国家機密漏洩罪?
韓国で、言論の自由をめぐって政府と野党が対立しています。事の起こりは、最大野党の「自由韓国党」の姜孝祥(カン・ヒョサン)議員が9日、記者会見を開き、7日に行われた文大統領とトランプ大統領の電話会談で、文大統領が日本訪問の帰りに短時間で良いので韓国を訪問して欲しいとトランプ氏に要請したとして、懇願外交だと批判したことを受け、内容は事実無根であるが機密の漏洩事件だとして、内容を漏らした外交官と姜議員を刑事告発する構えを見せています。
これは実におかしな話で、姜議員の主張が本当であるのなら懇願外交そのものですし、逆に事実無根であるのなら、機密漏洩でなく虚偽の主張となり、他人を誹謗中傷したり、国民をそそのかして扇動した訳ではないので、刑事罰まで問えないのではないかと思われます。むしろ、そこまですることが話に信ぴょう性を持たせることになりますが、そうしたのは政府自身の責任です。
ソ連時代のロシアでは、庶民が大っぴらに政府や党を批判することは弾圧の対象になりましたので、陰でひそかに小話で権力を批判してうっぷんを晴らしていました。有名なものに、フルシチョフ首相を公の場である赤の広場で「フルシチョフはバカだ」と繰り返し叫んだ男が直ちに捕らえられ、20年の刑に処せられた話があります。なぜ20年もの重罪となったかと言えば、1年分は最高指導者を侮辱した罪、残りの19年は国家機密を漏洩したからと言うものです。
私には韓国政府の振る舞いが、ソ連の小話そのものに思えて仕方ありません。
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コメント
本日の産経新聞が、韓国側から何度も訪韓要請を受けて困惑していると、トランプ大統領が阿部首相に伝えたと報じていますので、姜議員の記者会見の内容は真実だった可能性が大です。
ただ、これが機密と言えるかと言えば首を捻らざるを得ません。
投稿: 雨辰 | 2019年5月30日 (木) 08時53分