環境保全と自然環境
何やら訳が判らないタイトルですが、ちょっと認識を新たにする出来事がありましたので、記事に取り上げました。水質汚染は、大気汚染と並んで身近な環境破壊ですが、水質汚染防止策も度が過ぎると弊害があるそうです。
水質汚染と言えば、かつてはBODとかCODなどと言った言葉がニュースに頻繁に登場していました。また、家庭で使用した洗剤に含まれるリンによって、湖水や海水が冨栄養化してプtランクトンの異常発生が問題になりました。そこで、下水処理プラントでは化学処理によってリンを除去する対策を取るようになりました。
環境基準によれば、下水処理後のリンの濃度は年間平均で1.0mg/Lですが、実際には0.4mg/Lとかなり低い数値に抑えられています。基準より低いのだから、それはそれで良いことじゃないのか、と言う声が聞こえて来そうですが、実は過ぎたるは及ばざるが如しで、弊害があるようです。実は海水中には微量のリンが含まれており、海藻の生育に大きな影響を及ぼしています。
これまで家庭排水は十分浄化されないまま、河川や海に排出されていました。ところが、先に述べたように、環境に悪い影響を与えてしまったことから、リンの排出について規制が強化された結果、海水中のリンの濃度が低下し、海苔などの生育に支障をきたす様になってしまったと言うことです。そこで、愛知県では特定の下水処理場において、リンの排出濃度を基準を超えない範囲で上昇させる措置を取るようにしたいと準備を進めていると言うことです。
過度に澄んだ水には魚は棲まないと言われますが、環境負荷物質の排出濃度一つ取っても、自然のバランスを保つのはかなり難しいものだと思いました。
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