2018年8月 6日 (月)

空自警務隊員が武器を携行

「いずも」見学の際、近くに共同展示していた空自のパトリオット発射機の警備をしていた警務隊の隊員がホルスターを装備しているのを目撃しました。

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これまで自衛隊の一般公開の催しには、度々参加していますが、隊員が武器を携行しているのを見たことがありません。今回展示したのは訓練用の発射機で、特に重要な機材と言う訳ではないと思います。

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以前の催しで展示された今回と同じ車両です。

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ホルスター部分を拡大したものですが、短銃が格納されているのが見て取れます。恐らく自衛隊で導入している9ミリ拳銃と思われます。

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陸自・海自・空自が共通して配備している9ミリ拳銃です。 (出典:防衛省)

警務隊などが装備していますが、これまで一般公開の場で携行しているのを見たことがありません。テロなどを想定したものか、どうかは判りませんが、仮にテロリストが銃器を使った事件を起こした場合には、これでは心もとないような気がします。心配されるような重大な事態に備えては、恐らく見えない所で必要な装備を準備しているのでしょう。

それにしても何故今回は短銃を携行していたのかが気になります。

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2018年8月 4日 (土)

護衛艦「いずも」が清水港に

海上自衛隊最大の護衛艦「いずも」(基準排水量19500トン)が清水港に寄港し、今日明日と一般公開されるので行って来ました。

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とにかく巨大です。これまで同様の外観を持つ、ヘリコプター搭載護衛艦の「ひゅうが」を見たことがありますが、優に二回りは大きい印象です。

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以前帰港した護衛艦「ひゅうが」です。

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搭乗口で乗員が敬礼で迎えてくれました。

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「いずも」の格納庫内。噂のF-35Bが何機も搭載できそうです。

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下降用のエレベーターを待つ見学客。後方の艦橋はビルのような高さです。

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広い飛行甲板。まさに空母と呼ぶにふさわしい広さです。

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対艦ミサイルを防禦する「SeaRAM」近SAMシステム。独立したレーダーで突入して来る対艦ミサイルを小型ミサイル発射して撃破します。

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従来から使われているファランクス20mm機関砲です。「SeaRAM」は8発撃てば次のミサイルを装填しなければなりませんが、ファランクスは連続して射撃が可能です。但し、使用しているのが20mm機関砲弾なので、高速で突入して来るするミサイルを手前で撃破しきれない可能性もあると言われています。

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艦尾で翻っていた海上自衛隊旗の旭日旗。今日は大変暑い日差しが照り付ける天候でしたが、海風が吹いてくれたので、暑さをなんとか凌ぐことができました。

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2018年8月 3日 (金)

イージスアショアの妥当性

このところニュースでイージスアショアを取り上げる頻度が増しています。我が国の安全保障について考えるのは良いことなのですが、誤った理解は困りものです。今朝の中日新聞がイージスアショアについて社説で取り上げていますが、ちょっと首をひねりたくなる内容でした。以下引用(主要箇所の抜粋)です。

地上イージス 巨費投じる妥当性欠く

地上配備型迎撃システムの導入経費は三十年間で約四千六百六十四億円に上る。緊張緩和の流れに逆行し、二カ所の配備候補地には反対・慎重論もある。巨費を投じる妥当性を欠くのではないか。

しかし、六月の米朝首脳会談を受け、日本政府は北朝鮮からミサイルが飛来する可能性は低いと判断し、北海道や中国・四国地方に展開していた地対空誘導弾パトリオット(PAC3)部隊の撤収を始めている。緊張緩和の流れにある中で、迎撃態勢を逆に強化するのは矛盾ではないのか。

三十年間の維持・運用費を合わせると二基で約四千六百六十四億円。ミサイル発射装置や用地の取得費は含まれておらず、全体ではさらに膨れ上がるのは必至だ。

しかし、イージスシステムは強力な電磁波を発し、健康被害も心配される。攻撃対象になる可能性も否定できない。配備候補地の周辺住民が懸念するのは当然だ。

国民を守るべき防衛装備が、国民を危険にさらしては本末転倒だろう。地元の懸念を顧みず、暮らしを踏みにじってまで導入を進めることがあってはならない。

まず、導入経費が30年で4664億円とあるのは「導入費+30年間の運用費」の誤りです。後半で「三十年間の維持・運用費を合わせると二基で約四千六百六十四億円」と言っているので全く理解していない訳ではないようですが、理解が不十分です。

