我が国における米軍機の墜落事故
三沢基地の米軍機が燃料タンクを投棄した事故に関し、過去の事故を調べたところ多数の墜落事故を起こしていることが判りましたので、もう少し掘り下げて調べてみました。ネットで探したところ、年度毎の事故についての資料がありましたので、1991年からについてまとめてみました。その結果、27年間で30件、33機の墜落事故があったことが判りました。件数よりも機数が多いのは、空中衝突などで一度に2機が墜落する事故があったせいです。尚、以下の集計や見解はあくまでも個人的に行ったものであり、公式なものではないことをお断りしておきます。
事故件数を年度別にグラフにしたものですが、判りにくいのでクリックして拡大してご覧ください。
グラフを見ると1994年、1999年、2004年が突出していることが判ります。これらの年に米国に関する大きな出来事がなかったか調べてみると、それぞれボスニア紛争、コソボ紛争、イラク戦争があった時期と重なりました。もしかしたら偶然の一致かも知れませんが、軍事行動を控えて訓練内容が高度化したり、人員の移動などで通常とは違う体制となっていたことが原因となっていた可能性も否定できません。
こちらは墜落した航空機の内、戦闘機や攻撃機の機種別の事故機の数をグラフにしたものです。一番多いのはF-15となっていますが、これは元々配備された数が多いことと、空中衝突の事故が2回あったためと考えられます。F-16は三沢基地にしか配属されておらず、三沢基地所属機の事故が多いことが判ります。
良く、沖縄県に米軍基地が集中しており、事故も沖縄に集中していると主張する人がいますので、沖縄とそれ以外の地域とで発生件数を比較してみました。また墜落地点が陸上なのか海上なのかも比較してみました。
結果として沖縄での墜落事故は全体の37%で、残り63%がそれ以外の地域でした。また訓練は通常海上で行われているためか、陸上よりも海上での事故が多いことが判ります。
今回、米軍機の事故について調べた結果、予想以上に多く墜落事故が起きていることに驚きました。米国は世界の警察官を自負して、世界中の紛争に介入してきましたので、それに伴う訓練も実戦を想定した過酷な内容となっていたのかも知れません。また、いかに米軍とは言え多数の人員を動員することで、組織に過度な負担が生じていた可能性も容易に想像が付きます。
事故は起こしてはならないものなので、米軍に限らず、今後とも再発防止に向けた努力が継続されることを希望します。
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