2019年6月25日 (火)

F-2戦闘機の後継機開発は来年度も見送りの模様

F-2戦闘機の後継問題については、開発に10年以上かかると見られることからタイムリミットが近づいています。しかし、開発には巨額の費用がかかることから、国産か国際共同開発かで意見が割れていますが、最近では共同開発案に傾いている印象です。しかし、昨日の報道によれば、後継機の仕様がまとめ切れていないため、来年度予算での開発費の要求を見送る方向と伝えられました。最初に述べたように、開発には相当の年数がかかると思われますので、これは大変まずい状況です。

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飛行開発実験団所属のF-2戦闘機です。

戦闘機は最低でも30年は一線で使用されます。開発に10年かかるとすれば、40年にわたって陳腐化しない技術が求められますので、40年先に軍事情勢を見越して、どのような仕様にするのか決定するのは至難の業です。最近は多数のAAM(対空ミサイル)を搭載する方向に関心が高まっていますが、以前は中距離AAM4発と短距離AAM2発と言うのが標準的な搭載数でした。従来の戦闘機は主翼の下にミサイルを吊るす形で搭載しますので、物理的にはかなりの数を積むことが可能です。しかし、近年はステルス化するためにミサイルを機体内に格納する方法が主流になりつつありますが、こちらは寸法上の制約が出てきます。以前の基礎研究では中距離AAM4発搭載よりも6発搭載の方がかなり有利になるとの結果が出ていますので、これが全く無視されることはないでしょう。

また搭載機器についても、今後の技術の進展をどこまで見込むかと言ったことも考えればきりがありません。但し、アップデートをしたり、機器そのものを交換する方法もありますので、あまり細部にこだわる必要はないものと思われます。現在F-35を導入中ですから、この運用結果も反映したいのでしょうが、あまりそれにこだわるよりも、むしろF-35とどう連携するかを考えれば、おのずと方向性は出て来るのではないかと思います。まず、スタートを切ることが重要なので、X-2よりも現実的な実証機を作り、細部を詰めていけば良いのではないかと考えます。

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先進技術実証機X-2です。 (出典:防衛省)

 

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2019年6月11日 (火)

イージスアショア導入問題が紛糾

イージスアショア導入問題が紛糾しています。防衛省が秋田県に示した資料の内、周辺地域の山によって電波が遮られる角度の算出について、グーグルアースを使用したところ、グーグル側が地図の標高を故意に拡大していたことから、誤った数値を算出したとして住民側から抗議を受けました。この問題に関し、防衛政策に関わる問題なのにグーグルアースを使用したのは安直で信頼性を損なうとの指摘がありますが、これはどうでしょうか。

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イージスアショア(地上設置型イージスシステム) (出典:防衛省)

イージスアショアに限らず、レーダーに使用される電波は直進性が強いため、山陰には電波が届きません。従って山の陰になった部分の警戒はできなくなります。ミサイル防衛のように遠方の目標を探す場合は、相手の高度が低くなるため、水平線近くに障害物があれば探知に支障をきたします。今回は説明資料として山稜の標高を地図データーから読み取り、仰角を算出したもので、そのこと自体に問題があるとは思いません。むしろ、グーグル側が標高を読み取れる機能をうたいながら、作画上の問題で標高データーを大幅に誇張したこと、更にそれを明示していなかったことのほうが重大なのではないかと思います。

※6月11日追記

ちょっと勘違いしていた部分がありましたので訂正させて頂きます。

今回の記事はニュース記事を元に書いたものですが、その記事中には「断面図」との表記がなく、高さを実際よりも高く表示と言ったような内容となっていました。しかし、その後に得た情報によれば、標高の数値そのものが拡大された訳ではなく、高さ方向と水平方向の比率が高さ方向が大きく表示されるように変えられていたと言うことです。

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こんな具合です。標高そのものは変わりませんが、高さ方向の倍率を変更すると、高さの変化が判りやすくなります。グーグルアースには断面図を作成する機能があり、その場合の高さ方向と水平方向の比率が1:1ではなく、高さ方向がより高く表示されると言うことのようです。
防衛省の担当者がグーグルアースを使ったのは、説明するのに断面図を使った方が判りやすいのではと、言った配慮からだったのかも知れません。

但し、仰角を出すのであれば、断面図の図形の実測値を使ったのは誤差が大きく不適切で、やはり標高の実際の数値と水平距離から三角関数で求めるべきでした。結論として、グーグルアースを使うことそのものは問題ありませんが、使用方法は適切ではなかったと言うことです。

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2019年5月31日 (金)

ASM-3ミサイルを量産か?

