光明山古墳が国史跡に指定
浜松市が昨年発掘調査を行った、天竜区にある光明山古墳について、国の文化審議会は15日、国史跡に追加指定するよう文部科学大臣に答申しました。これにより、光明山古墳は国史跡に登録されることになりました。
発掘調査時の光明山古墳です。
光明山古墳は5世紀中ごろに築かれた全長83m、高さ8.5mの前方後円墳で、浜松市内では最大、東海地方でもこの時期のものとしては最大級の大きさの古墳です。墳丘は2段に築かれており、形状も近畿地方の大型古墳と類似していることから、設計図の入手など大和朝廷と極めてつながりが深いことがうかがえます。墳丘は全体に葺石で覆われ、これまで盗掘に遭っていないことから良好な形で残っており、大変貴重な遺跡です。墳丘からは埴輪も多数出土しており、埴輪列があった位置も特定されています。
発掘された葺石の状態。発掘は墳丘の一部でしか行われていませんが、葺石は全周にわたっているものと考えられます。多くの古墳が現存していますが、葺石が当時のまま残っている例を知りません。墳丘はかなりの急斜面となっていますが、それにもかかわらず、このような状態で残っていたことは、大変貴重な存在であると言えるのではないかと思います。それだけに、今後どのように保存していくかが課題となるのではないかと思われます。
注記:写真は昨年4月の現地説明会で撮影したものですが、保全のため現在は埋め戻されている可能性が考えられます。遺跡の価値が高いことから、一部を公開展示する可能性がありますが、現況については未確認なので判っていません。
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