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2019年9月20日 (金)

名古屋城解体目途立たず

名古屋城木造復元に関し、文化庁で審議している現天守の解体許可について申請を取り下げる意向であることが明らかになりました。名古屋城の木造復元については2022年末の完成を目指し、当初は今年9月に解体を始めたいとしていましたが、石垣の保全をめぐって市有識者会議の「石垣部会」の同意が得られず、来年3月に先延ばしされていました。しかし、現状では木造復元工事の許可が得られる見通しがたたないことから、復元工事と解体工事を同時に申請することに方針転換したものです。

名古屋城の復元については、石垣部会」が石垣の保全を優先すべきとしており、復元工事の中で保全工事を行いたいとする市側の意見が対立し、文化庁は復元工事には「石垣部会」の同意が必要としていました。このため、現時点では復元工事の開始については、全く目途が立たず、既に工事を前提として、現在の天守への入場が禁止されていますが、この状態が続いてしまうことになりそうです。市側は「石垣部会」の理解を得ることを最優先に取り組むとしていますが、先行きは不透明です。

「石垣部会」は木造天守が戦災で失われた以上、残った石垣こそが貴重な文化財との考え方のようですが、極論すれば、石垣は建物の基礎のようなものですから、石垣だけ残っているより、その上の建造物が復元されることに意味があると考えます。石垣には、石材や切り出し方法、積み上げ工法など様々な情報が詰まっているのは事実です。しかし、個々のパーツの組み合わせであり、破損や崩壊などによっては取り換えや積み直しが行われているのが現実です。石垣保全に固執するあまり、角を矯めて牛を殺す事態だけは避けて欲しいものです。

Photo_20190920080301

現在は入場禁止となっている、戦後に鉄筋コンクリートで再建された名古屋城天守。

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