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2019年7月26日 (金)

北朝鮮がまたも弾道ミサイルを発射

昨日早朝、北朝鮮が元山(ウォンサン)付近から日本海に向けて弾道ミサイルを相次いで2発発射しました。ミサイルは高度約50Km、水平距離をそれぞれ430Km、690Kmを飛んで海上に着弾しました。弾道の軌道から、1発目はその存在が明らかになっているロシアの短距離弾道ミサイル「イスカンデル」のコピー品と見られますが、2発目は距離を延ばす改良を加えた改良型か、もしくは能力を向上させた新型ミサイルの可能性があります。

元々イスカンダルは、INF条約などの政治的な理由から射程を抑えるために低い軌道(デプレスト軌道)で発射することを前提としていますが、距離が延びる発射角45°の省エネ軌道で発射すれば、射程は短距離ミサイルの概念を超える距離を飛行可能です。今回の2発目も45°の角度で発射した場合、水平距離は1300kmに達するのではないかと見られています。

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ミサイルの軌道はそれぞれこのようになります。

仮に新型ミサイルの射程が1300Kmだとすれば、ほぼ日本全域が射程内に入ることになります。しかし、従来から実戦配備されているノドンミサイルの射程が1500Km以上ありますので、今さらうろたえる必要はありません。但し、今後潜水艦に搭載され、近距離から低い高度で発射された場合には、対処時間や対処装備の見直しが必要になるかも知れません。ちなみに現在自衛隊が配備しているSM-3の公称迎撃高度は70Km以上となっています。これは最終誘導が搭載した赤外線センサーによるためで、大気圏外での迎撃を想定しているためです。実際にはそれ以下でも迎撃可能なのかは現時点では不明ですが、同様に赤外線誘導のTHAADの場合は高度40Kmからの迎撃が可能なので、全く不可能と言うことはないと思われます。

また、新たに導入が検討されているSM-6は最終誘導がアクティブレーダー方式となっていますので、大気圏内での弾道ミサイルの迎撃が可能です。万一そのような事態になれば、将来的にはこちらで対処することになるものと思われます。

※7月26日追記

今日になって、韓国当局が水平距離690Kmを600Kmに訂正しました。このため、当初最大射程は約1300Kmと紹介しましたが、水平距離600Km、高度60Kmだった場合の最大射程は約800Km、水平距離600Km、高度50Kmだった場合で約1000Kmとなりますので、訂正いたします。韓国側は観測した軌道から、計算で水平距離を算出したと思われますが、日本側は佐渡にある通称ガメラレーダーで軌道を監視していたものと思われますので、正確な着水位置は把握済みではないかと推測します。

※28日追記

韓国が飛距離を訂正したのは、日本側からの情報提供の結果だった模様です。佐渡のレーダーなら正確に軌道の監視ができた筈です。

 

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