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2018年3月 4日 (日)

中日新聞が水陸機動団の批判記事

防衛省は、今月27日付で陸上自衛隊の新しい部隊である水陸機動団を創設しますが、本日の中日新聞が社説で「水陸機動団は有効か」と題する批判記事を載せていました。水陸機動団は離島防衛を任務とし、オスプレイやAAV-7水陸両用車を装備するなど米軍の海兵隊をお手本としています。

Aav7_2

海から上陸するAAV-7。 (出典:防衛省)

この記事についてはWeb版には載っていないので、直接の紹介ができないのですが、東京新聞論説兼編集委員の半田滋氏が同内容の記事を現代ビジネスに寄稿していましたので、こちらの双方のURLを紹介します。社説についてはこの記事をベースにしたのではないかと思われるほど骨子が似ています。

http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2018030402000109.html

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/54688

社説を要約すると以下の通りです。

①一旦占領された離島奪還には航空優勢・海上優勢が必要になるが、そもそも事前に必要な部隊を配置しておけばオスプレイやAAV-7は不要ではないか。

②想定されるシナリオとして尖閣諸島を中国が占拠する際、近隣の島嶼についても占領するとしているが、中国は尖閣以外の領有を主張していない。

③オスプレイやAAV-7を揚陸するための輸送艦が不足しており、保有する全装備を一度に揚陸できない。

④部隊の一部を沖縄に配置する構想があるが、住民感情を考慮して妥当なのか。

まず②の中国の領土主張云々は全く当てになりません。尖閣諸島についても以前は全く関心を寄せていませんでしたが、1970年代に周辺の海底に油田があると解った途端、突如として領有権を主張し出しており、今後他の島々についても同様の主張をしない可能性はありません。昨今の南シナ海のサンゴ礁の軍事占拠の手法を見れば、いつ主張し出しても不思議はありません。

①については、事前に狭い島内に大量の部隊を配置すれば、そこを狙い撃ちされるリスクがありますので、奪還するシナリオが妥当です。

③については相手があることなので一概に言えませんが、相手の戦力によって複数回に分けたり、一度に投入する必要があるかが違ってきますので、これをもって意味がないとは言えません。増強を含め他の手段を講じる必要がありますが、これから発足する部隊なので、陣容を整えるのに時間がかかることは仕方ありません。

④これについては何とも言えませんが、海兵隊と置き換わる形で配置するなど工夫が必要かも知れません。また、今後中国の軍事的圧力が強まれば、自分達の土地や安全をを守ってもらう部隊なので、大きな反対は起こらないことも考えられます。

問題を指摘し、批判することはジャーナリズムとして当然ですが、希望的観測だけで安全保障を語っても、国民の同意は得られないのではないでしょうか。

※3月5日追記 

中日新聞の社説が紙面のみと書きましたがWeb版に掲載されておりましたので、この部分を抹消し内容を訂正しました。

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