« エアフェスタ浜松2018 その3 飛行展示編 | トップページ | エアフェスタ浜松2018 その4 ブルーインパルス編 »

2018年11月28日 (水)

護衛艦いずもでF-35Bを運用へ

今週に入り、護衛艦いずもの「空母」への改修とF-35Bの導入についての記事が急に増えました。今年の初めくらいからこの手の話は取り上げられていましたが、年末に今後5年間の防衛整備の方針を定める防衛大綱が制定されますので、政府が意図的にリークしているのではないかと思われます。ヘリ搭載を前提とした、いずもでの固定翼機の運用については、既に建造メーカーから回収すれば技術的に可能であるとの結論が出ていますので、後は実行するかどうかの意思の問題となっていました。

F35b_hp

垂直離着陸機F-35B (出典:在日米国海兵隊HP)

米軍と違い、自国領土の防衛に徹する自衛隊にとって、これまで空母は不要とされていました。これは、空母が攻撃的な兵器であり、自衛隊は保有できないとの声があることや、那覇ー与那国島間でも500Kmほどの距離なので、陸上からの航空機で十分だとの声が強かったからです。勿論、これは建前的な発言で、本音は別だったのかも知れませんが、最近になって控えめながら「空母」を保有することを検討するようになっていました。

Photo

ヘリコプター搭載護衛艦いずも  (出典:防衛省)

理由は中国の空母保有の動きです。中国は旧ソ連が建造した空母を、スクラップの名目で購入し、自国で改造して空母「遼寧」として配備しました。「遼寧」はいわゆるスキージャンプ方式の甲板を持ち、艦載機としてJ-15戦闘機を搭載しています。「遼寧」は乗員の訓練やパイロットの訓練が必要なことや、現在のところ1隻しか配備されていないので本格的な運用は、なされていませんが、それでも今年4月には台湾を半周した後、宮古海峡を西進して軍事的プレゼンスを見せ付けました。

更には現在国産空母2隻を建造中で、遠からず実戦運用が可能な3隻体制となり、その存在感は今までの比ではなくなる事態となります。中国空母が我が国領海周辺に接近して長時間留まった場合、航空自衛隊が対応するのに大変苦労することになります。先ほどの与那国島への駆け付ける場合でも、所用に30分ほど必要です。空母からJ-15が発進していればスクランブルをかけることになりますが、相手は好きな時間に何度も発進できますが、こちらはそのたびに往復1時間をかけて駆け付けなければなりません。

こちらに「空母」があれば、現場海域に派遣して様子を見ることが可能になりますし、相手に対して抑制を促すことになります。「空母」で運用する垂直離着能力を持つF-35Bについても40機程度を導入するとの話も出ていますので、中国空母に向けての対応に本気で取り組んでいる姿勢が窺えます。

本日の中日新聞もこの話題を取り上げていますが、「専守防衛変質の恐れ」と批判的です。しかし、「空母」1隻、F-35B数十機で他国を大規模侵略することなどはとてもではありませんが、相手の武力侵攻を防ぐ上では大いに有効だと思います。これからの動きについて引き続き注視したいと思います。

|

« エアフェスタ浜松2018 その3 飛行展示編 | トップページ | エアフェスタ浜松2018 その4 ブルーインパルス編 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 護衛艦いずもでF-35Bを運用へ:

« エアフェスタ浜松2018 その3 飛行展示編 | トップページ | エアフェスタ浜松2018 その4 ブルーインパルス編 »