有人ソユーズロケットが打ち上げ失敗
11日、国際宇宙ステーションへの米・ロの宇宙飛行士を乗せたソユーズロケットが打ち上げに失敗しましたが、乗員は緊急脱出して、無事に地上に帰還しました。
ソユーズロケットはロケットエンジン4基を束ねた2段目エンジンの周りを同様の4基のロケットエンジンを束ねた1段目のエンジン4つを取り付けた構造で、打ち上げ時には1、2段合わせて20基のエンジンに点火して上昇する仕組みです。20基ものエンジンを使用するのは、無理して高性能を求めていないからで、その分信頼性が高くなります。対極にあるのが我が国のH-2Aロケットで、小型高性能にこだわっているので、精密な加工が必要とされ、その分高価となっています。
今回は1段目のエンジン切り離しに際し、一段目エンジンが2段目ロケットに接触したため2段目エンジンが緊急停止したことが原因とされていますが、詳しいことは判っていません。
乗員が無事に帰還できたのは何よりですが、有人ロケットが打ち上げに失敗したことはショックです。ロシアは米国と並ぶ宇宙大国ですが、最近はロケット打ち上げ失敗が多く、有人機での事故を心配していました。ソユーズに限っても、2002年、2005年、2011年2回と4回の失敗を数えています。
2006年から2015年にかけての各国の打ち上げ状況は以下の通りです。
国名 米国 ロシア 日本 中国
打ち上げ回数 181 318 30 136
失敗数 5 19 0 3
成功率 % 97.2 94 100 97.8
我が国でも、2003年に現在の主力ロケットH-2Aの6号機が固体ロケットブースターの切り離しに失敗していますが、以後輸送ロケットでの打ち上げ失敗は起きていません。この事故を受けて、ロシア政府は事故原因が究明されるまで有人飛行は中止するとしていますが、当然です。人命がかかっていますので、徹底した原因究明が求められます。
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