2018年12月17日 (月)

「空母」化護衛艦とF-35B

護衛艦「いずも」の空母化やF-35Bの導入を巡るニュースも沈静化してきましたが、これがあるとないのとでは、どれ位違うのかを地図で表してみました。戦闘機の活動できる距離を表す指標に戦闘行動半径と言うものがあり、およそ航続距離の半分の数字となっています。F-35の場合、A型が1093Km、B型が833Kmとなっています。B型がA型よりも短いのは、B型は垂直離着陸用にリフトファンを備えているので、その分燃料タンクが小さいからです。

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F-35Bが陸上の基地から離陸した場合の行動半径を円で表しました。赤い円が戦闘行動半径の833Kmで、青の円が1200Kmです。

1200Kmは陸上基地から発進し、「空母」に着艦することを前提にした行動半径です。もし、巡航ミサイルを搭載した爆撃機が太平洋側から攻撃しようとした場合、この範囲まで迎撃が可能になりますので、相手の行動を封じ込める効果が期待できます。そして、事前に「空母」に搭載していれば、青い円はどこまでも移動が可能になりますので、相手の活動を更に制約できることになります。

また、他国に脅威を与えるとの主張は、元々陸上基地から発進しても周辺国に到達可能なので、意味はありません。

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2018年12月14日 (金)

F-35を105機追加導入

このところ、中期防衛大綱の制定を巡り、ヘリコプター搭載護衛艦「いずも」の「空母」のニュースが増えていましたが、合わせて搭載するF-35Bについてもニュースが増えています。当初は導入の方向といった内容でしたが、導入数についても20機、40機と具体的な数字が見られるようになってきました。

そして、昨日辺りから、旧式化したF-15戦闘機の未改修機99機すべてをF-35で置き換え、105機を導入すると言った話が出て来ました。内訳はF-35Aが65機、F-35Bが40機とし、次期大綱ではF-35Bは20機を導入となっています。F-35Bは「空母」化の議論の過程で公明党が難色を示したことから、常時搭載はしないことになりましたが、短距離での離発着が可能なので、陸上に配備されていても、有事には破壊された滑走路からも離陸することができますので、防衛力にの強化につながります。また陸上から発進しても、「いずも」に着艦できれば、帰りの燃料の心配がなくなるので、それだけ長く現場に留まることが可能です。

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F-35B戦闘機 (出典:在日米国海兵隊HP)

我が国を取り巻く安全保障の環境は、厳しくなる一方ですが、危機に対処できる態勢を維持・構築することが相手への抑止力となりますので、追加導入についての意義は大変大きいと考えます。

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2018年12月 4日 (火)

イージス艦あたごに新能力

このところ、イージスアショアの話題が下火となっていますが、北朝鮮の核戦力は相変わらず保持されたままですし、我が国を射程に捉える多数の弾道ミサイルも保有されたままです。イージスアショアは、こうした危機を完全ではないにしろ打開する一つの手段ではないかと評価するものですが、実はひそかに疑問に思っていたことがあります。

それは、仮に北朝鮮が我が国に向かって弾道ミサイルを複数発射した場合、どうやって目標のミサイルの迎撃を分担するのだろうか、と言うことです。北朝鮮はノドンやテポドンを発射する移動発射機をそれぞれ50基保有していると言われています。仮にこれらの発射機から次々とミサイルが発射された場合、イージス艦やイージスアショアは多方面から飛来するミサイルに対応することになります。

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イージス艦あたご  (出典:防衛省)

野球では外野にフライが上がった場合、捕球しようとする選手が、他の選手に自分が捕球することを声をかけて伝えて衝突を防止します。イージス艦もどの艦がどの目標を担当するのか、明確にしないと一つの目標に複数のミサイルが集中してしまったり、逆に発射されない事態も起こり得ます。発射から着弾までは7分程度と言われていますので、悠長に連絡を取り合う暇はありません。恐らく何らかの方法で集中コントロールしているのではないかと想像していました。

この疑問について国会審議で新たな事実が明らかになりました。岩屋防衛相が答弁で明らかにしたところによれば、海自が保有するイージス艦あたごに、DWES(Distributed Weighted Engagement Schem)と呼ばれる機能が搭載されて、イージス艦相互で、どの目標をどの艦が担当するかを自動的に調整することが可能になっていると言うことです。

我が国は将来的にイージス艦を8隻保有することになっています。8隻全てが一度に出動することはないと思いますが、これにイージスアショア2基が加われば、交通整理は不可欠です。弾道ミサイルに対する警戒を怠ることができない以上、こうした機能は大歓迎です。

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2018年11月28日 (水)