ASM-3は防衛省が開発した空対艦の超音速ミサイルです。2018年度に開発が完了し、2019年度から量産に入る予定でしたが、今年度の予算化は見送られていました。これはASM-3の射程は200Kmほどですが、相手側の防禦体制が改善され、前方に配置されたレーダーによってはるか手前、300~400Kmの距離から迎撃が可能になりつつあるため、発射する航空機の安全が確保できなくなったとの説明です。このため、ASM-3の射程を400Kmに延ばした改良型の開発に着手することが明らかになっています。ところが最近になって、改良型の完成までのつなぎとして、当初仕様のASM-3を量産するとの話が出ています。実はこの話のソースを確認しようとしたのですが、防衛省発表、マスコミ記事とも確認できていません。しかし火のないところに何とやらなので、これはこれで方針転換と言うことではないかと考えます。

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空対艦ミサイルの運用構想図  (出展:防衛省)

とは言うものの、量産が見送られたはずのものが、ここに来て当初仕様のASM-3を量産化すると言うのはどうしてもドタバタ感が否めません。そもそも対艦ミサイル攻撃は、あいての艦艇のレーダーを避け、海面低く飛行して発射することが前提となっているはずなので、あいての対空ミサイルの性能が向上しようが、関係ないはずです。また、一旦量産化を見送ったのに、舌の根も乾かない内に量産化に舵を切り直すのもおかしな話です。公表されない、何か新しい事態が起きている可能性もありますが、そもそもの話が、射程延伸も開発段階で当初タイプト改善タイプに分けて開発していれば、費用や時間も節約できた可能性があります。どうも一旦決定した事項について、柔軟に見直すことが我が国は苦手なように感じます。

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2019年4月23日 (火)

韓国が自衛隊機の接近に対する警告を通知

昨年末に発生した、自衛隊機に対する射撃管制レーダー照射事件は未だに解決していませんが、この事態に関連して1月に韓国国防部が在韓日本大使館の駐在武官を呼び、韓国政府の基本的な考えを伝えていたとのことです。以下韓国聯合ニュースからの引用です。

~同部は22日、韓国政府が日本側に対し、自衛隊機が韓国艦艇から3カイリ(約5.5キロ)以内に接近した場合は火器管制レーダーの照射を警告すると通知したとする読売新聞の同日付の報道について、「韓日間の海上での偶発的衝突防止のため、韓国軍の軍事的措置と基調について日本側に説明した」とする立場を発表した。

国防部は当時、在韓日本大使館の武官を呼んで韓国政府の基調を説明したとされる。同部は「日本の哨戒機が(韓国艦艇に対し)超低空接近飛行を行うことは国際慣例違反であり、海上で偶発的な衝突を招く可能性のある非常に危険な行為だ」として、「今後類似の事件が発生した時には、韓国の行動対応指針に従い強力に対応する」と通告。その後、非公開の実務協議で日本側に再発防止策を講じるよう重ねて要求したと伝えられた。

韓国軍は哨戒機による威嚇飛行と日本が主張するレーダー照射問題を受け、軍の対応マニュアルを補完した。

 その内容は公開されていないが、他国の哨戒機が韓国艦艇から一定の距離内に入れば警告の通信を強化したり、艦艇に搭載した対潜水艦ヘリコプターを出動させたりすることなどが盛り込まれているとされる。

 警告の通信内容もより強力な表現に変更され、軍当局は日本の哨戒機が威嚇飛行した場合に周辺で作戦遂行中の韓国軍哨戒機がいれば緊急出動させる方策も検討していると伝えられた。~

う~ん、自衛隊機の行為は国際的な慣行に則ったもので、これまで韓国側も全く問題にしてこなかったものです。また、この記事には載っていませんが、読売新聞が伝えた記事では、3海里以内に接近した場合でも米軍機は除くとされているようで、ダブルスタンダードそのものであり、韓国側の主張には全く正当性はありません。

