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2018年3月 5日 (月)

のぞみ台車事故の原因について

JR西日本ののぞみが、異音がしたまま走行を続け、停車して調べたところ破断寸前であった事故の原因が、川崎重工での作業ミスによるものだったことが明らかになって大変驚きましたが、作業ミスの内容について報道を見る限りではイマイチ理解ができませんでした。

ところが、今朝の東洋経済ONLINEの記事を読んでやっと納得がいきました。

http://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180305-00211007-toyo-bus_all&p=1

疑問点は二つありました。台車が重要部品であり、その強度は部材の厚みによって左右されるのに何故半分になるまで削ってしまったのかと、何故現場で削る必要があったのかの2点です。

まず、削る必要性については、川重に支給された台車がプレス精度が悪くて平面が確保されておらず、相手材と溶接するのに具合が悪かったことによるものと解りました。

また、何故削り過ぎてしまったのかについては、現場主任が平面を確保するために作業者に削ることを指示しましたが、当然許容範囲の0.5ミリを超えて削ることはないと考えていたところ、作業者は許容範囲が0.5であることを知らず、大幅に台車を削り込んでいたこと。作業後に台車の厚みを確認しておらず、薄くなったことを検知できなかったことによるものです。

Photo

東洋経済の記事を元に図を作成してみました。実際の部品を見ていませんので想像ですが、図-1が正常な台車、図-2が平面が出ていない台車、図-3が削り込まれた台車の想像図です。なるほど平面を出そうとすれば、相当削り込む必要があることが理解できます。
この2点は製造現場で間々起きる事象で、それによって今回のような品質問題が起こるのも間々あることです。

前工程の作業が図面通りに仕上がっておらず、現場での対応を迫られる問題ですが、本来は前工程で解決されるべき問題で、現場で対応してしまったために根本的な解決がされなくなってしまいました。もし問題をフィードバックしていれば、前工程が改善されて、このような問題は起きませんでした。

また、作業指示を口頭で行い、作業結果について確認を怠ったことにより異常作業を見逃すことも不良が発生する要因の一つです。これを防ぐには、作業方法について図示し、ポイントを明確にすることです。この場合、台車強度を損なうことは厳禁なので削る量は0.5ミリ以内、0.5ミリ以内であることを確認する確認方法まで決める必要がありました。口答だけで指示した場合、相手が誤って指示を理解したり、指示された範囲を拡大解釈してしまうことは良く起こります。それらを防止するために作業マニュアルがあり、作業結果を記録して作業の確実性を確保する訳ですが、この現場ではどうもこのようなことが軽視されていた可能性が感じられます。

幸い今回は事故に至らず、異常作業された台車が明確になって年内に全ての交換が終わると言うことなので、一安心ですが、同様の事例が他部品でも行われている可能性がありますので、更なる検証が必要ではないかと考えます。

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