2017年12月13日 (水)

イージスアショアの価格はいくら?

北朝鮮の弾道ミサイル対策として、政府は19日にイージスアショアの導入について閣議決定する予定です。ところで、小野寺防衛相が12日に明らかにしたところでは、これまで1基当たり約800億円とされていた導入価格が約1000億円と200億円増額である見通しであることを明らかににしました。

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イージスアショアの全景です。 (出典:防衛省)

これについて、現在のイージスシステムが使用するSPY-1レーダーに変わり、現在開発中の新型レーダーのSPY-6を搭載するからではとの声がありますが、ちょっと納得できません。と言うのはSPY-6ではこれまでのガリウム砒素を使った半導体素子から窒化ガリウムの素子に変更されますが、これは同等の能力であれば価格が34%低減し、送信出力は2倍の電力で30倍になると言われているからです。計算上はこれで探知距離が2.4倍になるのではと試算されます。

現在のSPY-1は4.3mx4.3mの八角形ですが、SPY-6はモジュールで構成され、大きさは0.6mx0.6mの正方形で、モジュール9個でSPY-1と同等の能力となり、同じ面積であれば37個のモジュールを設置できますが、実際のSPY-6にいくつのモジュールが搭載されるのかは判っていません。

更に現在は航空機用のSM-2の誘導にはSPY-1とは別にAN/SPG-62と言うミサイル誘導用のイルミネーターと呼ばれる装置が必要ですが、SPY-6ではイルミネーターは不要と言われています。これはSM-2の後継のSM-6になっても同様です。

となると、なぜ従来の800億円が1000億円に増額になったのかの説明がつきません。安全保障に必要な費用をかけることに異論はありませんが、その根拠をうやむやにすることは許されません。国民に対してきちんとした説明が求められます。

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2017年12月11日 (月)

弾道ミサイルはどこまで探知可能か

昨日の記事を書きながら、これまで疑問に思いながら事実関係がはっきりせず、もやもやしていることがあったので、今日はそれを取り上げます。

先日の北朝鮮による火星15号の発射に関し、日米韓はどこまで探知できたのかと言った問題です。当初韓国軍は高度4500Km、水平距離960Kmと発表し、北朝鮮政府は高度4475Km、水平距離960Kmと発表しています。これに対し、日本政府は4000Kmを大きく超える高度として具体的な数字を明らかにしていません。また米国も具体的な数値を明らかにしていません。

ではこれらの数字はどこから出たのでしょうか。北朝鮮は独自の観測網を持っておらず、着弾点や最高高度については観測能力がないと考えられることからミサイルに搭載したテレメトリが送信した速度や加速度の情報から現在位置を割り出して算出した数字を使っていると思われます。計器の精度がありますから、完全に正確とは言えませんが概ねこのような数字であると考えて良いと思われます。

では韓国はと言えば、実際に観測可能なのは保有するイージス艦と米国のイージス艦からの情報に基づいたものですが、果たして到達高度まで観測可能か疑問です。と言うのは同じイージス艦を持つ日本政府が4000Km以上と言葉を濁しており、実測値ではないことを言外に匂わせているからです。恐らくですが、イージスシステムではミサイルの高度や速度、加速度を計算しますので、計算上の到達高度が割り出せるので、その数字を公表したのではないかと思われます。

では日本の自衛隊はどのように観測したのかと言えば日本海のイージス艦と佐渡島、大湊に設置した通称ガメラレーダーことJ/FPS-5レーダーで捕捉したのではないかと考えます。J/FPS-5レーダーは弾道ミサイル監視用に開発された直径18mのアンテナを持つ高性能レーダーで、長距離の探知が可能と思われますが詳しい性能は公表されていません。

米軍は海上に浮かぶプラットホームに大型のXバンドレーダーを乗せたSBX-1を配備してICBMの探知に運用いていますが、このSBX-1の能力は4800Km先のソフトボールを識別できると言われています。そんなところから推測すれば、J/FPS-5の探知距離が4000Km前後なのは納得できるところです。

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佐渡から見た2000Kmはこれ位の距離で、4000Kmはこの倍ですから大変な距離を監視していることがお判りいただけると思います。ちなみにモンゴルの首都ウランバートルまではおよそ2750Kmです。

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12月12日追記 佐渡から4000Kmの距離はこのあたりです。 (国土地理院の地理院地図を加工)

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2017年12月10日 (日)

PAC-3、弾道ミサイルの迎撃に失敗かと報道

現在の我が国は北の弾道ミサイルに対して、海上のイージス艦からのSM-3と陸上各地に配備しているPAC-3での迎撃で防禦態勢を敷いています。1発当たりの迎撃成功率はSM-3で約85%、PAC-3ではほぼ100%と言われていますが、遠距離の高高度でミサイルの中間コースを迎撃するSM-3と違い、PAC-3では突入してくるミサイルと相対する形で近距離で迎え撃つことになりますので、それだけ迎撃成功率が高くなるのではと考えられます。PAC-3については文字通り最後の守り神と言った存在です。

