新幹線刃物死傷事件
走行中の新幹線のぞみの社内で乗客3人がが刃物で襲われ、男性一人が死亡、女性二人がケガをする事件が起きました。犯人の男は、通路側の背に座っており、新横浜から乗り込んだ女性客が窓側に座り、テーブルを使おうとしたところ、いきなり刃物で襲い掛かかったということです。
亡くなった男性は、この女性を庇おうとして犯人に襲われたものと見られています。男は刃渡り30センチのナタともう一本の刃物を持ち込んで犯行に及んでいました。犯人の周辺からは、男は自殺をほのめかしたり、刑務所に入所をする願望を口にしていたとのことですから、もしかしたら無差別殺人をすることで、逮捕され、死刑になって命を絶とうと考えたのかも知れませんが、無責任にもほどがあります。こんな男の身勝手な願望の犠牲となって突然命を落とすことになった38歳の男性が哀れでなりません。
それにしても、新幹線の安全管理には問題があると言わざるを得ません。2年前に乗客が車内にガソリンを持ち込み、走行中に床にまいて火を点けて焼身自殺を図る事件があり、巻き込まれた女性客が亡くなる事件がありました。この時、乗客の手荷物検査を実施すべきとの声が上がりましたが、利便性を優先するとの結論になり、車内に監視カメラを設置する対策だけが取られることになりました。
確かに新幹線の場合、短時間に多数の列車を運行していますので、全ての手荷物を時間を掛けて検査することには課題が多いかも知れません。しかし、通路に金属探知機を設置して、反応があった荷物だけをしらべれば、チェックする件数は相当絞れる筈です。また、過去にも車内で凶行が行われたことがあるのに、何の対策もとらないままで、漫然と運行して来たのも問題です。
今回は座席を外して犯人に対する盾としたようですが、駆け付けた車掌は犯人に対して何もできませんでした。せめて暴漢に対し、少なくとも運動能力を奪うスプレーやスタンガンの類は常備する必要があったのではないでしょうか。
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