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2019年11月28日 (木)

イージスアショアは脆弱か

自民党の石破氏と国民民主党の前原氏が、我が国の安全保障問題について、党派を超えた勉強会を発足させることで足並みを揃えるそうです。昨夜は、両人がBSの番組に生出演して安全保障に対する持論を展開しましたが、国会での与野党の空疎な議論と違い実のある放送になったと感じました。その中で前原氏が、導入を予定しているイージスアショアについて、巡航ミサイル攻撃に対処できないので、導入はいかがなものかと言ったニュアンスの発言をしましたが、ちょっと認識が違うのではないかと感じました。

イージスアショアは、イージス艦に搭載したSM-3ミサイルを含むイージスシステムを地上に設置するものですが、何故そのような必要があるのかが、理解されていないようです。元々はヨーロッパの内陸部に迎撃ミサイルを配置するのに、イージスシステム以外に選択肢がなかったことから発案されたものですが、そもそもイージス艦は定期整備や補給が必要なため、46時中海上にとどまることはできません。我が国は当初あたご型4隻のイージス艦を保有し、弾道ミサイル防衛に当たって来ましたが、常時4隻をミサイル防衛任務に就かせることは困難でした。今後は8隻体制にして、投入できる数を増やす計画ですが、本来のイージス艦の任務は僚艦の艦隊防空です。弾道ミサイル防衛任務にかかりっきりでは、本来の艦隊防空任務に穴が開きかねませんので、常時ミサイル防衛に当たることが可能なイージスアショアの導入が決まった次第です。

イージスアショアは地上配備となりますので、固定目標として巡航ミサイルの標的にされると言うのはその通りですが、イージスシステムでは射程が400Km以上とされる新型のSM-6ミサイルを同時に運用できますので、自己防衛が可能です。またイージスアショアを担当する陸上自衛隊にも、射程50Kmの通称「中SAM」の03式中距離地対空誘導弾がありますので、航空機や巡航ミサイルへの対処が可能です。前原氏が例として取り上げたサウジの石油プラントの場合は、自国内陸部と言うことで、全く防衛体制が敷かれていませんでした。更に言えば、我が国領空に至るまでに空自のレーダーサイトや早期警戒機による発見が可能ですから、着弾前に十分迎撃が可能です。

P5210007r16_20191128091001

E-767早期警戒管制機です。

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空自の基地防空用地対空誘導弾です。陸自には搭載車両だけが違う11式単距離地対空誘導弾があり、対空任務に当たります。

とは言っても、問題提起としてイージスアショアの短所をどうカバーすべきかを議論することは意義のあることだと思いますので、この手の議論を政争の具とせず、国民の安全保障を高める目的で活性化させることを期待したいと思います。

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