導入費+30年間の運用費+ミサイル費用の合計額は、SM-3ブロック2Aを48発として現段階で約6600億円です。これを先日進水した最新型のイージス艦2隻分の費用を同様に算出すれば、SM-3ブロック2Aを各8発+その他のミサイルで約8000億円となりますので、費用だけを取ってみればイージスアショアの方が経済的だとさえ言えます。

イージスアショアの導入について、米朝会談を引き合いに出していますが、合意声明で謳われた非核化について全く進展は見られず、非核化についての道筋も明らかになっていません。しかも、北朝鮮は現在もICBMの生産を続け、核弾頭用の核物質の生産も行っていると報じられています。

つまり、現在は双方の思惑で、緊張が一時的に緩和しているだけで、この先従来以上の対立が再現される可能性はかなり高いのではと考えられますので、将来に向けてミサイル防衛体制を強化するのはむしろ当然ではないでしょうか。

電磁波の健康問題については既に運用されているハワイやルーマニア、同様の電磁波を使用している国内の各レーダーサイト、導入時に大反対が起きた韓国でも一切の健康被害は報告されておらず、現段階では全くの杞憂と言えるのではないでしょうか。

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航空自衛隊御前崎分屯地のJ/FPS-2レーダー(右端のドーム)です。

攻撃対象になる可能性については先日も取り上げましたが、その可能性はありますが攻撃を受けると言うことは、相手が我が国を攻撃する際に邪魔になるからです。つまり、配備されていなければ、それだけ相手は攻撃しやすくなるだけなので、あってもなくても攻撃されることには変わりがありません。但し、なければ手も足も出ませんが、あれば迎撃できる可能性が高いと言うことなので、大きなメリットがあると考えられます。

「国民を危険にさらす、暮らしを踏みにじる」ものであると言うのはいかがなものでしょうか。

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2018年7月31日 (火)

イージスアショアは攻撃を誘発する?

もう少しすると来年度の概算要求が出て来る季節となりますが、防衛予算がどのようになるのか注目されます。それもあってか、ここに来てミサイル防衛の切り札として期待されるイージスアショアについて防衛省からいくつか動きがありました。

一つは使用されるレーダーについて、従来説明していたSPY-6からロッキード社が新たに開発するSSRに変更すると明言したことです。SPY-6は現行のSPY-1の発展型なので、メンテナンスなどの点で有利なのですが、米国のミサイル防衛局が米軍が配備して間もない新型レーダーを他国に提供することに難色を示したことで、いつ導入できるかが不透明となり、提供の制限がないSSRを選択せざるを得ませんでした。但し、SSRはこれから開発し、イージスシステムとのマッチングをする流れになるため、我が国が希望する2023年に配備できるかは、こちらも不透明です。

もう一つは価格問題です。当初防衛省は現行のSPY-1を使ったシステム価格から1基800億円としていましたが、新型レーダーを使いSM-3ブロック2Aを運用することから、1基1340億円と明らかにしました。レーダーの性能が上がれば、それに伴ってコンピューター部分もグレードアップする必要がありますから、この程度の価格アップは許容の範囲ではないかと思われます。

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SM-3ブロック2Aです。 (出典:防衛省)

さてイージスアショアの候補地の一つである秋田県では、設置予定地の新屋演習場が市街地に近いことから、有事の際に敵の攻撃目標になると、設置に難色を示しています。これについて、ロシアのスプートニク通信日本版が、核保有国の立場から、これを肯定する記事を載せました。

http://jp.sputniknews.com/opinion/201807315176166/

以下引用です。

~ヴェルホトゥロフ解説委員「ミサイル防衛システムのレーダーは、戦争において最優先の標的です。レーダーを破壊すればミサイルは発見できず、迎撃システムは機能しなくなり、敵に多大な損失を与えることができます。例として、比較的最近の、核戦争を想定したアメリカのプラン『SIOP-98』(※2001年、このプランに関する一部情報が公になった)では、ロシアのミサイル防衛システムの鍵であるレーダーシステム『Don-2N』の破壊が計画に入っていました。それにはなんと69もの核弾頭が向けられる計画でした。」~

いやはや何ともです。米国の核攻撃の想定を紹介する体裁を取っていますが、各保有国の本音を代弁するもので、これではロシアも必要とあれば、日本に何十発もの核ミサイルを撃ち込む用意があると言っているようなものです。では記事にある通り、イージスアショアのレーダーを使用不能にした後はどうするのでしょうか?

