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2017年12月11日 (月)

弾道ミサイルはどこまで探知可能か

昨日の記事を書きながら、これまで疑問に思いながら事実関係がはっきりせず、もやもやしていることがあったので、今日はそれを取り上げます。

先日の北朝鮮による火星15号の発射に関し、日米韓はどこまで探知できたのかと言った問題です。当初韓国軍は高度4500Km、水平距離960Kmと発表し、北朝鮮政府は高度4475Km、水平距離960Kmと発表しています。これに対し、日本政府は4000Kmを大きく超える高度として具体的な数字を明らかにしていません。また米国も具体的な数値を明らかにしていません。

ではこれらの数字はどこから出たのでしょうか。北朝鮮は独自の観測網を持っておらず、着弾点や最高高度については観測能力がないと考えられることからミサイルに搭載したテレメトリが送信した速度や加速度の情報から現在位置を割り出して算出した数字を使っていると思われます。計器の精度がありますから、完全に正確とは言えませんが概ねこのような数字であると考えて良いと思われます。

では韓国はと言えば、実際に観測可能なのは保有するイージス艦と米国のイージス艦からの情報に基づいたものですが、果たして到達高度まで観測可能か疑問です。と言うのは同じイージス艦を持つ日本政府が4000Km以上と言葉を濁しており、実測値ではないことを言外に匂わせているからです。恐らくですが、イージスシステムではミサイルの高度や速度、加速度を計算しますので、計算上の到達高度が割り出せるので、その数字を公表したのではないかと思われます。

では日本の自衛隊はどのように観測したのかと言えば日本海のイージス艦と佐渡島、大湊に設置した通称ガメラレーダーことJ/FPS-5レーダーで捕捉したのではないかと考えます。J/FPS-5レーダーは弾道ミサイル監視用に開発された直径18mのアンテナを持つ高性能レーダーで、長距離の探知が可能と思われますが詳しい性能は公表されていません。

米軍は海上に浮かぶプラットホームに大型のXバンドレーダーを乗せたSBX-1を配備してICBMの探知に運用いていますが、このSBX-1の能力は4800Km先のソフトボールを識別できると言われています。そんなところから推測すれば、J/FPS-5の探知距離が4000Km前後なのは納得できるところです。

Photo

佐渡から見た2000Kmはこれ位の距離で、4000Kmはこの倍ですから大変な距離を監視していることがお判りいただけると思います。ちなみにモンゴルの首都ウランバートルまではおよそ2750Kmです。

Km

12月12日追記 佐渡から4000Kmの距離はこのあたりです。 (国土地理院の地理院地図を加工)

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