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レーダーを照射されたP-1哨戒機です。

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2019年3月21日 (木)

岩屋防衛相がF-2後継に言及

防衛省が開発した超音速対艦ミサイルASM-3は2017年度に開発が終了していますが、2018年度には量産が開始されず2019年度予算にも調達が予定されていません。これに対し、岩屋防衛大臣が、軍事情勢の変化によって相手側の対空ミサイルの能力が向上したので、より遠方から発射できるよう射程の延伸を目指して改良型を開発することを明言しました。


これはどのようなことかと言うと、従来艦隊防衛のための対空ミサイルは射程が120Km前後でした。従ってこれまで空自が保有している対艦ミサイルASM-2の射程はおよそ180Km、ASM-3もおよそ200Kmとしていました。これは地球が丸いため、艦船からレーダーを使って探知できる距離に制約があり、それ以上の射程を持っていても相手機が見えなければ、どうしようもないからです。


ところが、米軍がNIFC-CA(ニフカ、海軍統合対空火器管制)を実現し、艦船のはるか前方に位置する航空機のレーダー情報を使って相手艦や航空機を攻撃することが可能になりました。これをリモート交戦能力と言います。米軍の場合、これまでのSM-2対空ミサイルの能力を向上させたSM-6を開発していますが、SM-6の射程は370Km以上とされています。各国の艦船が搭載ミサイルはだいたい同じような寸法形状で、能力もほぼ同じなので、いずれ中・ロも射程300Km以上の能力を持った対空ミサイルを配備するものと見られています。


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リモート交戦の概念図です。相手艦船の前方上空に位置する航空機によって、こちらの攻撃機が探知され、対空ミサイルを発射されてしまいます。


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F-2戦闘機に搭載されたASM-3です。 (出典:防衛省)

ASM-3は相手の対空ミサイルの射程外から発射することを前提に開発されましたので、相手の対空ミサイルが長射程化すれば、更にその上を目指すのは当然です。尚、ASM-3の改良型については全長を延ばして燃料を増やすものと思われますので、かなりの開発期間が必要と思われます。これに関して、記者が「(その頃には)F-2は退役時期が始まる訳で、そうすると開発というのは、F-2の後継機を視野に入れて開発されるのか」と質問したのに対し、岩屋大臣は「当然、そうでなければならないだろうと思います」とF-2後継機、F-3について言及しました。


現在のところASM-3改のような大型の超音速ミサイルは米軍も保有していませんので、これは事実上のF-3国産開発宣言と受け止められる発言ではないかと思われます。</p


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2019年3月 8日 (金)

北朝鮮の脅威は健在

ハノイにおける第二回米朝首脳会談が決裂に終わり、北朝鮮の出方が注目されていましたが、予想通り核開発、ミサイル増強に向けた動きを強めているようです。6日のIAEAの天野事務局長による報告によれば、核爆弾の原料となる濃縮ウランを生産する遠心分離機が依然として稼働を継続していると言うことです。また、弾道ミサイル基地である東倉里の再整備や弾道ミサイルの生産を行った山陰洞のミサイル研究団地で運搬車両の活動が確認されるなど、活動の活発化が認められています。

これらの動きから、北朝鮮が核爆弾とその運搬手段である弾道ミサイルを手放す意思がないどころか更に増強する強い意思が窺えます。会談の決裂を受けて、次回会談まで表立った動きを控えると言うプランも考えられましたが、どうやら制裁の緩和についてのハードルを自ら高くしてしまいました。

韓国の文大統領は前回の首脳会談以降、北が軟化して直ぐにでも和平が到来するかのような言説を振りまいていましたが、幻想であったことが明白になった訳です。我が国のイージスアショア建設についても、北が核を放棄するのに無意味だとの意見がありましたが、「相手の意思ではなく、能力に備えよ」が正しかったことが証明された形です。

勿論、和平に向けた対話を継続することが大切ですが、相手の善意に頼ることの危険性を現在の状況は如実に語っています。

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イージスアショアです。 (出典:防衛省)

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2019年3月 7日 (木)

