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2018年7月31日 (火)

イージスアショアは攻撃を誘発する?

もう少しすると来年度の概算要求が出て来る季節となりますが、防衛予算がどのようになるのか注目されます。それもあってか、ここに来てミサイル防衛の切り札として期待されるイージスアショアについて防衛省からいくつか動きがありました。

一つは使用されるレーダーについて、従来説明していたSPY-6からロッキード社が新たに開発するSSRに変更すると明言したことです。SPY-6は現行のSPY-1の発展型なので、メンテナンスなどの点で有利なのですが、米国のミサイル防衛局が米軍が配備して間もない新型レーダーを他国に提供することに難色を示したことで、いつ導入できるかが不透明となり、提供の制限がないSSRを選択せざるを得ませんでした。但し、SSRはこれから開発し、イージスシステムとのマッチングをする流れになるため、我が国が希望する2023年に配備できるかは、こちらも不透明です。

もう一つは価格問題です。当初防衛省は現行のSPY-1を使ったシステム価格から1基800億円としていましたが、新型レーダーを使いSM-3ブロック2Aを運用することから、1基1340億円と明らかにしました。レーダーの性能が上がれば、それに伴ってコンピューター部分もグレードアップする必要がありますから、この程度の価格アップは許容の範囲ではないかと思われます。

Photo

SM-3ブロック2Aです。 (出典:防衛省)

さてイージスアショアの候補地の一つである秋田県では、設置予定地の新屋演習場が市街地に近いことから、有事の際に敵の攻撃目標になると、設置に難色を示しています。これについて、ロシアのスプートニク通信日本版が、核保有国の立場から、これを肯定する記事を載せました。

http://jp.sputniknews.com/opinion/201807315176166/

以下引用です。

~ヴェルホトゥロフ解説委員「ミサイル防衛システムのレーダーは、戦争において最優先の標的です。レーダーを破壊すればミサイルは発見できず、迎撃システムは機能しなくなり、敵に多大な損失を与えることができます。例として、比較的最近の、核戦争を想定したアメリカのプラン『SIOP-98』(※2001年、このプランに関する一部情報が公になった)では、ロシアのミサイル防衛システムの鍵であるレーダーシステム『Don-2N』の破壊が計画に入っていました。それにはなんと69もの核弾頭が向けられる計画でした。」~

いやはや何ともです。米国の核攻撃の想定を紹介する体裁を取っていますが、各保有国の本音を代弁するもので、これではロシアも必要とあれば、日本に何十発もの核ミサイルを撃ち込む用意があると言っているようなものです。では記事にある通り、イージスアショアのレーダーを使用不能にした後はどうするのでしょうか?

ヴェルホトゥロフ解説委員の言葉によれば、イージスアショアを無効化するのは、攻撃するミサイルを防衛されなくするためなので、当然第二波は私たちの頭上に向けられることになります。自衛隊の主力基地や、大都市などがターゲットになることが考えられます。その場合、日本海側の有力都市である新潟市や秋田市もターゲットになることが十分考えられます。つまり、イージスアショアがあるとないとにかかわらず、攻撃される側の中核都市である秋田市は、攻撃される国に損害を与える目的で攻撃のターゲットになり得ると言うことです。だからと言って設置をごり押しして良いとはなりませんが、もう少し広い観点からの議論が必要なのではないでしょうか。

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