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2018年6月12日 (火)

東京高裁が袴田事件の再審請求を棄却

11日午後、東京高裁は袴田事件の再審請求で静岡地裁が認めた再審請求について、地裁決定の根拠のDNA鑑定を「過大評価」と判断し、これを認めない決定をしました。はっきり言って東京高裁はボンクラの揃いで、法の下の正義の資格を自ら放棄した無能集団です。

袴田事件では容疑者の強引な逮捕以後、違法な過酷で長時間の取り調べを連日行い、容疑者を心神耗弱の状態に追い込んで、自白を誘導しました。この間の経緯については警察・検察はひたすら隠蔽し、裁判所は盲目的に調書を鵜呑みにして有罪判決に加担しました。違法な取り調べのテープが最近になって明らかになったり、行方不明とされた証拠物を撮影したネガフィルムがひょっこり見つかるなど、警察のやりたい放題だった捜査の状況が今更ながら彷彿される状況です。

何より容疑者逮捕の時点で、犯行時の着衣はパジャマとしたのに、後日別の衣類が何度も捜索したはずの味噌樽の中から、見つかると言う悪代官が登場する時代劇そっくりの展開です。しかもお笑いなのは、長期間味噌に使っていた筈の衣類はほとんど変色しておらず、弁護側の再現実験の結果とあまりに違っていても裁判所は見て見ぬ振りです。

何より驚くのは、これらの見つかった衣類はサイズが小さ過ぎて被告は着ることができなかったのに、味噌に浸かったことにより縮んだと嘘八百を述べましたが、再現実験ではほとんどサイズの縮みは確認されませんでした。また、警察は衣類の「発見」後に容疑者の実家を捜索し、共布が見つかったと証拠申請しましたが、発見の直前にメーカーから同じ布を入手しており、いかにも不自然です。もし本当に犯行時の着衣なら共布は衣類発見時に処分されているべきもので、不自然に発見される様は、ドラマの悪徳刑事の手口そのものです。

これらの明らかに事実と相違する証拠品について、裁判所は目を瞑ったまま、頑なに弁護側の主張に耳を傾けようとはしませんでした。これは明らかに警察・検察を擁護するために、被告の利益を無視した司法にあるまじき態度で、許せるものではありません。

そもそも、本事件は容疑者の勤め先の専務一家に強盗に入った末に家族4人を殺害したと決めつけていますが、普通に考えれば面が割れている専務の自宅に押し入るよりも、見知らぬ金持ちに押し入る方がはるかに合理的です。警察・検察の事件の筋立ては荒唐無稽としか言えないもので、このような稚拙で誤った捜査を高裁、最高裁が追認し、今また高裁が支持することは、我が国の裁判史上最大の汚点と言っても差し支えない愚挙そのものです。東京高裁よ、まともな神経を持っているなら恥を知るが良い。

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本件とは全くの無縁ですが、京都府警本部です。

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