枝野氏が護衛艦空母化を批判
枝野氏は3日、山梨県昭和町の講演で政府が護衛艦「いずも」の空母化を検討していることに触れ、「なし崩し的に専守防衛を超えるような装備が進んでいる。専守防衛なら要らないはずだ」と述べました。
先日も枝野氏の発言を取り上げましたが、どうも枝野氏の考えには偏りがあるようです。民主党が与党の時代には南西諸島に自衛隊を配備することを決定し、「よこしまな思いを周辺国に持たせないために海域を監視する態勢が決定的に欠けていた。配備することで一定の効果があるとの考えだった」と述べています。
中国海軍は既に空母「遼寧」を保有し、先日は2番艦となる国産空母の試験航行を開始しています。更には電磁カタパルトを備えた原子力空母を含めた空母5隻体制を目指しているとも伝えられています。我が国と中国大陸の間は最短で500Kmほどですから、我が国に空母は不要と言われ続けて来ました。では、何故中国は必要が無い筈の空母を搭載機を含めて多額な費用を投じて保有しようとするのでしょうか?
それは空母には海上のどこへでも進出ができて、そこから航空機を発進させることで周辺の空域・海域を制圧可能だからです。例えば、台湾進攻を考えた場合、中国本土から出撃するばかりでなく、南方海域から航空攻撃できることは相手の防空網に大きな負担を強いることになり、大陸側の防禦を手薄にしかねません。これは我が国に対しても同様です。
枝野氏は能天気に専守防衛なら不要のはずだと決めつけていますが、中国軍部と意見交換をして、そのような事態はあり得ないとの言質でも取っているのでしょうか。勿論そんな約束事があったとしても、実際にそれを破って相手国に侵入する先例を我々は日ソ不可侵条約で体験しています。
相手の意思ではなく、能力に備えるのが安全保障の要諦です。持論展開も結構ですが、立憲民主党自体が多くの国民の支持を得ていない現実を見て、不支持の理由を分析することが求められるのではないかと思います。
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