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さて、そんな守護神PAC-3について気になる報道がありました。4日付のニューヨークタイムズ紙によれば、11月6日にイエメンの武装勢力からサウジアラビアのリヤド国際空港に向けて弾道ミサイル攻撃の際、サウジ側はPAC-3で迎撃に成功したと発表していたが、実際は5発のPAC-3全てが撃墜に失敗したと言うことです。

幸い、ミサイルの命中精度が低く、空港から700m離れた地点に着弾して大きな被害は免れたものの、発射されたPAC-3は弾頭を分離した後、そのまま飛行したミサイル本体を迎撃してしまったとしています。

10日現在、この件に関してはミサイルの残骸からイラン企業の刻印が見つかったとの報道がある以外続報はありませんが、気になる点がいくつか残ります。

第一点は発射されたミサイルが何発だったのかと言うことです。700m離れた地点に着弾と言うことを信じれば1発となりますが、1発のミサイルに5発のPAC-3を発射することは考え難いことです。

通常は迎撃失敗を避けるため、1発のミサイルに対し、2発のPAC-3を発射するのが基本だとすれば、5発撃つ理由が判りません。仮に第一撃で迎撃に失敗し、第二撃を発射しようとしても、そもそもPAC-3の迎撃高度は20Kmですから、失敗を確認してから発射するまでの時間的余裕はほとんどありません。

第二点は、弾頭に直撃せずに、弾頭を切り離した本体に命中したとのことですが、これもにわかには信じられません。

パトリオットの開発途上では航空機用のPAC-1やPAC-2で迎撃に失敗したことがありますが、弾道ミサイルの迎撃用に改良されたPAC-3では、弾頭が切り離されることを前提にしています。また、ミサイルが弾頭を切り離すのは迎撃を避ける意味合いもありますが、本質的には燃焼が終わり、邪魔になった本体を切り離すことによって射程を伸ばすことにあります。

空力特性を考慮された弾頭と違い、切り離された本体は空気抵抗が大きいのでそれよりも手前に落下するはずです。短距離ならともかく、イエメン国境からリヤドまでは600Km以上ありますので、弾頭と本体がほぼ同じ位置に落下するとは考えられません。

第三に製造メーカーのレイセオンが沈黙したままであることです。米国政府の意向を受けている可能性がありますが、もし本当に失敗したのなら、何らかのコメントがあるのではないかと思われます。

以上のことを考え合わせると、現時点で、この報道については事実として受け入れられないのではないかと考えますが、推測としてPAC-3には弾道ミサイルとは別に航空機撃墜用のモードがありますので、もし誤操作で弾道ミサイルに対して航空機モードで対応すれば、本体を迎撃してしまう事態が起こる可能性はあるのではないかと思います。

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2017年12月 7日 (木)

政府の巡航ミサイルの保有検討に野党が反発

政府が長射程の巡航ミサイル導入の検討をしていることに対し、野党各党が反対のコメントを発表しています。以下共同通信の記事からの抜粋です。

・「ごまかしのようなやり方で防衛政策を進めるのは国益に反する」(立憲民主党の長妻昭代表代行)

・「予算編成の過程で突然出てくるのは違和感を禁じ得ない。そういった手法は国民の不信を招く」(希望の党の玉木雄一郎代表)

・「専守防衛の立場を超えている。直ちに検討をやめるべきだ」(共産党の穀田恵二国対委員長)

立憲民主党と希望の党は手続き論から問題としていますが、共産党は保有そのものに反対の立場です。安全保障について国会で論戦が交わされるのは大変結構なことですが、では現実の周辺国はどうなっているのかを調べてみると・・・・。

・北朝鮮 日本を射程に治める弾道ミサイルを数百発配備済み。

・韓国   射程500Kmの玄武-3A巡航ミサイル数百発を配備中

       射程1000kmの玄武-3B巡航ミサイルを開発・配備中

・台湾   射程1000Kmの雄風2E巡航ミサイル500発を配備

・中国   射程1500~2000KmのDH-10巡航ミサイルを多数配備。

と、どこも射程1000kmクラスの巡航ミサイルを保有しています。巡航ミサイルの多くは亜音速の速度のため、比較的迎撃し易いとも言われていますが、それでも大量に発射されれば被害が出ることは避けられず、双方が保有することで抑止力が働いていると考えられます。

我が国は、これまで攻撃を撃退するとの理念の防衛政策を取ってきましたが、攻撃をさせないとの立場に立った防衛政策に転換する時期が来たのではないかと考えます。

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2017年12月 6日 (水)

政府が巡航ミサイル保有に方針転換か

ここ数日、巡航ミサイルについてのニュースが盛んに報道されています。今年に入り、日本政府が巡航ミサイルの保有を検討しているのではないかとの報道が外国のメディアを中心に伝えられるようになりました。更に平成30年度の防衛省概算要求に「島嶼防衛用新対艦誘導弾の要素技術の研究」が77億円で計上され、これが巡航ミサイルではないかと言われていました。