ヴェルホトゥロフ解説委員の言葉によれば、イージスアショアを無効化するのは、攻撃するミサイルを防衛されなくするためなので、当然第二波は私たちの頭上に向けられることになります。自衛隊の主力基地や、大都市などがターゲットになることが考えられます。その場合、日本海側の有力都市である新潟市や秋田市もターゲットになることが十分考えられます。つまり、イージスアショアがあるとないとにかかわらず、攻撃される側の中核都市である秋田市は、攻撃される国に損害を与える目的で攻撃のターゲットになり得ると言うことです。だからと言って設置をごり押しして良いとはなりませんが、もう少し広い観点からの議論が必要なのではないでしょうか。

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2018年7月27日 (金)

リムパック2018で海自P-3Cが目標探知できず

ハワイ沖でリムパック(環太平洋合同演習)2018が来月2日までの予定で開催され、元々は周辺国の海軍の連携を深めることを目的としていたのですが、何故か今回は我が国からも海上自隊の他、陸自の12式地対艦ミサイル部隊が参加しています。

標的用の退役艦を使った実射訓練では、航空機からの情報を基に12式対艦ミサイル2発が発射され、標的の戦車揚陸艦ラシーンに見事命中させました。この攻撃訓練では、多くのミサイルの発射が予定されていたので、一撃で沈めてしまうと訓練に支障が出てしまうので、12式の弾頭は爆薬を抜いて発射されました。12式地対艦ミサイルについては想定された通りの結果を残し、まずはめでたしと言ったところですが、気になる情報が上がっています。

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12式地対艦ミサイル発射機  (出典:防衛省)

それは演習に参加していた海自のP-3C哨戒機が標的艦を探す訓練において、恐らくレーダーを妨害するECM装置によって捜索が行えず、代わって米軍のAH-64ヘリコプターと無人哨戒機MQ-1Cによって標的艦を発見したと言うものです。もし、これが事実とすれば、由々しき問題です。潜水艦のみならず、水上艦、いわゆる駆逐艦や巡洋艦のことですが、これらの監視も哨戒機の重要な任務ですが、レーダーを妨害されれば、監視も攻撃もできません。

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P-3C哨戒機です。

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陸自のAH-64Dロングボウです。搭載するミリ波レーダーの探知距離は最大で10Kmです。

P-3Cは米国が開発した哨戒機で、世界中で広く使われています。米軍は現在は後継機のP-8に切り替えていますが、それまではP-3Cが現役の哨戒機でした。P-3CにはAN/APS-115と言う捜索レーダーが装備され、最大探知距離は200Kmと言われています。通常、レーダーの電波は1チャンネルだけと言うことはなく、複数のチャンネルを持っていて、妨害に合えば他のチャンネルに切り替えて対応することになっている筈です。

リムパックは各国がそれぞれ連携して役割を果たすことになっていますので、今回はP-3Cが妨害を受けて、他の航空機がそれを代替するシナリオだったのか、それとも本当に妨害を受けて捜索が出来なくなってしまったのかは明らかにされていません。仮に本当だったとしても、安全保障上詳細が明らかにされることはないでしょうから、真相は判りません。ただ、もし本当に妨害を受けたのなら、自衛隊は簡単な妨害に対して極めて脆弱であったと言うことになります。

シナリオ通りに装備が運用できることを確認するのも演習の目的の一つですが、想定外の事態を洗い出すのも演習の成果です。仮に電子妨害に弱いのが事実としても、それが判れば対策を取れば済む話です。しっかりと演習の結果を総括して欲しいものです。

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2018年7月20日 (金)

イージスアショアのレーダー問題

北朝鮮の核廃棄問題は、どうやらトランプ大統領が中間選挙への実績づくりを焦って十分な検証の確約をしなかったことが裏目に出つつあり、抑止力としてのミサイル防衛の重要性が返って注目される事態となっています。一方で国内では、地上配備型イージスシステムのイージスアショアの配備が予定される地元の県知事が配備の妥当性について疑問を呈していますが、丁寧な説明が求められます。

さて、そのイージスアショアについて困った事態が発生しています。イージスアショアはイージス艦に搭載されたイージスシステムを、そのまま地上に移設したもので高性能なSバンドのレーダーで捉えたミサイルや航空機の機影を高性能なコンピューターで計算し、最適な迎撃位置で迎撃するシステムです。現在はレイセオン社のSPY-1レーダーが使われており、その探知距離はおよそ500Kmと言われています。

