陸自が独自の輸送艦の保有を検討
陸上自衛隊と言えば戦車や装甲車などを装備して陸上において国土防衛を目指す組織ですが、その陸自が独自の輸送艦の保有を検討していることが明らかになりました。
自衛隊は陸・海・空の三つの組織に分かれていますが、それぞれの基地への補給や物資輸送はそれぞれの輸送機やヘリコプター、トラックなどで行っています。中でも陸自の場合は、離島である沖縄本島や対馬を除けば、基地は北海道・本州・四国・九州の陸地に限られていました。ところが、中国の軍事的圧力に備えるため、最西端の島である与那国島に沿岸監視隊を駐留させ、石垣、宮古島に警備隊や対空ミサイルや対艦ミサイル部隊を配備する計画が進められています。
南西諸島の位置関係はこんな具合です。 (出典:国土地理院の地理院地図を加工)
部隊が離島に配備されれば日常的に補給が必要となります。陸自は航続距離の長いV-22オスプレイの導入を進めていますので、少量の人員や物資はオスプレイでの輸送が可能ですが、戦車やトラック、装甲車などの大型車両の輸送はできません。また海自が保有するおおすみ型輸送艦は3隻しかありませんので、定期修理などを考えれば日常的な輸送に投入するのは問題がありそうです。
我が国が3隻しか保有していないおおすみ型輸送艦です。 (出典:海自HPより)
そこで、陸自が自由に運用できる輸送艦を導入することを考えたのではないかと思いますが、大賛成です。我が国は四方を海に囲まれている割に、他国と比較して輸送艦の数が少な過ぎます。中国軍の場合、大型輸送艦に限っても45隻を保有し、運搬できる車両は合わせて450両なのに対し、我が国はわずか3隻で、運搬可能な車両の合計も1割程度の54両です。
また輸送艦は災害時にもヘリの発着拠点としての機能や、医療施設としての役割を果たしますので、予想される大規模地震への備えとしても導入は意義のあることと考えます。
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