、航空機や巡航ミサイルを迎撃するためのものです。しかし、射程は推定ですが60KmとPAC-3のおよそ3倍となっていますので、これをベースに弾道ミサイルの終末迎撃用のミサイルを開発すべきではないかと考えます。

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DACS(ミサイル迎撃体用スラスター試験機) (出典:防衛省)

現在我が国はSM-3を日米共同で開発していますが、かつては独自の研究もしておりました。イスラエルが米国からのSM-3の導入を拒否し、独自にアローミサイルを開発したのはPAC-2での迎撃が全く成功しなかったからです。当時のスカッドミサイルは技術が不完全で、飛行中に機体が分解して落下したりして、米国が指示するPAC-2の操作方法では全く手に負えなかったからです。この教訓を元にイスラエルはサイドスラスター方式ではなく、ミサイルの挙動を大きく操作できるTVC方式のアローミサイルを開発しました。

既に地上配備型のイージス・アショアの導入をほぼ決めていますが、我が国も自国の運用条件に見合った終末段階迎撃用ミサイルの自主開発を進めておくべきではないでしょうか。

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