2019年4月23日 (火)

韓国が自衛隊機の接近に対する警告を通知

昨年末に発生した、自衛隊機に対する射撃管制レーダー照射事件は未だに解決していませんが、この事態に関連して1月に韓国国防部が在韓日本大使館の駐在武官を呼び、韓国政府の基本的な考えを伝えていたとのことです。以下韓国聯合ニュースからの引用です。

~同部は22日、韓国政府が日本側に対し、自衛隊機が韓国艦艇から3カイリ(約5.5キロ)以内に接近した場合は火器管制レーダーの照射を警告すると通知したとする読売新聞の同日付の報道について、「韓日間の海上での偶発的衝突防止のため、韓国軍の軍事的措置と基調について日本側に説明した」とする立場を発表した。

国防部は当時、在韓日本大使館の武官を呼んで韓国政府の基調を説明したとされる。同部は「日本の哨戒機が(韓国艦艇に対し)超低空接近飛行を行うことは国際慣例違反であり、海上で偶発的な衝突を招く可能性のある非常に危険な行為だ」として、「今後類似の事件が発生した時には、韓国の行動対応指針に従い強力に対応する」と通告。その後、非公開の実務協議で日本側に再発防止策を講じるよう重ねて要求したと伝えられた。

韓国軍は哨戒機による威嚇飛行と日本が主張するレーダー照射問題を受け、軍の対応マニュアルを補完した。

 その内容は公開されていないが、他国の哨戒機が韓国艦艇から一定の距離内に入れば警告の通信を強化したり、艦艇に搭載した対潜水艦ヘリコプターを出動させたりすることなどが盛り込まれているとされる。

 警告の通信内容もより強力な表現に変更され、軍当局は日本の哨戒機が威嚇飛行した場合に周辺で作戦遂行中の韓国軍哨戒機がいれば緊急出動させる方策も検討していると伝えられた。~

う~ん、自衛隊機の行為は国際的な慣行に則ったもので、これまで韓国側も全く問題にしてこなかったものです。また、この記事には載っていませんが、読売新聞が伝えた記事では、3海里以内に接近した場合でも米軍機は除くとされているようで、ダブルスタンダードそのものであり、韓国側の主張には全く正当性はありません。

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レーダーを照射されたP-1哨戒機です。

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2019年3月21日 (木)

岩屋防衛相がF-2後継に言及

防衛省が開発した超音速対艦ミサイルASM-3は2017年度に開発が終了していますが、2018年度には量産が開始されず2019年度予算にも調達が予定されていません。これに対し、岩屋防衛大臣が、軍事情勢の変化によって相手側の対空ミサイルの能力が向上したので、より遠方から発射できるよう射程の延伸を目指して改良型を開発することを明言しました。


これはどのようなことかと言うと、従来艦隊防衛のための対空ミサイルは射程が120Km前後でした。従ってこれまで空自が保有している対艦ミサイルASM-2の射程はおよそ180Km、ASM-3もおよそ200Kmとしていました。これは地球が丸いため、艦船からレーダーを使って探知できる距離に制約があり、それ以上の射程を持っていても相手機が見えなければ、どうしようもないからです。


ところが、米軍がNIFC-CA(ニフカ、海軍統合対空火器管制)を実現し、艦船のはるか前方に位置する航空機のレーダー情報を使って相手艦や航空機を攻撃することが可能になりました。これをリモート交戦能力と言います。米軍の場合、これまでのSM-2対空ミサイルの能力を向上させたSM-6を開発していますが、SM-6の射程は370Km以上とされています。各国の艦船が搭載ミサイルはだいたい同じような寸法形状で、能力もほぼ同じなので、いずれ中・ロも射程300Km以上の能力を持った対空ミサイルを配備するものと見られています。


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リモート交戦の概念図です。相手艦船の前方上空に位置する航空機によって、こちらの攻撃機が探知され、対空ミサイルを発射されてしまいます。


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F-2戦闘機に搭載されたASM-3です。 (出典:防衛省)

ASM-3は相手の対空ミサイルの射程外から発射することを前提に開発されましたので、相手の対空ミサイルが長射程化すれば、更にその上を目指すのは当然です。尚、ASM-3の改良型については全長を延ばして燃料を増やすものと思われますので、かなりの開発期間が必要と思われます。これに関して、記者が「(その頃には)F-2は退役時期が始まる訳で、そうすると開発というのは、F-2の後継機を視野に入れて開発されるのか」と質問したのに対し、岩屋大臣は「当然、そうでなければならないだろうと思います」とF-2後継機、F-3について言及しました。


現在のところASM-3改のような大型の超音速ミサイルは米軍も保有していませんので、これは事実上のF-3国産開発宣言と受け止められる発言ではないかと思われます。</p


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2019年3月 8日 (金)

