巡航ミサイル迎撃に活用の意向 地上配備型イージス視察で防衛相
小野寺防衛相は現地時間の10日、訪問先のハワイで、イージスアショアの試験設備を見学後に記者会見し、「北朝鮮に対する弾道ミサイル防衛に限らず、将来的に巡航ミサイルの迎撃への活用など機能を拡大したい」との考えを述べました。
これは対中国を想定し、イージスアショアで運用可能なSM-6を念頭に置いたものと思われますが、現実的ではないと考えます。まず、イージスアショアの設置位置は山口県と秋田県が予定されており、中国を睨んでの位置としては適当ではありません。
赤い点が萩と秋田のイージスアショアの設置候補地で、赤い円がSM-6の射程を表しています。見ての通り、南西諸島、東海地方や関東はカバーエリアから外れています。
またイージスアショアの発射機は現在24発を装填できるVLS1基が想定されていますが、主体は弾道ミサイル用のSM-3なので、SM-6の装填数は限られます。一般に巡航ミサイルは大量に発射することで、相手の迎撃能力を無効にする運用をしますので、イージスアショアでの対処は困難ではないかと考えます。
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