コマツが装甲車両事業から撤退

防衛省に装輪式(タイヤ走行)装甲車を納入していたコマツが装甲車両の製造から撤退することが明らかになりました。コマツについては次期装輪式装甲車の試作車が、防衛省での試験の結果、仕様を満たしていないとして昨年不合格になっており、売り上げに占める割合の低い装甲車両事業からの撤退は必至と見られていました。

コマツは建設用車両などの製造を行っており、その技術を生かして96式装輪装甲車や軽装甲機動車を製造しており、その後継車両の最有力メーカーと見られていました。但し、装甲車両については、単なる走行能力だけでなく、耐弾性能も求められますので、そのような試験や開発能力についてはノウハウの不足を指摘する声もありました。

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浜松基地内をパトロール中の軽装甲機動車です。軽装甲機動車は陸自だけでなく、空自でも使用されており、合わせて1900両以上が生産されています。

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イラクにも派遣された96式装輪装甲車です。 (出典:防衛省)

心配される次期装輪装甲車ですが、来期予算で三菱重工に試験車両が21億円で発注されることになっています。この試験車用は16式機動戦闘車のパーツを流用するなどして、三菱が自費開発したものですが、三菱は歴代の戦車や装軌式の装甲車の開発経験がありますので、大きな問題は出ないのではないかと思われます。

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8輪式の16式機動戦闘車です。 (出典:防衛省)

次期装輪装甲車はこの車体をベースに、乗員のスペースを確保したものになっていると予想されます。

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2019年3月 3日 (日)

防衛省が長距離空対空ミサイルの開発を計画

インドとパキスタン、双方が領有を主張するカシミール地方でのテロ攻撃を巡ってインド側が戦闘機による爆撃を行ったのに対し、パキスタンも戦闘機を出動させて空軍同士の衝突となり、インド軍の戦闘機1機が空対空ミサイルによって撃墜されました。このように現代では対空ミサイルの性能が軍事的優劣を左右しますが、それ以外にも相手の航空機の存在を探知する早期警戒機の保有の有無も重要視されています。

戦闘機には相手の航空機を探知できるレーダーが装備されていますが、機体サイズの制限によって、探知できる距離に制約があります。一方、早期警戒機では一般的に機外に円盤型の大型アンテナを備えているため、はるか遠方から相手を捉えることが可能です。

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空自のE-767早期警戒管制機です。

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こちらはE-2C早期警戒機です。空自はE-2Cに加えて、能力向上型であるE-2Dを導入することにしていますが、E-2Dはステルス機の探知も可能とされています。

早期警戒機は各国で保有が進められていますが、侵入機を迎撃する空自にとっても脅威となる存在です。これに対抗するため、相手のレーダーを無効化する電子戦機の導入が計画されていますが、新たに早期警戒機そのものを撃墜できるLRMと称する長距離空対空ミサイルの開発を計画しているようです。LRMはLONG RANGE MISAILEの頭文字を取ったものです。

戦闘機が搭載している一般的な空対空ミサイルは射程が100Km程度ですが、早期警戒機はその何倍かの距離で相手の戦闘機を探知できるため、ミサイルで攻撃しようとしても、ミサイルの射程までに近寄る間に逃げられてしまいます。そこではるか遠方から相手を攻撃できる長距離空対空ミサイルを保有すれば、相手の早期警戒機は我が国に近寄ることができなくなりますので、相手の戦闘機の攻撃力を制限することにつながります。

現在判っている情報では、1発あたりの価格が5億円、重量が1トン程度を目指すとされています。価格が5億円と言えばイージス艦に搭載するSM-6ミサイルの価格に相当します。SM-6はSM-2の能力向上型ですが、射程が大幅に向上して460Kmに延伸しており、長距離対空ミサイルと呼ぶにふさわしい能力です。

一方、我が国にもSM-6に迫る能力のミサイルを開発中です。それはASM-3対艦ミサイルです。ASM-3は従来の対艦ミサイルと違って、超音速のミサイルで、射程は200Km以上とされており、重量は約900Kmとされています。ASM-3は開発が終了したとされましたが、何故か量産化が保留されています。理由として、200Kmでは射程が不足なので、搭載燃料を増やして射程を更に延ばす改良が求められているからとする説があります。

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SM-6の概念図です。機体中ほどの安定翼が対空ミサイルの特徴的な外観です。

