翁長沖縄県知事が死去
今年4月に膵臓のがんを除去する手術を受け、療養中だった沖縄県の翁長知事が亡くなりました。謹んでご冥福をお祈りします。
翁長知事は普天間基地の辺野古への移転に反対を唱え、当時の仲井間知事を破って初当選、今年11月に行われる知事選に再出馬するものと見られていました。しかし病を得たことで、健康面が心配されていましたが、思いもよらず昨日午後7時前に急逝しました。
翁長氏は終始辺野古への新基地建設に反対し、国を相手に法廷闘争を繰り広げましたが、ことごとく敗訴、16年12月に埋め立て承認取り消しは違法とする県側敗訴の最高裁判決が確定していました。それを受けて国は着々と埋め立てに向けた工事を進めて来ましたが、最後の手段として埋め立て承認の「撤回」を行う予定でした。
撤回は承認後の事業主体による重大な違反や問題を理由に、承認の効力を失わせるもので、沖縄県が切ることができる最後のカードでした。そのカードを切る直前の死去は反対派にとって大きな痛手となりました。
半面、こうした反対運動によって辺野古の工事が遅れることになり、その分普天間基地が固定化されて現在に至っていますので、こうした事態を膠着させた責任の一旦は翁長氏にあります。地元の辺野古地区住民は基本的に辺野古への移転を受け入れていましたので、ある意味で地元の民意をよりも自己の政治的立場を優先させたとも言えます。
翁長氏の急死によって11月の選挙が急遽前倒しで行われることになりましたが、果たしてどのような結果になるのか、今後の推移が注目されます。
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