北朝鮮の脅威は健在

ハノイにおける第二回米朝首脳会談が決裂に終わり、北朝鮮の出方が注目されていましたが、予想通り核開発、ミサイル増強に向けた動きを強めているようです。6日のIAEAの天野事務局長による報告によれば、核爆弾の原料となる濃縮ウランを生産する遠心分離機が依然として稼働を継続していると言うことです。また、弾道ミサイル基地である東倉里の再整備や弾道ミサイルの生産を行った山陰洞のミサイル研究団地で運搬車両の活動が確認されるなど、活動の活発化が認められています。

これらの動きから、北朝鮮が核爆弾とその運搬手段である弾道ミサイルを手放す意思がないどころか更に増強する強い意思が窺えます。会談の決裂を受けて、次回会談まで表立った動きを控えると言うプランも考えられましたが、どうやら制裁の緩和についてのハードルを自ら高くしてしまいました。

韓国の文大統領は前回の首脳会談以降、北が軟化して直ぐにでも和平が到来するかのような言説を振りまいていましたが、幻想であったことが明白になった訳です。我が国のイージスアショア建設についても、北が核を放棄するのに無意味だとの意見がありましたが、「相手の意思ではなく、能力に備えよ」が正しかったことが証明された形です。

勿論、和平に向けた対話を継続することが大切ですが、相手の善意に頼ることの危険性を現在の状況は如実に語っています。

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イージスアショアです。 (出典:防衛省)

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2019年3月 7日 (木)

コマツが装甲車両事業から撤退

防衛省に装輪式(タイヤ走行)装甲車を納入していたコマツが装甲車両の製造から撤退することが明らかになりました。コマツについては次期装輪式装甲車の試作車が、防衛省での試験の結果、仕様を満たしていないとして昨年不合格になっており、売り上げに占める割合の低い装甲車両事業からの撤退は必至と見られていました。

コマツは建設用車両などの製造を行っており、その技術を生かして96式装輪装甲車や軽装甲機動車を製造しており、その後継車両の最有力メーカーと見られていました。但し、装甲車両については、単なる走行能力だけでなく、耐弾性能も求められますので、そのような試験や開発能力についてはノウハウの不足を指摘する声もありました。

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浜松基地内をパトロール中の軽装甲機動車です。軽装甲機動車は陸自だけでなく、空自でも使用されており、合わせて1900両以上が生産されています。

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イラクにも派遣された96式装輪装甲車です。 (出典:防衛省)

心配される次期装輪装甲車ですが、来期予算で三菱重工に試験車両が21億円で発注されることになっています。この試験車用は16式機動戦闘車のパーツを流用するなどして、三菱が自費開発したものですが、三菱は歴代の戦車や装軌式の装甲車の開発経験がありますので、大きな問題は出ないのではないかと思われます。

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8輪式の16式機動戦闘車です。 (出典:防衛省)

次期装輪装甲車はこの車体をベースに、乗員のスペースを確保したものになっていると予想されます。

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2019年3月 3日 (日)

防衛省が長距離空対空ミサイルの開発を計画

インドとパキスタン、双方が領有を主張するカシミール地方でのテロ攻撃を巡ってインド側が戦闘機による爆撃を行ったのに対し、パキスタンも戦闘機を出動させて空軍同士の衝突となり、インド軍の戦闘機1機が空対空ミサイルによって撃墜されました。このように現代では対空ミサイルの性能が軍事的優劣を左右しますが、それ以外にも相手の航空機の存在を探知する早期警戒機の保有の有無も重要視されています。

戦闘機には相手の航空機を探知できるレーダーが装備されていますが、機体サイズの制限によって、探知できる距離に制約があります。一方、早期警戒機では一般的に機外に円盤型の大型アンテナを備えているため、はるか遠方から相手を捉えることが可能です。

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空自のE-767早期警戒管制機です。

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こちらはE-2C早期警戒機です。空自はE-2Cに加えて、能力向上型であるE-2Dを導入することにしていますが、E-2Dはステルス機の探知も可能とされています。

早期警戒機は各国で保有が進められていますが、侵入機を迎撃する空自にとっても脅威となる存在です。これに対抗するため、相手のレーダーを無効化する電子戦機の導入が計画されていますが、新たに早期警戒機そのものを撃墜できるLRMと称する長距離空対空ミサイルの開発を計画しているようです。LRMはLONG RANGE MISAILEの頭文字を取ったものです。

戦闘機が搭載している一般的な空対空ミサイルは射程が100Km程度ですが、早期警戒機はその何倍かの距離で相手の戦闘機を探知できるため、ミサイルで攻撃しようとしても、ミサイルの射程までに近寄る間に逃げられてしまいます。そこではるか遠方から相手を攻撃できる長距離空対空ミサイルを保有すれば、相手の早期警戒機は我が国に近寄ることができなくなりますので、相手の戦闘機の攻撃力を制限することにつながります。

