2017年8月18日 (金)

小野寺防衛相がイージス・アショア導入を米国に伝達

訪米中の小野寺防衛相は現地時間の17日午後(日本時間18日未明)、マティス米国防長官と会談し、地上配備型ミサイル防衛システムのイージス・アショアの導入に向けた協力を求めました。これに対し、マティス氏は前向きな姿勢を示したと言うことです。

イージス・アショアについては、これまで政府の方針として導入に踏み切る方針が伝えられていましたが、正式に確認されたのはこれが初めてです。現在海上自衛隊のイージス艦に配備されているSM-3ブロック1Aは高度500Kmが迎撃可能な高さの限界と言われていますが、新たに開発中のブロック2Aは高度1000Kmまで迎撃可能となりますので、イージス・アショア導入時にはブロック2Aが配備されるのではないかと考えられます。

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上図はイージス艦とイージス・アショアの配置をシミュレーションしてみたもので、イージス艦の射程を赤い線、イージス・アショアの射程を緑の線で表しています。

今回導入が図られるイージス・アショアの設置場所がどこになるのか、全く明らかにされていませんが、SM-3ブロック2Aの射程は1000Km以上と言われていますので、イージス艦を能登沖に、イージス・アショアを北陸地方と九州北部に設置すれば、沖縄本島を含むほぼ全国をカバーすることが可能となります。

北朝鮮は我が国全域を攻撃可能なノドンミサイルを200基、移動式発射機を50両保有していると言われていますが、国土のほとんどを複数のイージスシステムでカバーできますので、全域で迎撃することが可能となります。

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2017年8月15日 (火)

火星12、14号の1段目エンジンはウクライナ製か

米国情報機関や専門家の話として、北朝鮮が発射した火星12号、14号の1段目エンジンにウクライナが製造したRD-250ロケットエンジンが使われている疑いがあると言うことです。RD-250は旧ソ連のICBM、SS-18に使用された実績あるエンジンなので、これがあれば労せずしてICBMを作ることが可能になります。

最近の北朝鮮のミサイル技術の進歩は予想をはるかに上回るものがありましたが、そう言うことであれば納得が行きます。ウクライナは旧ソ連の兵器工場の役目を担っており、重要なミサイル技術を持っていますので、これらの技術も北朝鮮に渡っていると見る方が間違いないのかも知れません。

とすれば、核を搭載できるICBMが完成するのも時間の問題で、米国による軍事力の行使が現実のものとなる可能性が一段と高まったのではないかと思われます。

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2017年8月13日 (日)

PAC-3を4県に配置

自衛隊は北朝鮮の火星12号発射に備えて、陸上自衛隊の島根県の出雲駐屯地、広島県の海田市(かいたいち)駐屯地、愛媛県の松山駐屯地、高知県の高知駐屯地にそれぞれ航空自衛隊のPAC-3の部隊を配置しました。これは万一ミサイルが国内に落下し、イージス艦のSM-3での迎撃に失敗した事態に備えたものです。

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PAC-3発射機(訓練用)です。左側がPAC-3で右側が航空機用のPAC-2の発射機となっていますが、実際の発射機はそれぞれ専用の発射機となっており、写真のように混載されることはありません。

ところが、これに対して毎日新聞が「もし迎撃ミサイルを撃てば破片が落ちてくるのではないか」との住民の声があったと報道していますが、報道姿勢に問題があると考えます。政府は既にミサイル発射時の対応方法を公表していますが、地下や頑丈な建物に避難することを勧めています。これは着弾した際に爆風や破片から身を守るためです。

イラン・イラク戦争では双方が530発の弾道ミサイルを撃ち合い、数千人規の死者が出ています。仮に死者数を3500人とすれば1発のミサイルで6.6人の死者が出たことになります。通常弾頭の場合、案外被害が少ないように思うかも知れませんが、ミサイルが米軍の兵舎を直撃したケースでは1発で28人の死者が出ていますので、着弾することを無視することはできません。

PAC-3は最大地上15Kmの高さでミサイルを迎撃します。PAC-3の弾頭は体当たり方式となっていますので、高速で落下してくる弾道ミサイルを粉々に撃破します。もちろん大きな破片が発生する可能性もない訳ではありませんが、逆に大きな破片の場合は落下の途中で空中分解する可能性がありますので、航空機事故の残骸をみても判るように、そのまま地上に落下することは少ないのではないかと思われます。

