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2017年9月28日 (木)

軍事ブロガーが高速滑空弾について誤った理解

防衛省の来年度の概算見積もりに掲載された「高速滑空弾の研究」については、以前の記事に取り上げましたが、ある軍事ブロガーが雑誌に掲載された記事に基づいて、誤った理解の見解を述べていましたので、改めて取り上げます。彼の指摘によればこの弾頭はクラスター弾なので、保有はできないのではないかとしています。

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上図は平成29年度の防衛省の事業の事前評価に掲載された資料ですが、確かに目標の上空でたくさんの子弾をばらまいているように見えます。しかし、これについては別の資料が存在します。

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こちらは平成26年度の事業の事前評価に掲載された先進対地弾頭の説明図ですが、本体の形状は違いますが、目的とする効果は同じように見えます。この弾頭は説明にある通りEFP(自己鍛造弾)で、子弾には爆薬が搭載されていませんので、クラスター弾禁止条約に抵触しません。

自己鍛造弾とは、爆発によって板状の素材を弾丸のような形状に変形させ、強力な貫通力で相手を攻撃するものです。イラストで判るように、飛散方向が下向きに限定されており、爆発の威力を極めて効果的に発揮します。威力の範囲は弾頭の直径の500倍の範囲と言われていますので、仮に弾頭の直径を40cmとすれば直径200mの範囲の敵を攻撃することができ、戦車のような装甲も貫通します。

また、高速滑空弾について、滑空で移動するから航空機程度の速度しか出ないので簡単に迎撃されるのではないかとしていますが、現在米・ロ・中などが開発中のものは超音速でマッハ5~10を想定しています。マッハ10は秒速3.4KmですからIRBMに相当する速度になりますので、迎撃には高度な能力のミサイルを必要とします。

以上のことから「高速滑空弾の研究」については法的な問題はなく、技術的ハードルは高いものの、実用化できれば大きな抑止力が期待できますので、今後の推移が注目されます。

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