現在判っている情報では、1発あたりの価格が5億円、重量が1トン程度を目指すとされています。価格が5億円と言えばイージス艦に搭載するSM-6ミサイルの価格に相当します。SM-6はSM-2の能力向上型ですが、射程が大幅に向上して460Kmに延伸しており、長距離対空ミサイルと呼ぶにふさわしい能力です。

一方、我が国にもSM-6に迫る能力のミサイルを開発中です。それはASM-3対艦ミサイルです。ASM-3は従来の対艦ミサイルと違って、超音速のミサイルで、射程は200Km以上とされており、重量は約900Kmとされています。ASM-3は開発が終了したとされましたが、何故か量産化が保留されています。理由として、200Kmでは射程が不足なので、搭載燃料を増やして射程を更に延ばす改良が求められているからとする説があります。

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SM-6の概念図です。機体中ほどの安定翼が対空ミサイルの特徴的な外観です。

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ASM-3の概念図です。対艦ミサイルは対空ミサイルのような激しい機動が求められませんので安定翼は見られません。

全くの推測ですが、LRMはこのASM-3に手を加えて対空ミサイルに転用したものではないかと考えます。ASM-3であれば最高速度がマッハ3と言われており、対空ミサイルとして十分通用します。また、F-2戦闘機で運用することで各種試験を行っていますので、類似の機体規模であれば、技術的なハードルがかなり低くなります。来年度の予算にLRMの開発費は計上されていませんので、着手は2020年からと思われますが、既存技術を活用することで、開発期間の短縮も可能ではないかと推測します。

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2019年2月18日 (月)

硫黄島からの飛行?

昨日午後、ワンコの散歩中に上空を空自のC-130H輸送機が飛行するのを目撃しました。C-130Hは小牧基地に配属されているので、別段不思議はないのですが、問題は飛行して来た方向です。南東から北西に向かって飛んで行きましたが、南東方向には海しかありませんから、海上から来たのは間違いありません。私の住む静岡県は本州の南岸に位置していますので、西側には紀伊半島がありますが東側には陸地はありません。

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C-130H輸送機です。

以前にも南東から飛来したり、逆に南東方向に飛行するのを見たことがありますが、海の彼方にある航空基地と言えば、硫黄島しか思い浮かびません。

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地図で見てみるとこんな具合です。 (使用地図は国土地理院の地理院地図を加工)

硫黄島には海上自衛隊が管理する硫黄島航空基地があり、空自入間基地から物資補給や人員の定期輸送に輸送機が運航されています。それなら小牧のC-130Hは必要ないように思われますが、硫黄島では海外に派遣される航空機の給油が行われたり、様々な実験が行われるため、そのための人員や機材の輸送業務も発生するようです。

私が目撃したC-130Hが何のために飛んだのかは判りませんが、硫黄島からの便だった可能性がかなり高いのは間違いないように思われます。

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2019年1月13日 (日)

政府が電子攻撃機開発の方針

昨年年初に、政府が電子戦機のAE-18Gグラウラ-の導入を検討していると話題になり、年末に策定した次期中期防ではスタンド・オフ電子戦機、高出力の電子戦装備の開発が謳われていましたが、本日の読売新聞が、電子攻撃機の開発方針を固めたと伝えました。

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米軍が運用しているAE-18Gグラウラーです。

記事によれば、国産哨戒機のP-1、国産輸送機のC-2をそれぞれ母機にして敵の早期警戒機のレーダーや戦闘機の通信設備、艦船のレーダー機能をマヒさせる電子戦装置を搭載させるとしています。同様の機能の機体を一本化せずに、何故P-1とC-2で別々に開発するのかと疑問に思われるかも知れませんが、これはP-1は海上自衛隊、C-2が航空自衛隊の管轄であり、迎え撃つ相手が航空機と艦船と別の相手になることから、それぞれ最適化することが必要と考えたためではないかと思われます。

現在、電子戦訓練機として空自が電子妨害装置J/ALQ-5を搭載したEC-1を1機、海自がEP-3Dを3機保有して電子戦の訓練を行っていますが、今回の話は電子攻撃機としてより高性能で高出力の装置を搭載して、電子攻撃機として本格的な運用を行うことに踏み切ることを意味します。電子攻撃機を持つことで、自衛隊が敵基地攻撃能力を持つのではないかと考える方がいるかも知れませんが、電子戦を行うことは相手の攻撃の目を奪う事ですから、こちらの損害を防ぐことにつながり、防禦力を高めることになりますが、直ちに攻撃力を高めることを意味しません。ちなみにP-1、C-2とも製造は川崎重工が請け負っています。