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ASM-3の概念図です。対艦ミサイルは対空ミサイルのような激しい機動が求められませんので安定翼は見られません。

全くの推測ですが、LRMはこのASM-3に手を加えて対空ミサイルに転用したものではないかと考えます。ASM-3であれば最高速度がマッハ3と言われており、対空ミサイルとして十分通用します。また、F-2戦闘機で運用することで各種試験を行っていますので、類似の機体規模であれば、技術的なハードルがかなり低くなります。来年度の予算にLRMの開発費は計上されていませんので、着手は2020年からと思われますが、既存技術を活用することで、開発期間の短縮も可能ではないかと推測します。

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2019年2月18日 (月)

硫黄島からの飛行?

昨日午後、ワンコの散歩中に上空を空自のC-130H輸送機が飛行するのを目撃しました。C-130Hは小牧基地に配属されているので、別段不思議はないのですが、問題は飛行して来た方向です。南東から北西に向かって飛んで行きましたが、南東方向には海しかありませんから、海上から来たのは間違いありません。私の住む静岡県は本州の南岸に位置していますので、西側には紀伊半島がありますが東側には陸地はありません。

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C-130H輸送機です。

以前にも南東から飛来したり、逆に南東方向に飛行するのを見たことがありますが、海の彼方にある航空基地と言えば、硫黄島しか思い浮かびません。

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地図で見てみるとこんな具合です。 (使用地図は国土地理院の地理院地図を加工)

硫黄島には海上自衛隊が管理する硫黄島航空基地があり、空自入間基地から物資補給や人員の定期輸送に輸送機が運航されています。それなら小牧のC-130Hは必要ないように思われますが、硫黄島では海外に派遣される航空機の給油が行われたり、様々な実験が行われるため、そのための人員や機材の輸送業務も発生するようです。

私が目撃したC-130Hが何のために飛んだのかは判りませんが、硫黄島からの便だった可能性がかなり高いのは間違いないように思われます。

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2019年1月13日 (日)

政府が電子攻撃機開発の方針

昨年年初に、政府が電子戦機のAE-18Gグラウラ-の導入を検討していると話題になり、年末に策定した次期中期防ではスタンド・オフ電子戦機、高出力の電子戦装備の開発が謳われていましたが、本日の読売新聞が、電子攻撃機の開発方針を固めたと伝えました。

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米軍が運用しているAE-18Gグラウラーです。

記事によれば、国産哨戒機のP-1、国産輸送機のC-2をそれぞれ母機にして敵の早期警戒機のレーダーや戦闘機の通信設備、艦船のレーダー機能をマヒさせる電子戦装置を搭載させるとしています。同様の機能の機体を一本化せずに、何故P-1とC-2で別々に開発するのかと疑問に思われるかも知れませんが、これはP-1は海上自衛隊、C-2が航空自衛隊の管轄であり、迎え撃つ相手が航空機と艦船と別の相手になることから、それぞれ最適化することが必要と考えたためではないかと思われます。

現在、電子戦訓練機として空自が電子妨害装置J/ALQ-5を搭載したEC-1を1機、海自がEP-3Dを3機保有して電子戦の訓練を行っていますが、今回の話は電子攻撃機としてより高性能で高出力の装置を搭載して、電子攻撃機として本格的な運用を行うことに踏み切ることを意味します。電子攻撃機を持つことで、自衛隊が敵基地攻撃能力を持つのではないかと考える方がいるかも知れませんが、電子戦を行うことは相手の攻撃の目を奪う事ですから、こちらの損害を防ぐことにつながり、防禦力を高めることになりますが、直ちに攻撃力を高めることを意味しません。ちなみにP-1、C-2とも製造は川崎重工が請け負っています。

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P-1哨戒機です。

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C-2輸送機です。

記事ではC-2ベースの電子戦機は2027年の納入を予定と、開発に相当期間が必要になると見ているようで、P-1ベースについては現時点で納入の目途は立っていません。

また、AE-18Gについては全く触れられていません。大型機は大出力の設備の搭載が可能なので相手へのダメージも強力ですが、相手側からの反撃も予想されます。従ってこの対策に別途導入が検討されるのではないかと思われます。

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