護衛艦いずもでF-35Bを運用へ

今週に入り、護衛艦いずもの「空母」への改修とF-35Bの導入についての記事が急に増えました。今年の初めくらいからこの手の話は取り上げられていましたが、年末に今後5年間の防衛整備の方針を定める防衛大綱が制定されますので、政府が意図的にリークしているのではないかと思われます。ヘリ搭載を前提とした、いずもでの固定翼機の運用については、既に建造メーカーから回収すれば技術的に可能であるとの結論が出ていますので、後は実行するかどうかの意思の問題となっていました。

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垂直離着陸機F-35B (出典:在日米国海兵隊HP)

米軍と違い、自国領土の防衛に徹する自衛隊にとって、これまで空母は不要とされていました。これは、空母が攻撃的な兵器であり、自衛隊は保有できないとの声があることや、那覇ー与那国島間でも500Kmほどの距離なので、陸上からの航空機で十分だとの声が強かったからです。勿論、これは建前的な発言で、本音は別だったのかも知れませんが、最近になって控えめながら「空母」を保有することを検討するようになっていました。

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ヘリコプター搭載護衛艦いずも  (出典:防衛省)

理由は中国の空母保有の動きです。中国は旧ソ連が建造した空母を、スクラップの名目で購入し、自国で改造して空母「遼寧」として配備しました。「遼寧」はいわゆるスキージャンプ方式の甲板を持ち、艦載機としてJ-15戦闘機を搭載しています。「遼寧」は乗員の訓練やパイロットの訓練が必要なことや、現在のところ1隻しか配備されていないので本格的な運用は、なされていませんが、それでも今年4月には台湾を半周した後、宮古海峡を西進して軍事的プレゼンスを見せ付けました。

更には現在国産空母2隻を建造中で、遠からず実戦運用が可能な3隻体制となり、その存在感は今までの比ではなくなる事態となります。中国空母が我が国領海周辺に接近して長時間留まった場合、航空自衛隊が対応するのに大変苦労することになります。先ほどの与那国島への駆け付ける場合でも、所用に30分ほど必要です。空母からJ-15が発進していればスクランブルをかけることになりますが、相手は好きな時間に何度も発進できますが、こちらはそのたびに往復1時間をかけて駆け付けなければなりません。

こちらに「空母」があれば、現場海域に派遣して様子を見ることが可能になりますし、相手に対して抑制を促すことになります。「空母」で運用する垂直離着能力を持つF-35Bについても40機程度を導入するとの話も出ていますので、中国空母に向けての対応に本気で取り組んでいる姿勢が窺えます。

本日の中日新聞もこの話題を取り上げていますが、「専守防衛変質の恐れ」と批判的です。しかし、「空母」1隻、F-35B数十機で他国を大規模侵略することなどはとてもではありませんが、相手の武力侵攻を防ぐ上では大いに有効だと思います。これからの動きについて引き続き注視したいと思います。

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2018年11月12日 (月)

海上自衛隊が無人攻撃機の導入を検討

防衛省は今年度の予算で、無人偵察機RB-4Bグローバルホークの導入経費を要求しています。グローバルホークは空自が運用主体となって高空からの監視活動に当たることが想定されていますが、読売新聞が今度は海自が無人攻撃機アベンジャーの導入を検討中だと伝えています。

グローバルホークはターボファンエンジンを搭載し、高度18000mの高空を飛行可能で、搭載したレーダーやセンサーで安全な領域から長時間の監視活動が可能ですが、純然たる偵察機です。一方のアベンジャーはグローバルホークとほぼ同じ全長ですが翼の長さがグローバルホークの35mに対し、20.12mと小振りになっており、翼を畳む機構が採用されています。

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長い翼が特徴の無人偵察機グローバルホークです。  (出典:防衛省)

一番の違いは、アベンジャーには攻撃能力が備えられていることです。搭載兵器としては対艦攻撃が可能なヘルファイアミサイルや誘導爆弾ペイブウェイなどがあり、相手に対し一定の抑止力を持つことです。但し、ヘルファイアにしても射程は8Kmほどなので、通常の戦闘艦であれば射程距離に入る前に攻撃される可能性が高いものと考えられます。

アベンジャーにはターボプロップエンジンを搭載した民間バージョンのガーディアンがあり、今年の5月には長崎県の壱岐空港で2週間にわたってデモ飛行が行われていましたが、もしかしたら本命はアベンジャーの方だったのかも知れません。既にグローバルホークの導入を決めているのに何故別途アベンジャーを導入する必要があるのか、疑問に思われるかも知れませんが、洋上監視活動においては相手を航行を抑止することも求められます。通常は護衛艦がこの任務に当たりますが、たまたま現場海域から遠い位置にいた場合は、高速性に優れるアベンジャーが急行し、長時間現場に留まることで相手の航行を牽制することが可能です。