ミサイルの直撃と、破壊された破片とではどちらが被害が大きくなるかは、考えるまでもありません。正しい知識を持って、冷静に対処することが必要です。

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2017年8月11日 (金)

北朝鮮がグアムに火星12号発射を予告

北朝鮮が米国に対し、グアムから40Km離れた周辺の海域に火星12型ミサイル4発を撃ち込む用意があると通告しました。グアムにはB-52やB-2爆撃機が配備された米国空軍のアンダーセン空軍基地があり、極東における戦略上の要衝です。これに対しトランプ大統領は:「北朝鮮はこれ以上、アメリカに脅威を与えないことがベストだ。彼らは世界が見たことのない炎と怒りに直面するだろう」と強い言葉で牽制しています。

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北朝鮮が主張するミサイルの飛行コースです。今回は半島の東海岸から発射する予定のようです。恐らく自衛隊としては黄色い船マークの位置にイージス艦を出して警戒するのではないかと考えます。

今回は我が国の上空を通過しますので、もしミサイルが正常に飛行しなければ日本列島に落下する可能性も0ではありません。まして4発同時発射ともなれば、全て正常に機能する保証など何もないからです。ミサイルにかけては先進国のロシアでさえ、新型のICBMの開発において、実戦配備前には何回も試射を行っていますが、何回かの失敗を克服した上で、実戦配備しています。北朝鮮はほとんど試射をしないまま、何の許可を得ないにもかかわらず、我が国上空を飛行させるのは到底許されるものではありません。

仮に何かトラブルがあった場合に備えて、イージス艦を配置しますが万一迎撃に失敗した場合に備えて地上配備のPAC-3をコース下の地域に展開する予定です。現在我が国が独自にできることはこれくらいです。しかし、将来に向けてやるべきことはやっておかないと、再びこのような事態に対した時にあわてなければなりません。

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上の表は迎撃ミサイルの主な仕様を表にしたものです。我が国が最初に導入したPAC-3は、元々野戦の拠点防衛用に開発された経緯がありますが、射程がわずか20Kmと大変狭い範囲しかカバーできません。しかし、湾岸戦争でスカッドの攻撃を受けたイスラエルが開発したアロー2ミサイルは半径90KmとPAC-3のおよそ6倍の射程を持っています。

中SAMは我が国がホークミサイルの後継として開発した対空ミサイルで、航空機や巡航ミサイルを迎撃するためのものです。しかし、射程は推定ですが60KmとPAC-3のおよそ3倍となっていますので、これをベースに弾道ミサイルの終末迎撃用のミサイルを開発すべきではないかと考えます。

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DACS(ミサイル迎撃体用スラスター試験機) (出典:防衛省)

現在我が国はSM-3を日米共同で開発していますが、かつては独自の研究もしておりました。イスラエルが米国からのSM-3の導入を拒否し、独自にアローミサイルを開発したのはPAC-2での迎撃が全く成功しなかったからです。当時のスカッドミサイルは技術が不完全で、飛行中に機体が分解して落下したりして、米国が指示するPAC-2の操作方法では全く手に負えなかったからです。この教訓を元にイスラエルはサイドスラスター方式ではなく、ミサイルの挙動を大きく操作できるTVC方式のアローミサイルを開発しました。

既に地上配備型のイージス・アショアの導入をほぼ決めていますが、我が国も自国の運用条件に見合った終末段階迎撃用ミサイルの自主開発を進めておくべきではないでしょうか。

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2017年8月10日 (木)

新型護衛艦は三菱重工が契約企業に選定

最近安全保障関連の記事が続いて恐縮ですが、弾道ミサイル問題など、大きな事案が続いており、例年になく暑い夏となっていますので、今しばらくお付き合いをお願いします。

さて本題ですが、海上自衛隊は冷戦終結以降、艦船の保有数の見直し、削減をして来ました。それは、一番の脅威としていたソ連が崩壊し、新たにロシアとなって以降、ロシア軍は予算不足に悩まされて、急速に海軍力が低下していたからです。

一方、それまで沿岸域海軍だった中国海軍は好調な経済力をバックに装備の近代化と大幅な保有数の増大を同時に押し進め、新たな脅威となって来ました。ところが、我が国は弾道ミサイル防衛などの新たな分野に予算を振り向けねばならず、護衛艦の増加が思うに任せない状況となっていました。

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たくさんのレーダーを備えたあさぎり型護衛艦の「やまぎり」基準排水量3500トンです。

