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2018年12月21日 (金)

日本がIWC(国際捕鯨委員会)から脱退の方針

我が国がIWC(国際捕鯨委員会)から脱退する意向であることが明らかになりました。我が国は古くから水産資源としてクジラを食用し、ヒゲなどをバネの代わりに使用するなど余すことなく利用してきましたが、1951年に国際捕鯨取締条約に加盟し国際捕鯨委員会の一員となり、IWCの枠内で捕鯨活動を行って来ました。

これまでも脱退論が出たことがありましたが、国際世論を考慮して見送られて来ましたので、大変驚くとともに唐突な印象は拭えません。  

かつてクジラは欧米による鯨油の採取を目的とした乱獲で生育数が激減し、絶滅が危惧される事態となってしまいました。このような状況を改善するため、鯨類の資源管理を目的としてIWCが活動して来ましたが、近年では捕鯨と無縁の加盟国が増え、我が国のような捕鯨を支持する立場の国は少数派となっています。反対派の加盟国の中には、スイス、チェコ、ハンガリー、ポーランドなど海に面していない内陸国がいるのもおかしな話ですが、そのような中1982年に商業捕鯨の禁止が採択され、日本は1986年に商業捕鯨の中止に追い込まれまれてしまいました。

その後、条約締結国に認められた権利に基づき、調査捕鯨を行って来ましたが、2014年に国際司法裁判所で商業捕鯨モラトリアム違反の判決があり、南氷洋での調査捕鯨の停止が命じられていました。このような動きに対し、外交活動を通じて科学的に生育数の増加で一定の範囲での捕鯨は可能として、捕鯨への理解を求めて来ましたが、とにかくクジラの保護が最優先との前には多勢に無勢で我が国の立場は認められませんでした。

このような中、これ以上IWCに留まっていても捕鯨再開の道を開くことはできないと判断したものと思われます。捕鯨については、各地で伝統的な捕鯨が行われ、伝統的な技法や食習慣も残っており、食文化の一面も持っています。環境保護の観点から、むやみに捕獲することは許されませんが、ルールに基づいて、水産資源として活用できる道が開かれるのは好ましいと考えます。

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