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P-1哨戒機です。

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C-2輸送機です。

記事ではC-2ベースの電子戦機は2027年の納入を予定と、開発に相当期間が必要になると見ているようで、P-1ベースについては現時点で納入の目途は立っていません。

また、AE-18Gについては全く触れられていません。大型機は大出力の設備の搭載が可能なので相手へのダメージも強力ですが、相手側からの反撃も予想されます。従ってこの対策に別途導入が検討されるのではないかと思われます。

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2019年1月11日 (金)

陸自OH-1ヘリコプターが来月飛行試験の予定

陸上自衛隊の国産観測ヘリOH-1が、来月飛行試験を予定していることが明らかになりました。観測ヘリと言うのは、敵を目視偵察したり、味方の撃った砲弾の着弾を確認するためのヘリコプターです。これまではOH-6が使われていました。

OH-1は川崎重工が開発した純国産の観測ヘリコプターで1996年に初飛行し、試作機4機を含む38機が生産されましたが、2015年2月に海上でエンジンを絞る訓練をしていた際にエンジントラブルが発生、海中に墜落する事故を起こしました。その後、8月にエンジンに不具合があることが判明し、全機飛行停止の措置が取られ、以後飛行停止の状態が続いています。

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OH-1観測ヘリコプターです。二人乗りで前席がパイロット、後席が観測員の配列になっています。後席の上部にあるのが観測用機器で、機体幅は約1mと発見されにくい形状をしています。

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OH-1は一見すると攻撃ヘリのような外観をしていますが、当初は将来的に攻撃ヘリに派生させる構想があったと言うことでしたが、陸上自衛隊と川崎重工の官製談合問題のあおりを受け、構想は中止となってしまいました。また、OH-1自体も250機を生産する予定でしたが、量産型34機で生産打ち切りとなってしまいました。

戦後の様々な制約の中で、我が国の航空機産業は大きな空白を強いられましたが、ヘリコプターも国産の機会が中々得られず、OH-1は絶好の機体開発の機会として注目されていました。それだけに墜落事故や不祥事によって国産ヘリの芽が潰えてしまうのは残念でなりませんでしたが、今回飛行試験とは言え、飛行が再開されるのは喜ばしい限りです。

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2018年12月17日 (月)

「空母」化護衛艦とF-35B

護衛艦「いずも」の空母化やF-35Bの導入を巡るニュースも沈静化してきましたが、これがあるとないのとでは、どれ位違うのかを地図で表してみました。戦闘機の活動できる距離を表す指標に戦闘行動半径と言うものがあり、およそ航続距離の半分の数字となっています。F-35の場合、A型が1093Km、B型が833Kmとなっています。B型がA型よりも短いのは、B型は垂直離着陸用にリフトファンを備えているので、その分燃料タンクが小さいからです。

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F-35Bが陸上の基地から離陸した場合の行動半径を円で表しました。赤い円が戦闘行動半径の833Kmで、青の円が1200Kmです。

1200Kmは陸上基地から発進し、「空母」に着艦することを前提にした行動半径です。もし、巡航ミサイルを搭載した爆撃機が太平洋側から攻撃しようとした場合、この範囲まで迎撃が可能になりますので、相手の行動を封じ込める効果が期待できます。そして、事前に「空母」に搭載していれば、青い円はどこまでも移動が可能になりますので、相手の活動を更に制約できることになります。

また、他国に脅威を与えるとの主張は、元々陸上基地から発進しても周辺国に到達可能なので、意味はありません。

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2018年12月14日 (金)

F-35を105機追加導入

このところ、中期防衛大綱の制定を巡り、ヘリコプター搭載護衛艦「いずも」の「空母」のニュースが増えていましたが、合わせて搭載するF-35Bについてもニュースが増えています。当初は導入の方向といった内容でしたが、導入数についても20機、40機と具体的な数字が見られるようになってきました。

そして、昨日辺りから、旧式化したF-15戦闘機の未改修機99機すべてをF-35で置き換え、105機を導入すると言った話が出て来ました。内訳はF-35Aが65機、F-35Bが40機とし、次期大綱ではF-35Bは20機を導入となっています。F-35Bは「空母」化の議論の過程で公明党が難色を示したことから、常時搭載はしないことになりましたが、短距離での離発着が可能なので、陸上に配備されていても、有事には破壊された滑走路からも離陸することができますので、防衛力にの強化につながります。また陸上から発進しても、「いずも」に着艦できれば、帰りの燃料の心配がなくなるので、それだけ長く現場に留まることが可能です。

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F-35B戦闘機 (出典:在日米国海兵隊HP)

我が国を取り巻く安全保障の環境は、厳しくなる一方ですが、危機に対処できる態勢を維持・構築することが相手への抑止力となりますので、追加導入についての意義は大変大きいと考えます。

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