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2017年9月 4日 (月)

北朝鮮に無力なNPT

さわやかな高原の雰囲気を吹き飛ばすように、北朝鮮が6回目の核実験を強行しました。北朝鮮はNPT(核拡散防止条約)に加盟していましたが、IAEAの査察を不満として2003年に脱退を宣言、以来2006年を皮切りに過去5回の核実験を行なって来ました。

NPTは核保有国を増やさないことを目的に1970年にに発効、現在およそ130国が加盟しています。NPTは核保有をそれまでに保有している米・ロ・中・英・仏の5ヶ国に限定し、核保有国には非核保有国への譲渡を禁止する一方、非核保有国には核兵器の受領および製造、製造に関する援助を禁止し、更にはIAEAによる査察の受け入れを義務付けています。

このように核保有国が核兵器を独占するための道具と化していますが、現実には加盟していないイスラエルやインド、およびパキスタンが様々な手段を講じて核保有に至ることを防止できませんでした。そして、北朝鮮の核開発においても、何ら有効な手を打てないままに、今に至ってしまいました。

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停泊中のイージス艦あしがら(左側)。 現在SM-3の発射能力獲得のため改修中です。

核保有国同士の間には「相互確証破壊」と言って、どちらかが核攻撃を仕掛けたら、残った核戦力で、相手に核による深刻な報復を与えることで相手の先制攻撃を防ぐ仕組みがありますが、非保有国については、そのような保証はありません。

このため我が国は、旧ソ連や中国が核戦力を増大する中、米国との安保条約によって核の傘に入る道を選びましたが、北朝鮮が現実的に米国を核攻撃できる能力を獲得しつつある現在、核の傘が確実に守ってくれる保証がぐらつき出しています。つまり、従来はもし日本が核攻撃を受けたなら、米国が代わって核攻撃を加えるので、我が国に核攻撃が加えられることを防ぐことができるとしていたものが、北朝鮮の反撃を恐れて、核による報復をためらうのではないかと言うことです。

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現在のところ北のミサイルを防ぐ唯一の手段であるSM-3(ブロック2A) (出典:防衛省)

しかし、これでは核保有国を増やさないことを目的としたNPTが全く機能しないばかりか、強引に核開発をしたものが得をする前例をまたしても黙認することに他なりません。現行のNPTは非核保有国については義務を押し付けるばかりで、核保有国に保護の義務を課していません。これは極めて不平等で、非保有国への攻撃の危険を放置する無責任な条約と言わざるを得ません。

最近になって、米国の中からも日本核武装論が出て来ていますが、事態がここまでエスカレートすれば、一概に極論とも言えません。これ以上新たな核保有国を増やさないためにも、核保有国が非核保有国核攻撃を行った場合、5ヶ国による核報復攻撃を義務づけることが必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。

尚、NPTの第十条には、「この条約の対象である事項に関連する異常な事態が自国の至高の利益を危うくしていると認める場合には、その主権を行使してこの条約から脱退する権利を有する」と記されており、独自行動を取る権利が認められています。

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