このため、最近の護衛艦がが基準排水量が5000トンを超え建造費も高性能化によって700億円を超えていたものを排水量を3000トンクラスに、価格も400~500億円に抑えた新型艦を年間2隻ずつ建造する計画が持ち上がっていました。新型艦は老朽化した旧型艦を置き換え、多機能な最新の装備を備えつつ、数も揃えて中国海軍に対峙できる陣容を整えるのが目的です。

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これまで将来型護衛艦、30DEXなどと呼ばれていた新型護衛艦です。 (出典:防衛省)

新型護衛艦は以前にも記事に取り上げましたが、この時は対艦ミサイルやVLS(垂直発射装置)は装備されないとの観測がありました。しかし、中国海軍が新型の052型駆逐艦の大量建造を続け、新たに055型大型駆逐艦を建造したことから、これらに十分対抗できる艦船の建造に踏み切ったものと考えられます。

ただし、単に高性能化すれば価格が高騰し、数が揃えられなくなってしまうので、価格を抑えながら高性能化を果たすと言う二律背反的な要求を満たす、意欲的な設計であると評価します。コスト削減のため、8隻分をまとめて契約する方式ですが、最低で3次、設計変更を伴う可能性がありますが、4次計画くらいにまでなるのではないかと推測します。

北朝鮮情勢で、新旧合わせたイージス艦8隻が弾道ミサイル防衛に重心を移さざるを得なくなっていますので、新型護衛艦が今後の海上防衛の中核を担う艦艇になるのではないかと思われます。

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2017年8月 4日 (金)

防衛省が防衛大綱の見直しに着手

我が国の防衛については原則として10年ごとに制定される防衛大綱に基づき、5年ごとに中期防衛力整備計画を作成して防衛力の整備をしています。現在は平成25年に制定された25大綱に基づいて作成された平成30年までの中期防衛力整備計画の4年目に当たります。

今回の北朝鮮のICBMの発射試験に伴い、安倍首相は小野寺新防衛大臣に予定を前倒しにして大綱の見直しを指示したと伝えられています。小野寺防衛大臣はかねてより敵基地攻撃として「敵のミサイル発射台などを叩く能力を保有すべき」と主張していましたので、恐らく、巡航ミサイルの保有について言及することになるのではないかと思われます。

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現在開発中の超音速対艦ミサイルXASM-3です。XASM-3は射程が300Kmを超えるのではないかと言われていますが、これを元にして開発すれば、我が国の防衛目的に合った巡航ミサイルを作り上げることができるのではないかと思われます。

巡航ミサイルについては飛行速度が遅いことや、座標を位置目標として飛行する形態なので移動発射機を使った弾道ミサイルに対して有効ではないとする意見があります。しかし、通常弾頭の場合、弾道ミサイルが1発15億円以上するのに搭載する弾頭は0.5~1トンなので、仮に15億円で1トンの弾頭を打ち込むとすれば費用対効果は15億円/トンとなります。

これに対し、巡航ミサイルの代表的な機種であるトマホークは弾頭重量0.45トンですが1発およそ1億円と言われていますので、1トン当たりの費用は2.2億円/トンとなり1/7の費用で済むことになります。移動発射機を使って弾道ミサイルを発射しようとした場合、発射地点までは幹線道路を移動する必要がありますので、主要な橋やトンネルを破壊することで、間接的に発射を阻止することにつながります。

巡航ミサイルについては7月8日の記事にも取り上げましたが、本格的に検討する時期に来ているのではないかと考えます。

http://himajin.cocolog-enshu.com/club/2017/07/post-79b8.html

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2017年8月 2日 (水)

対艦ミサイルXASM-3実射試験の謎その3

前回、2回にわたって実射試験についての疑問点を記事に取り上げました。その後お二人からコメントをいただきましたので、その点を踏まえて再度考えをまとめてみました。

まず、標的艦「元しらね」のターゲットマーキングです。XASM-3はレーダーホーミングミサイルですが、アクティブモードとパッシブモードを備えています。アクティブレーダーホーミングのミサイルではASM-1やSSM-1が実績としてありますが、XASM-3の場合は個艦識別が可能と言われています。つまり、一般的なアクティブレーダーホーミングミサイルの場合は、レーダー反射波の一番強い所目掛けて突っ込む訳ですが、これでは周辺に輸送艦などの大型艦がいた場合、目的とするフリゲート艦ではなく大型目標をターゲットにしてしまいます。