この件に対しては現段階では読売以外では報道されていませんので、続報を待ちたいと思います。

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2018年10月29日 (月)

SM-3ブロック2Aの迎撃実験に成功

26日、ハワイ沖でイージス艦「ジョン・フィン」から発射されたSM-3ブロック2Aが標的の迎撃に成功したと米国ミサイル防衛局と防衛省が発表しました。前回の実験では3段目のロケットモーターへの点火が上手く行かず、迎撃に失敗していましたが、この問題が解決されたと見られます。これでブロック2Aの迎撃実験は4回中2回の成功となりました。尚、もう1回の失敗は操作員によって誤って自爆させてしまったもので、この成功により開発は順調に進展していると思われます。

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上昇するSM-3ブロック2A  (出典:防衛省)

SM-3ブロック2Aは現行のブロック1A、Bよりも弾道ミサイルの識別能力の向上と射程、射高の大幅な向上を図ったもので、我が国のイージス・アショアやイージス護衛艦「まや」への搭載が予定されています。

米・露はINF(中距離核戦力)全廃条約によって、射程5500Km以下の弾道ミサイルを保有していませんが、条約に参加していない中国や北朝鮮は我が国を射程に収める多数の弾道ミサイルを保有しています。北朝鮮は米・朝の首脳会談によって発射試験は凍結していますが、配備そのものの廃棄は明言しておらず、その意思はないと見られます。また、中国はグアムに対する攻撃力を強化し続けており、当然それは我が国の防衛にも大きく関係します。

ミサイル防衛力の強化は当然ですが、今後はミサイルを撃たせない方策についても検討する時期に来ているように思われます

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2018年10月18日 (木)

防衛装備庁が長射程対艦ミサイルの輸入契約を公募

防衛省は、射程500Kmを超える巡航ミサイルの保有を目指していることを明らかにしていますが、防衛省装備庁がF-35戦闘機に搭載するJSM(Joint Strike Missle)対艦ミサイルの輸入業務を行う業者の契約について官報で公募を開始しました。

JSMはノルウェーのKONG BERG社が開発した地対艦ミサイルNSMの航空機発射バージョンで、小型化するなどしてF-35への機内搭載を可能としています。JSMは高度なステルス性を備えており、ステルス機であるF-35と組み合わせることで、相手に探知されることなく艦船を攻撃できるほか、GPS誘導によって対地攻撃も可能とされています。

射程は探知されない低高度で180Km、空気抵抗の少ない高高度で580Km以上、両者の組み合わせで400~500Kmを可能としているのではないかと思われます。射程の長いミサイルを持つことは、専守防衛の枠から外れるのではないかとの意見もありますが、一切の反撃を封じているよりも、一定の反撃力を持つことで、相手の攻撃を思いとどまらせることが期待できますので、離島防衛などでむしろ好ましいのではないかと考えます。

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対艦ミサイルの飛翔パターンです。Hi-Hi-Low、Low-Low-Low、Low-Hi-Lowのパターンがあります。 (出典:防衛省)

いずれにしても、これから輸入業者を選定する話ですし、F-35がJSMを運用できるようになるのはブロック4からです。現在空自が配備を進めているのはブロック3なので、運用にはアップデートが必要となります。

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2018年10月 6日 (土)

各務原で自衛隊機を撮影

せっかく犬山まで行ったので、なんとか岐阜基地まで行けないものかと調べたら、意外と近く20分ほどで行かれることが判りました。生憎の曇り空でしたが、贅沢は言っていられないので、以前に立ち寄った滑走路東側の公園に陣取ることにしました。

ところが、行ってびっくり。2年前は小高い丘から周囲が見渡せたのに、木々が育って視界がなくなってしまっていました。仕方がないので道路端に場所を確保して、じっと飛来を待ちました。しばらくするとC-2輸送機が西の空に上がって行きましたが、曇天で距離があるのでぼんやりとしか写りません。

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800ミリ相当のレンズで追ってもこんな具合です。

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C-2が降りてくるまで2時間ほど時間があるので、岐阜基地の滑走路端まで行ってみました。すると金網越しに離陸準備中のF-2戦闘機1号機を発見。

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こちらはF-15J戦闘機です。

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上空を旋回して着陸態勢に入るC-2輸送機。これで晴れていればと、つい愚痴が出てしまいます。

