« 台風10号はいつ、何処へ | トップページ | 立川市の局を受信 »

2019年8月10日 (土)

対北朝鮮政策の転換点

本日、北朝鮮がイスカンデルのコピー品と見られるKN23短距離弾道ミサイル2発を日本海に発射しました。これで7月以降5回10発を発射したことになりますが、今年になってからの通算では7回14発のハイペースです。しかも失敗は1発のみで、発射の成功率は92.3%の高率になります。このように集中的に発射しているのは、米韓に対する圧力の意味もありますが、試射を行なうことによって、飛行特性のデーターを取得し、実戦配備に向けての技術的問題点を潰す狙いがあるものと思います。但し、このような行為は国連決議によって禁止された弾道ミサイルの打ち上げでそのもので、明確に違反する行為です。

しかし、こうした北の動きに対し、トランプ大統領は射程が短いことを挙げて、問題視しない立場を明らかにしています。確かにKN23はディプレスト軌道で発射した場合は500Kmほどの射程とみられ、韓国南部を標的にしたものと考えられますが、省エネ軌道で打ち上げた場合には、800Kmほど飛行する能力があると見られています。この場合、西日本がその射程内に入ることになりますが、我が国防衛の重要施設が標的になる可能性がありますので、トランプ氏のようにのんびりと構えている訳には行きません。

Photo_20190810163301

西日本における自衛隊の重要施設までの距離を見てみました。 (国土地理院の地理院地図を加工しています。)

北朝鮮の東側の38度線近くから発射した場合の自衛隊の基地までのおおよその距離です。日本海側のイージス艦の母港舞鶴基地までが714Km,海上自衛隊最大の呉基地までが625Km、米海兵隊のF-35Bや米海軍のF/A-18が駐留している岩国基地までが614Kmで、十分射程内に入ってしまいます。仮にこれらの基地が攻撃を受けた場合には、洋上のイージス艦や地上のPAC-3の部隊が迎え撃つことになりますが、飽和攻撃を受けた場合は、対処しきれない可能性も否定できません。防衛省はJSM、JASSMなどの長距離空対地巡航ミサイルの導入を決定していますが、これらのミサイルは音速以下の速度で飛行するもので、脆弱性は否めません。北朝鮮が我が国を攻撃可能な兵器の開発・配備を続け、これまでの専守防衛の態勢では、十分な抑止力となり得ない以上、これに対抗する手段を持つのは当然です。

これまでの概念にとらわれず、直ちに相手に打撃を与えられる装備の導入に踏み切る時期に立ち至った、と考えますがいかがでしょうか。

|

« 台風10号はいつ、何処へ | トップページ | 立川市の局を受信 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 台風10号はいつ、何処へ | トップページ | 立川市の局を受信 »