一方、迎撃ミサイルのSM-3が射高500Kmのブロック1Aから射程高1000Kmのブロック2Aに更新されることで、より長距離で運用できるSPY-6レーダーが開発され、2022年から配備される艦船に搭載されることになっています。我が国も当然SPY-6の導入を希望していますが、これに対し米国のミサイル防衛局が最新レーダーを供与することに対して反対を表明しており、導入できるかが不透明になっています。

このような事態を踏まえて、アラスカに設置予定のLRDR(長距離識別レーダー)を開発したロッキード社がLRDRを転用したSSRを供給できることを表明して、イージスアショア商戦に参入しようとしています。基本的な構成は変わらないので、性能についてはどちらも大差はないものと考えられますが、SPY-6は多くのイージス艦に搭載されるのでメンテナンスの上で有利なのに対し、SSRは今のところ日本以外に導入を検討しているところはありませんので、メンテナンスやバージョンアップの方向性が不透明です。また、艦載用のイージスシステムと地上用のシステムとで、運用面の差があることも統合的に運用する上で好ましいことではありません。

とは言っても、我が国が導入予定の2023年にSPY-6を供与される見通しが立たない以上、SSRを排除することもできません。この問題の決定権が米国側にある以上、我が国ができることは限られますが、今現在、問題解決に向けた我が国政府の動きが見えませんんで、早急な働きかけが求められます。

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イージスアショア。建物右側上部の白いものがSPY-1レーダーです。 (出典:防衛省)

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2018年7月 3日 (火)

陸自が独自の輸送艦の保有を検討

陸上自衛隊と言えば戦車や装甲車などを装備して陸上において国土防衛を目指す組織ですが、その陸自が独自の輸送艦の保有を検討していることが明らかになりました。

自衛隊は陸・海・空の三つの組織に分かれていますが、それぞれの基地への補給や物資輸送はそれぞれの輸送機やヘリコプター、トラックなどで行っています。中でも陸自の場合は、離島である沖縄本島や対馬を除けば、基地は北海道・本州・四国・九州の陸地に限られていました。ところが、中国の軍事的圧力に備えるため、最西端の島である与那国島に沿岸監視隊を駐留させ、石垣、宮古島に警備隊や対空ミサイルや対艦ミサイル部隊を配備する計画が進められています。

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南西諸島の位置関係はこんな具合です。 (出典:国土地理院の地理院地図を加工)

部隊が離島に配備されれば日常的に補給が必要となります。陸自は航続距離の長いV-22オスプレイの導入を進めていますので、少量の人員や物資はオスプレイでの輸送が可能ですが、戦車やトラック、装甲車などの大型車両の輸送はできません。また海自が保有するおおすみ型輸送艦は3隻しかありませんので、定期修理などを考えれば日常的な輸送に投入するのは問題がありそうです。

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我が国が3隻しか保有していないおおすみ型輸送艦です。 (出典:海自HPより)

そこで、陸自が自由に運用できる輸送艦を導入することを考えたのではないかと思いますが、大賛成です。我が国は四方を海に囲まれている割に、他国と比較して輸送艦の数が少な過ぎます。中国軍の場合、大型輸送艦に限っても45隻を保有し、運搬できる車両は合わせて450両なのに対し、我が国はわずか3隻で、運搬可能な車両の合計も1割程度の54両です。

また輸送艦は災害時にもヘリの発着拠点としての機能や、医療施設としての役割を果たしますので、予想される大規模地震への備えとしても導入は意義のあることと考えます。

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2018年6月25日 (月)

イージス・アショアの行方

米朝首脳会談で朝鮮半島の非核化について合意されましたが、具体的なステップについては何も決められませんでした。しかし、この合意を受けて北に対して圧力を加えるべきはないとして、トランプ大統領は8月に実施予定だった恒例の米韓合同軍事演習の中止を決めています。我が国でも北の弾道ミサイルに対応するために、日本海側に設置予定の地上配備型イージスシステムのイージス・アショア不要論も聞かれます。そんな中で毎日新聞の世論調査で興味深い結果が出ています。

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イージス・アショアの地上配備写真です。 (出典:防衛省)

「米朝首脳会談を踏まえ、北朝鮮の核・ミサイル問題が解決できると思うか」との質問に対し、

解決できる                15%

解決できるとは思わない        70%

との回答で、圧倒的に否定的な考えが多い結果となりました。

秋田県の佐竹知事が秋田市の新屋演習場への設置に反対を表明しており、政府もミサイル着弾を予想した訓練の中止を決定していますが、国民の多くが北の核廃棄について否定的な見方をしており、相手の脅威に対する備えは怠るべきではないと考えます。