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ゆっくりと進入して来るので、ズームを動かす時間はあるのですが、夢中になってシャッターを切っているとフレームを飛び出してしまいます。

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望遠ズームなので、間近に迫ると全体を写し込むことができません。

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主翼下に六つのパイロンがあるのが判ります。ミサイルや爆弾を吊るして飛行特性を確認したり、実射して試験するようですが、今日は何も吊るしていませんでした。

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こちらはF-15J戦闘機。この機体にはパイロンが付いていませんでした。

浜松では普段T-4練習機やE-767早期警戒管制機しか見る機会がありません。、他の機体が見るにはこうして遠くまで足を運ばなければなりません。今年は11月にエアフェスタ浜松があり、他基地から航空機が飛来しますので、今から楽しみです。

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2018年9月19日 (水)

空自の警戒航空隊が警戒航空団に改編

昨日、時事通信が、早期警戒機などを運用する航空自衛隊の警戒飛行隊を航空団に昇格すると伝えました。この方針は既に8月31日に発表済の平成31年度の概算要求書にも記載されていますので、各段新しいニュースでもないのですが、何故今になってこのような報道がなされたのか判りません。

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離陸に向けて誘導路を移動中のAWACSのE-767です。

現在空自には三沢基地に早期警戒機のE-3Cを配備する第601飛行隊、浜松基地に早期警戒管制機のE-767を配備する第602飛行隊、那覇基地にE-3Cを配備する第603飛行隊がありますが、これを航空団に改編して要員を30名増強、860人体制にするということです。

では、何故改編するに至ったのか。背景の一つとして、今年度に受領が予定されているE-2Dの存在があるのではないかと推測されます。E-2Cは、ソ連のベレンコ中尉が亡命目的でMig-25で低空飛行で領空に侵入し函館空港に強行着陸した事態を受け、侵入機の監視のために13機が導入され三沢基地に配備されていました。その後、中国空軍の活発化を受けて、一部を那覇に移動、601飛行隊と603飛行隊に分割されました。

E-2Cは初号機の導入が1983年ですから運用開始から既に35年が経過しています。この間最新の機材に変更するなどアップグレードをしていますが、老朽化が目立ち始めています。このため、レーダー機材を一新した最新型のE-2Dの導入が計画され、平成27年度予算で1機、28年度2機、29年度1機が予算化され、31年度概算要求でも2機が要求されています。この新たに配備されるE-2DについてはE-2Cの更新ではなく、増強分とされています。

つまり、現在配備中のE-2Cの13機に加え、E-2Dを8機(米国防総省は9機分の売却を承認)を増強することになりますので、航空隊から航空団に昇格させるのではないかと考えます。E-2Dについては従来よりも低い周波数のレーダーを採用しており、ステルス機の探知能力が優れていると言われており、周辺国の動向に対応する狙いがあるものと思われます。

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主翼を折り畳んだE-2Cと後方がE-767です。

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2018年9月18日 (火)

海自潜水艦が南シナ海で訓練実施

昨日、マスコミが先行報道しましたが、防衛省がフィリピン西方の南シナ海で、今月13日に海自の潜水艦「くろしお」を使った対潜訓練を行ったと発表しました。現在当該海域には護衛艦「いずも」などのインド太平洋方面派遣訓練部隊が訪れており、これらの艦船や哨戒ヘリが「くろしお」を目標として訓練を行ったものと見られます。

「くろしお」はその後17日にベトナムのカムラン湾に入港していることから、この訓練にベトナム海軍の潜水艦も参加していた可能性が指摘されています。中国と軍事的に対立しているベトナムは、最近になってロシア製のキロ級潜水艦6隻を保有していますが、その運用能力の獲得はこれからと見られています。この分野で長い経験を持つ海自が、ベトナム軍に潜水艦戦についての初歩的なノウハウを伝授することは中国の南シナ海進出に対抗する上からも意義のあることと考えられます。

インド太平洋方面派遣訓練部隊は、これから各国を訪問して合同訓練を行うものと見られますが、これまでベトナム海軍との合同訓練については公式な発表はされていません。但し、ベトナムの潜水艦が航行している脇を海自の艦艇が並走し、お互いの位置を確認するなどの訓練は、お互いが知らないこととして実施することが可能なので、今回はこうした体裁を取っているのかも知れません。

また、派遣部隊には当然中国側のマークが付いていたものと思われますので、派遣された潜水艦を最新の「そうりゅう型」ではなく、一つ前のモデルである「おやしお型」の「くろしお」として「そうりゅう型」の非探知性能などの能力を秘匿したのではないかと思われます。

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浮上航行中の「そうりゅう型」潜水艦  (出典:防衛省)

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