米軍三沢基地のF-16がエンジントラブルで燃料タンクを投棄
昨日午前8時40分頃、青森県三沢基地を離陸した米空軍のF-16戦闘機がエンジンから出火、基地の北側にある小川原湖に翼下の燃料タンク2基を投棄した後、同42分に無事に三沢基地に着陸しました。エンジンが出火した様子は撮影された映像がテレビで流れましたが、排気ノズルからアフターバーナーとは違う炎が噴き出していたのが確認できました。

小川原湖畔にあるキャンプ施設です。現在湖面は結氷していますが、シジミ漁が行われていました。

事故を起こしたのと同型機のF-16戦闘機。今回投棄した追加タンクは装着していない状態です。

高速で飛行するF-16。この日は展示飛行の練習だったので、自在に飛び回ってカメラで追うのが大変でした。
F-16はロッキードマーチンが開発した戦闘機で、我が国のF-2戦闘機のベースとなった機体です。エンジンは単発ですが、軽量な機体で機動性が高く、攻撃任務にも使われています。
事故については少し古い資料ですが、10万時間当たり3機が墜落する事故率で、三沢基地では1987年から2002年の間に9機が墜落する事故を起こしています。F-16はお隣の韓国でも140機が運用されていますが、1997年から2016年の間に6機が墜落しています。F-16から派生したF-2は、2000年の運用開始以来エンジントラブルによる墜落事故を1件も起こしていませんが、これは特筆されるべき偉業です。
※2007年に機体の姿勢を検知するセンサーのコードが御接続されたことにより、試験飛行をしようとした機体がパイロットの操作と違う動作をして地上に落下する事故がありましたが、離陸以前の事故と捉え、墜落事例から除外しました。

F-16をベースに我が国で開発したF-2です。翼の下に吊り下げているのが、増槽と呼ばれる追加の燃料タンクです。
今回、漁業が行なわれていた湖に燃料タンクが投棄されたことを非難する動きが出ていますが、これは大変微妙な問題です。十分な余裕があれば、そのまま飛行して海上に投棄できましたが、飛行中に事態が悪化すれば機体から脱出する措置が取られます。その場合は地上の安全を図る時間的余裕はありませんので、地上に被害を与えてしまう可能性があります。
今回は幸いに、基地に帰り着くことができましたが、空自入間基地のT-33Aの事故では、基地に帰る途中の機体がエンジン火災で飛行不能になり、地上に民家が密集していたことから、脱出を遅らせて安全な河川敷まで飛行させ、パイロット2名が脱出の遅れによって亡くなっています。
今回は最悪の事態を考えて、予防的にタンクを投棄したものですが、このことをあまり縛りすぎるとより大きな事故を招きかねないので、慎重な分析が必要ではないかと考えます。
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