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標的艦「元しらね」のイメージはこんな具合です。マーキングを見ると、船の全長の半分より前の位置が中心となっています。つまり、レーダーで捉えた画像で艦形を識別し、戦闘艦と判断される目標の重心の位置を狙う設計になっているのではないかと思われます。ちょうどマーキングの左右上部にはレーダーリフレクターが取り付けられており、従来のミサイルであれば、リフレクターからの反射波に反応して舷側ではなく、上部構造物に命中するのではないかと考えられます。

舞鶴に再度帰港した「元しらね」はマーキングの中心をビニールシートで覆っていました。私は、これは何か不都合があったので、それを隠す目的で覆ったものと考えました。しかし、標的艦の役務仕様書に以下の一文が載っていました。

標的艦損傷時

b) 艦型標的に誘導弾の着弾跡がある場合は、速やかに統制官に報告するものとし、官側による安全確認後、ビニールシート等で遮蔽する。

つまり、シートの下はXASM-3が当たった跡であり、シートの位置からそれはマーキングのほぼ中央であると言うことです。標的艦の準備には費用と時間がかかっていますので、いきなり命中させて沈ませてしまっては、もったいないと言うことのようです。

そこで、命中した場合のダメージをどうやって緩和したのか、改めて考えてみました。運動エネルギーは K=1/2mv2 です。
つまり速度を1/3にすればダメージは1/9となります。XASM-3は固体ロケット・ラムジェット統合推進システム(インテグラル・ロケット・ラムジェット、IRR)と言う複合推進機構を使っており、後半はラムジェット推進となります。ジェット推進は液体燃料なので、燃料を絞るかカットしてやれば速度は低下します。なので、標的艦に接近した段階で、速度を絞り、船体に大きなダメージを与えないよう操作したのではないかと思われます。

これなら命中位置を明確に残しながら、船体を再使用する試験が行えます。前回の試験はこのようにして行われたのではないかと推測しました。

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2017年7月30日 (日)

弾道ミサイル対策考

昨日の続きです。北朝鮮が弾道ミサイルを発射する度に、政府は関係閣僚を集めて対策会議を開いていますが、その結果として前向きの結論が出たことはありません。米国と協調するとか、情報収集に全力を挙げるとか聞きなれた語句を羅列するのみです。しかし、我が国にもできることがあるはずで、その一つが昨日の提言です。しかし、それ以外にもやれることはあります。

我が国は現在弾道ミサイル防衛としてSM-3とPAC-3を配備していますが、国内で実射試験をしていません。SM-3については米国の協力を得て、ハワイ沖などで行っていますが、機会が限られています。一つには我が国が弾道ミサイルを保有していないので、標的がないからです。もし標的があれば、米国に遠慮をせずに好きな時に訓練を行うことが可能です。

我が国は高いロケット技術を持っていますが、宇宙開発においては軍事利用をしないと言うことに力点を置きすぎて、宇宙空間に達する軍事用のロケットの開発は行われて来ませんでした。しかし、基礎的な技術は十分保有していますので、標的の類はそんなに苦労しなくても作ることは可能ではないかと思われます。

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以前にも取り上げましたが、中国のSLBMのJL1とミューロケットの2段目であるM-22ロケットはほぼ同じ大きさ・重量です。M-22に誘導装置と2段目を積めば射程1500Kmを超えるミサイル標的が出来上がります。

このミサイル標的があればイージス艦やPAC-3の訓練を存分に行えますので、有事にも慌てず対処が可能となります。先日、米国がSM-3ブロックⅡの迎撃試験を行いましたが、イージス艦の操作員が操作を誤り、発射したSM-3を途中で誤爆させてしまいました。これも訓練機会が少ないために起きたアクシデントだと思います。

我が国の場合、イージス艦のSM-3の実射は各4隻で1発ずつしか行われていません。SM-3は1発約20億円とも言われていますので、そうそう発射する訳にはいきませんが、標的を使って発射までの手順の訓練を積むことは有事に向けて有益なことだと考えます。

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2017年7月29日 (土)

北が再びICBMを発射

北朝鮮が昨夜遅く、北海道沖に向けてICBM1発を発射しました。当初朝鮮戦争の停戦記念日である27日に発射するのではと見られていました。ところが現地の天候が悪く、一旦は29日にずれ込むものと見られていたのですが、意表を突いての発射となりました。