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2018年6月 8日 (金)

防衛費2%問題

今朝の中日新聞が、自民党の安全保障調査会と国防部会が提言した防衛費をGDPの2%に引き上げる提言を取り上げ、批判しています。以下、社説からの抜粋引用です。

~ところが提言は「NATOが防衛費の対GDP比2%達成を目標としていることも参考にしつつ」必要かつ十分な予算の確保を求めた。「戦後最大の危機的情勢」下で、国民の命と領土などを守り抜く体制構築のためだという。

GDP比1%は、日本が専守防衛に徹するという国際的なメッセージだ。2%を参考にすると言い出せば、再び軍事大国化の意思ありと疑われても仕方があるまい。~

何かにつけて軍事大国化と批判するのはいかがなものかと思います。と、言うのは国防費がGDPの1%を超える国が多く存在するからです。各国の軍事費・国防費についてはスウェーデンのストックホルム国際平和研究所が統計を取って公開しています。

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主要国の国防費の対GDP比ですが、我が国を除く全ての国が1%を超えており、米国は3.2%、インド、フランス、韓国も2%を超えており、中国もほぼ2%の水準です。軍事大国を公言している米・ロ・中を別として、インドやフランスに向かって軍事大国化を目指しているのか、と非難することにもなりかねません。

そもそも1%以内は良くて2%はダメと言う理屈が良く判りません。あくまでも仮定の話ですが、国家予算が今の2倍になれば1%のままでも防衛予算は2倍になります。これが良いのなら、GDPの2%が許されないと言う理屈は何なのでしょうか?

北朝鮮と国境を接している韓国はGDP比2.6%の国防費ですが、同じように北朝鮮や中国、ロシアの軍事圧力を受けている我が国が、1%枠に捕らわれなければならないと言うのは、どう考えてもおかしな話です。必要な脅威に備えるために、十分な備えをすることが必要であり、そのためにどうしても必要であれば2%でも3%でも投入するのは当然ではないでしょうか。少なくともインドやフランスが非難されたと言う話は聞いたことがありません。

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我が国への侵入機を監視するE-767早期警戒管制機です。

防衛費については対GDP費は一つの指標ではあるのでしょうが、どこまでが良いとか悪いとかでなく、国民の安全を守るのに十分であるか、そうでないかの観点で論ぜられるべきではないでしょうか。

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2018年6月 5日 (火)

枝野氏が護衛艦空母化を批判

枝野氏は3日、山梨県昭和町の講演で政府が護衛艦「いずも」の空母化を検討していることに触れ、「なし崩し的に専守防衛を超えるような装備が進んでいる。専守防衛なら要らないはずだ」と述べました。

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ヘリコプター搭載護衛艦「いずも」 (出典:防衛省)

先日も枝野氏の発言を取り上げましたが、どうも枝野氏の考えには偏りがあるようです。民主党が与党の時代には南西諸島に自衛隊を配備することを決定し、「よこしまな思いを周辺国に持たせないために海域を監視する態勢が決定的に欠けていた。配備することで一定の効果があるとの考えだった」と述べています。

中国海軍は既に空母「遼寧」を保有し、先日は2番艦となる国産空母の試験航行を開始しています。更には電磁カタパルトを備えた原子力空母を含めた空母5隻体制を目指しているとも伝えられています。我が国と中国大陸の間は最短で500Kmほどですから、我が国に空母は不要と言われ続けて来ました。では、何故中国は必要が無い筈の空母を搭載機を含めて多額な費用を投じて保有しようとするのでしょうか?

それは空母には海上のどこへでも進出ができて、そこから航空機を発進させることで周辺の空域・海域を制圧可能だからです。例えば、台湾進攻を考えた場合、中国本土から出撃するばかりでなく、南方海域から航空攻撃できることは相手の防空網に大きな負担を強いることになり、大陸側の防禦を手薄にしかねません。これは我が国に対しても同様です。

枝野氏は能天気に専守防衛なら不要のはずだと決めつけていますが、中国軍部と意見交換をして、そのような事態はあり得ないとの言質でも取っているのでしょうか。勿論そんな約束事があったとしても、実際にそれを破って相手国に侵入する先例を我々は日ソ不可侵条約で体験しています。

相手の意思ではなく、能力に備えるのが安全保障の要諦です。持論展開も結構ですが、立憲民主党自体が多くの国民の支持を得ていない現実を見て、不支持の理由を分析することが求められるのではないかと思います。

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