防衛費2%問題
今朝の中日新聞が、自民党の安全保障調査会と国防部会が提言した防衛費をGDPの2%に引き上げる提言を取り上げ、批判しています。以下、社説からの抜粋引用です。
~ところが提言は「NATOが防衛費の対GDP比2%達成を目標としていることも参考にしつつ」必要かつ十分な予算の確保を求めた。「戦後最大の危機的情勢」下で、国民の命と領土などを守り抜く体制構築のためだという。
GDP比1%は、日本が専守防衛に徹するという国際的なメッセージだ。2%を参考にすると言い出せば、再び軍事大国化の意思ありと疑われても仕方があるまい。~
何かにつけて軍事大国化と批判するのはいかがなものかと思います。と、言うのは国防費がGDPの1%を超える国が多く存在するからです。各国の軍事費・国防費についてはスウェーデンのストックホルム国際平和研究所が統計を取って公開しています。
主要国の国防費の対GDP比ですが、我が国を除く全ての国が1%を超えており、米国は3.2%、インド、フランス、韓国も2%を超えており、中国もほぼ2%の水準です。軍事大国を公言している米・ロ・中を別として、インドやフランスに向かって軍事大国化を目指しているのか、と非難することにもなりかねません。
そもそも1%以内は良くて2%はダメと言う理屈が良く判りません。あくまでも仮定の話ですが、国家予算が今の2倍になれば1%のままでも防衛予算は2倍になります。これが良いのなら、GDPの2%が許されないと言う理屈は何なのでしょうか?
北朝鮮と国境を接している韓国はGDP比2.6%の国防費ですが、同じように北朝鮮や中国、ロシアの軍事圧力を受けている我が国が、1%枠に捕らわれなければならないと言うのは、どう考えてもおかしな話です。必要な脅威に備えるために、十分な備えをすることが必要であり、そのためにどうしても必要であれば2%でも3%でも投入するのは当然ではないでしょうか。少なくともインドやフランスが非難されたと言う話は聞いたことがありません。
防衛費については対GDP費は一つの指標ではあるのでしょうが、どこまでが良いとか悪いとかでなく、国民の安全を守るのに十分であるか、そうでないかの観点で論ぜられるべきではないでしょうか。
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コメント
軍事費二倍にする以前に外交でかわさんかい、と言いたい。
アメリカの軍需産業をこれ以上儲けさせることはない。
元はと言えば、あっしや雨辰さんの税金なんでっせ。
投稿: 出がらし紋次郎 | 2018年6月25日 (月) 16時58分
出がらし紋次郎さん、コメントありがとうございます。
外交で全て解決できればベストなんですが、いくら口で訴えても竹島は戻ってきませんし、中国は尖閣諸島の領有をあきらめません。
もし彼らが軍事力で事態の解決を図ろうとするのなら、最終的には自衛隊によって武力を封じるしかありません。そのために必要であれば、GDP比3%が必要になるかも判りませんが、1%の枠に縛られて為すべきことができないのは、本末転倒ではないかと言うのが私の意見です。
投稿: 雨辰 | 2018年6月25日 (月) 19時39分
くだらん。
雨辰さんは「安倍が退いても憲法は“改正”される」とゆうてましたな。せやけどそないなったら、この国の破滅でっせ。
あなたも、あっしも死ぬことになる。
有事に使えるかどうか分からんイージス・アショアや、気休め程度のJアラートではどうにもならないでしょうが。
雨辰さん。あなたは本当に優しい方です。
せやけど、あなたのような「優しい」方が往々にして間違った選択をして、我々のようなボンクラ者を地獄に叩き落とす手助けをするんですよ。かつてナチスを支持したみたいに。
戦争だけは勘弁してくれ。
あなたもあっしも死ぬんでござんすよ!
反論があるなら、いつでも浜松まで出向きまっせ。
最後のお願いだ。
投稿: 出がらし紋次郎 | 2018年6月27日 (水) 06時28分
出がらし紋次郎さんさん、まあ見解の相違と言うことで。
>戦争だけは勘弁してくれ
自衛隊の体制はかつてのように他国に地上兵力を送り込んだような軍事力とは程遠いもので、あくまでも抑止を目的とした防衛重視の装備であって、全面的な戦争を展開できる兵力ではありません。だからと言って侵略に対して無条件で降伏するのではなく、我々の自主独立を奪われることには徹底して抗戦しなければなりません。
中国によって占領され、徹底的に弾圧されているウィグル自治区の実態をご存知ですか?
イスラム系である住民の文化や宗教を武力によって禁じられ、テロを恐れる中国政府は徹底した個人情報(指紋・虹彩スキャン情報・血液型・DNA情報)の提出を強要し、全車両にGPS発信機の設置を義務付けています。政治運動はおろか、言論の自由もなく、令状もないまま拘束されて拷問が加えられ、長期間牢獄につながれます。
現在香港における政治的権利や自由な活動が奪われつつありますが、やがてウィグル族と同様の立場になるかも知れません。
自由を守ると言うと好戦的なイメージでとらえられるかも知れませんが、究極的にはごく当たり前の現在の生活を維持すると言うことです。
この手の論争で、相手を心底から納得させることはあり得ないと思っていますので、この件についてはここまでとさせて頂きます。
投稿: 雨辰 | 2018年6月27日 (水) 07時48分