今回もロフテッド軌道での発射となり、最大高度約3700Km、水平距離約1000Kmを飛んで、北海道の奥尻島西方の海上に着水しましたが、通常軌道であれば飛行距離は10000Kmに達するものと思われ、米国本土に到達する能力があると見られます。

ICBMについては我が国に直接的に脅威となるものではありませんが、今後実際の飛行を目指した場合には我が国の上空を横切る可能性があります。また、ICBMで米国を牽制し、既に我が国を射程に収めているノドンを我が国に向けて発射する可能性が考えられます。

これに阻止する為には北を攻撃する兵器が必要になりますが、我が国はこれまで専守防衛を国是として来たために敵地攻撃能力を持ち合わせていません。前回記事にした巡航ミサイルの保有を急ぐべきと思いますが、それだけでは不十分です。

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ヘリコプター搭載型護衛艦の「いずも」にステルス戦闘機のF-35Bを搭載したところです。「いずも」は哨戒ヘリコプターが5機同時に離着艦できるように全長が248mと海上自衛隊で最大の護衛艦ですが、S/VTOL機のF-35Bの搭載が可能であると言われています。S/VTOL機と言うのは、垂直離着力をしたり、大変短い距離で離着陸できる能力を持った航空機のことです。今現在はF-35Bを導入する計画はありませんが、北朝鮮の挑発を考えた場合、抑止力としてF-35B及び搭載艦の配備が不可欠であると考えます。

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着陸態勢のF-35B。(出典:在日米国海兵隊HP)

F-35Bは対レーダーミサイルのAGM-88ハームを搭載できるので、相手のレーダー網を壊滅させることが可能です。いかにステルス機とは言え相手領土に接近した場合にはレーダーで捕捉される恐れがありますが、あらかじめ相手のレーダーを使用不能にしておけば、ステルスを利用して相手の懐深くを攻撃することが可能となります。逆に言えば、相手の攻撃を探知できないことになりますので、下手に相手を刺激する(ノドンで攻撃すること)ことは得策ではありません。従って相手の眼をつぶすことによって我が国の安全を確保することが可能になるのではないかと考える次第です。

弾道ミサイル防衛では、政府はSM-3の陸上配備型であるイージスアショアの導入を急ぐ方針であると伝えられていましたが、稲田前防衛大臣を巡るゴタゴタでそれどころでは無くなってしまった感がありますが、取敢えずは迎撃態勢を固めるのが先決なので、遅滞なく導入の手続きを進めてもらいたいものです。

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2017年7月28日 (金)

我が国の潜水艦状況

昨日は朝鮮戦争の停戦から65周年と言うことで、北朝鮮がICBMの発射試験を行うのではないかと警戒されましたが、現地の天候が悪く、昨日の発射はありませんでした。それに先立って、北朝鮮の潜水艦が連続10日間と、これまでにない活動を繰り広げていることが問題視されていました。

これに対して我が国も当該海域に潜水艦を派遣しているのではないかと見られますが、我が国の潜水艦保有数は現在17隻なので、半数が母港に帰港中とすれば任務に就いている潜水艦は8~9隻ではないかと思われます。

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潜水艦の行動は対外的に公表されることはありません。従って上図は勝手に想像したものなので、実際と大きくかけ離れているかも知れないことをお断りしておきます。

まず、赤い丸の海域ですが、重要国際海峡です。①、②、④は、かつて有事の際にソ連の潜水艦を太平洋に出さないためのチョークポイントで、三海峡封鎖と呼ばれていました。現在は中国の潜水艦の活動が活発化していますので、③の宮古海峡にも潜水艦を配置しているのではないかと思われます。

青い長円は海域警備です。数字は重要度に応じて①から⑤としましたが、その時投入できる隻数に応じて①から順にパトロールをしているのではないかと考えます。北朝鮮東岸は②の担当艦が対応しているものと考えられます。また、17隻の他に練習艦として2隻を保有していますので、⑤の海域は練習艦が担当していることも考えられます。

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海上自衛隊の最新型潜水艦のそうりゅう型です。(出典:防衛省)

従来、潜水艦の保有数は長らく16隻として来ましたが、周辺の脅威の高まりに対応するため、6年をかけて22隻まで保有数を増やすことになっています。このまま行けば、5年後には22隻体制となりますので、上図の体制で無理なくローテーションが組めるのではないかと思われます。

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