柳家小三治逝く
長いことご無沙汰しておりましたが、突然の訃報に接し、勝手ながらブログを再開させて頂きます。
人間国宝の10代目柳家小三治師匠が今月7日、心不全で死去していたことが明らかになりました。享年81歳でした。小三治師匠は早くから、才能を評価され、いずれは小さんの名跡を継ぐものと思われていましたが、諸般の事情の故か、小さんを継ぐことなく小三治として人間国宝となりましたが、大名跡を継ぐこと無く、旅立ってしまいました。
若い頃は大型バイクで寄席に乗り付けるなど、今どきの若者として振舞っていましたが、古参の師匠たちが次々と鬼籍に入る中、精進を重ね、小三治ここにありと、その存在感を増していました。私は多くを知る立場にはありませんが、師匠が演ずる「小言念仏」は絵も言われぬ独自の世界を展開しており、人間国宝に相応しい話芸だったと思っています。
先ごろもNHKテレビでドキュメンタリーが放映されていましたが、病を得ながらも、元気に口座をこなしているものと思っておりました。近頃は若手の活躍もあり、落語会が活性化しておりましたが、歴史的背景や話芸の奥深さをわきまえたベテランが次々と物故する中、最後の重鎮として落語界に睨みを利かせる存在だったのではないかと思います。今後、このような偉大な噺家が出て来るかは判りませんが、彼を超える逸材が次々と現れることを期待したいと思います、
改めて謹んでご冥福をお祈り致します。
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