空自の警戒航空隊が警戒航空団に改編
昨日、時事通信が、早期警戒機などを運用する航空自衛隊の警戒飛行隊を航空団に昇格すると伝えました。この方針は既に8月31日に発表済の平成31年度の概算要求書にも記載されていますので、各段新しいニュースでもないのですが、何故今になってこのような報道がなされたのか判りません。
現在空自には三沢基地に早期警戒機のE-3Cを配備する第601飛行隊、浜松基地に早期警戒管制機のE-767を配備する第602飛行隊、那覇基地にE-3Cを配備する第603飛行隊がありますが、これを航空団に改編して要員を30名増強、860人体制にするということです。
では、何故改編するに至ったのか。背景の一つとして、今年度に受領が予定されているE-2Dの存在があるのではないかと推測されます。E-2Cは、ソ連のベレンコ中尉が亡命目的でMig-25で低空飛行で領空に侵入し函館空港に強行着陸した事態を受け、侵入機の監視のために13機が導入され三沢基地に配備されていました。その後、中国空軍の活発化を受けて、一部を那覇に移動、601飛行隊と603飛行隊に分割されました。
E-2Cは初号機の導入が1983年ですから運用開始から既に35年が経過しています。この間最新の機材に変更するなどアップグレードをしていますが、老朽化が目立ち始めています。このため、レーダー機材を一新した最新型のE-2Dの導入が計画され、平成27年度予算で1機、28年度2機、29年度1機が予算化され、31年度概算要求でも2機が要求されています。この新たに配備されるE-2DについてはE-2Cの更新ではなく、増強分とされています。
つまり、現在配備中のE-2Cの13機に加え、E-2Dを8機(米国防総省は9機分の売却を承認)を増強することになりますので、航空隊から航空団に昇格させるのではないかと考えます。E-2Dについては従来よりも低い周波数のレーダーを採用しており、ステルス機の探知能力が優れていると言われており、周辺国の動向に対応する狙いがあるものと思われます。
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