残った給食を持ち帰った教師が懲戒処分
堺市の市立高校で、余った給食のパンや牛乳を長年持ち帰っていたとして62歳の教師が減給の懲戒処分を受け、教師は依願退職する事件がありました。教師はもったいないとして、自宅に持ち帰って食べていたということですが、教育委員会は、余った給食は衛生面から廃棄するルールとなっている、持ち帰りが長期間に及んでいるとして減給の懲戒処分を科したとしています。
正直何が問題なのか、全く理解できません。ルールを教師自らが破ったと言うことですが、そもそも残った給食を機械的に廃棄物として見るのはいかがなものかと思います。私が小学生だった頃、学校を休むとクラスメートが給食のパンを届けてくれました。また、教室で配膳していたので、残飯は発生しませんでした。当時の給食に対する環境の違いもあるかとは思いますが、適正に管理された、当日の給食のパンや牛乳が衛生上問題になるとは考えられません。
昨今は機械的にルールを守ることを重視していますが、何故そのようなルールが決められたのかについては、全く論じられません。単に食べ手がいないと言うだけで、廃棄対象と見なされる食品が存在しながら、その処理について誰も疑問に感じなかったことの方がよほどおかしな話です。これをみんなで考えることこそ学校教育の原点である筈です。また、みんながおかしいと思ったルールを、どのようにするかを考えることも、生きた教育であった筈です。これらを無視して、ルール違反だからの一言で、いかにも硬直した考えです。ルールに盲従するようにして育てられた子供達に、将来困った問題に直面しても、自分で問題を解決する力が備わっているとは思われません。ルールを守ることは大切ですが、本質を誤ったルールを放置する方が、よほど問題だと思われます。
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