浜松城第26次発掘調査は先送りか
浜松城は明治の廃城令の後、遺構の保存が十分でなく、本丸や二の丸部分が大規模な建設工事によって損なわれてしまいました。元城小学校の敷地となった二の丸部分でも校舎やプール、体育館などが、地下を掘り下げた基礎工事を経て建てられてしまいました。一昨年に元城小学校が閉校となったことから、浜松城の26次発掘調査として、地下の深い部分に残された遺構や遺物の発掘が予定され、一時は支援事業の公開入札が公募されましたが、突然中止され、5月30日付で新たに27次の入札が公募されています。
浜松城の発掘風景
これは国道257号線を挟み、市役所の東側に位置する浜松磐田信用金庫が、旧三の丸跡地に本部ビルの新設工事を予定していることが判ったため、急遽発掘調査を組み入れたためではないかと思われます。このため、予算および人的資源の制約から、26次調査を凍結し、27次調査を先行することにしたのではないかと推測されます。
発掘予定地 (出展:遠州浜松城絵図 浜松市文化財デジタルアーカイブより)
26次調査予定地では堀跡が含まれるため、貴重な出土品が出ることが予想されていました。一方27次予定地は、現在既にビルが建っていますので、遺構の保存状態はあまり期待できませんが、これまで判っていなかった新たな事実が明らかになることが期待されます。
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コメント
今朝の中日新聞にこの話題の記事が載っていました。過去にも瓦などの出土品が見つかっていたとのことです。隣接する駐車場は、もしかしたら保存状態が良好かも知れませんので、こちらの調査に期待したいと思います。
投稿: 雨辰 | 2019年6月 5日 (水) 07時27分