« 春爛漫で世は太平 | トップページ | お花見間に合いました »

2018年3月31日 (土)

高浜原発訴訟、ミサイル落下の危険を認めず

大阪地裁は30日、大阪府の女性が北朝鮮のミサイル攻撃の危険性を理由に、稼働中の高浜原発3、4号機の運転差し止めを求めた仮処分について、申し立てを却下する決定をしました。森純子裁判長は決定理由を「実際に日本を攻撃する可能性や、その場合に高浜原発を狙って実際に着弾するかどうかは不明と言わざるを得ない」としています。

これに対し、女性側の代理人弁護士は「ミサイルを迎撃する命令が常時発令されている事実を軽視している」と決定を批判しました。

判決は極めて妥当だと思います。弁護士の批判は的外れで、破壊命令が出されているのは、万が一ミサイルが発射された場合、迎撃の許可を取っている時間的余裕がないので、あらかじめそのような場合には、迎撃できる態勢を整えているのであって、差し迫った危険が有る訳ではありません。

では裁判の争点となった原発にミサイルが着弾する可能性とはどのようなものでしょうか。北朝鮮が保有するミサイルで、高浜原発への攻撃が予想されるのはノドンミサイルですが、このミサイルの命中精度、発射したミサイルの内、半数が着弾すると考えられている最高の精度は半径190mの円です。これをCEPと言います。

Cep

ノドン着弾をイメージ図にしてみました。現在想定されているノドンの精度の内、最高の数字でCEPは190mです。赤い点が着弾位置のイメージですが、CEPが190mと言った場合には発射した半数が半径190mの円の中に着弾します。しかし、実際に原子炉建屋に当てるのには、どれくらいのミサイルが必要になるのか計算してみました。単純に考えれば、CEPの面積にいくつ原子炉建屋が入るかを計算し、その逆数が確率となります。

高浜原発の原子炉建屋の直径は22mなのでこの面積を計算すると

11×11×3.14 ≒ 380 m2

一方CEPの面積は

190×190×3.14 ≒ 113354 m2

380を113354で割ると0.00335となります。つまり単純計算でノドンが直撃する可能性は0.3%ほどとなりますが、そもそもCEPは発射したミサイルの半数が着弾する前提なのでこれの1/2の0.15%が単純計算での命中確立となります。(実際は標準偏差などを考慮する可能性があるようでもう少し、低い数字になるようです)ただし、原子炉が3、4号機の2基なので、合わせた確率では元の0.3%となります。

つまり確率上、300発以上のノドンを発射しないと原子炉建屋には着弾しないと言うことになり、北朝鮮の発射機の保有数や、自衛隊の迎撃能力を考慮すると、その可能性は限りなく0に近いと思われ、裁判所の判断は極めて妥当なものと考えます。

|

« 春爛漫で世は太平 | トップページ | お花見間に合いました »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/171584/66557285

この記事へのトラックバック一覧です: 高浜原発訴訟、ミサイル落下の危険を認めず:

« 春爛漫で世は太平 | トップページ | お花見間に合いました »