これについては、その後11月20になって読売新聞が「政府が巡航ミサイルを開発の方向で検討」と伝え、国産トマホークとして再び話題となりました。そして・・・・。

今月4日に突如FNNが『「敵基地攻撃能力も」ミサイル購入方針』として政府が長距離巡航ミサイルの導入を検討していることを、空中発射式のステルス巡航ミサイル「JSSM-ER」の固有名詞を具体的に挙げて報道し、自国開発から一気に購入を検討する話になっていることを伝えました。

そして昨日になって各社が政府関係者の話として一斉にこの話題を取り上げ、「JSSM-ER」の他に「JSM」も導入するとしています。「JSM」は元々F-35戦闘機の機内に搭載する対地用ミサイルとして開発中のミサイルで、F-35Aを導入している自衛隊でも将来的に保有するものと見られていました。

一方の「JSSM-ER」は米軍がF-16やF-15Eで運用している空中発射式の巡航ミサイルで最大射程は920Kmとされ、トマホークと違ってステルス性を備えているのが大きな特徴です。この射程920Kmがどういう意味を持つかですが、「JSM」の射程は300Kmほどとされています。F-35の場合はステルス性がありますので、敵のレーダーに探知されることなく、目標の300Km手前から発射できますが、F-16のような非ステルス機の場合は、目標に近づく前にレーダーに探知されてしまいます。

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レーダーと航空機の位置関係です。戦闘機がステルスでなければ、高く飛ぶほど遠くからレーダーで探知されてしまいます。仮にレーダーの高さが1000m、戦闘機の高度が3000mとするとおよそ350Kmの距離でレーダーに映ることになりますので、迎撃を受けることになってしまいます。「JSSM-ER」の場合、最大で920Km手前から発射しても相手のレーダーは戦闘機を捉えることができませんので、戦闘機に危害が及ぶことはありません。

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「JSSM-ER」の飛行パターンです。発射されるとおよそ高度6600mと空気の密度が薄い空間を飛行することで、飛行距離を稼ぎ、目標に接近したところで高度を100m以下に下げて探知を避けて飛行します。元々ステルスなのですが、こうして相手のレーダーを避けて目標に着弾します。

現在航空自衛隊が保有しているF-2やF-15J戦闘機には。「JSSM-ER」の運用能力がありませんので、機体の改修が必要になります。これには米軍側の調整が必要ですが、こうした話が公にされたと言うことは、すでに日米の間で合意ができていると言うことなのでしょう。

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2017年12月 1日 (金)

F-35排熱問題

北朝鮮の火星15号の発射によって軍事的緊張が一段と高まっていますが、今日から師走です。今年は今のところ例年になく寒い冬となっていますが、そんな寒い中で今日は高温の排熱のお話です。

F-35はステルス機なので、極力電波を反射しないように機体表面に突起物や開口部を設けないようにしています。一方で高性能な様々な電子機器を搭載しているため、内部での発熱は相当な量に達することは容易に想像できます。このため、一般の戦闘機では大型のエアコンで内部を冷却していますが、F-35の場合はそうは簡単にいかないようで、搭載した燃料をエアコンの冷媒のように使って冷却システムを構築している模様です。

実際のところ、これで実戦の運用上問題がないのか気になりますが、各種ミサイルを機内に搭載するウェポンベイが相当高温になるとも言われており、一説には7500m以下を飛行する場合、冷却のために10分間に1回ウェポンベイを開く必要があるとされています。

ちょっと信じがたい話ですが、防衛省が研究を進めている将来型戦闘機でもこの問題は取り上げられており、ステルス機には特有の問題となっているようです。

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熱移送システムの研究イメージ(出典:防衛省)

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こちらは着陸直後のT-4練習機。搭載機器はF-35とは比べるべくもありませんが、それでも機首のハッチを開いているのは放熱のためだと思われます。

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2017年11月30日 (木)

北朝鮮が火星15号を日本海に発射

昨日未明、北朝鮮が弾道ミサイル1発を発射し、ミサイルは青森県の沖合約250Kmの海域に着水しました。発射されたミサイルは北朝鮮の発表により、これまで存在が確認されていなかった「火星15号」と判明しました。「火星15号」は高度約4500Km、飛距離約960Km飛行したものと推定されます。(北朝鮮の発表では高度4475Km,飛距離950Kmとされています。)

当初の報道で到達高度が4500Kmと伝わりましたので、果たしてそんな高度まで打ち上げることが可能なのか検証してみました。

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ロケットやミサイルは真上方向に打ち上げられると、打ち上げの瞬間から地球の引力により、下方向に落下する力が働きます。そこで、加速段階の到達速度と時間から飛行時間53分、到達高度4500Kmが可能なのか数値を当て嵌めてみました。

地球の重力加速度は9.8m/秒2ですが、高度が上がるにつれ距離の2乗に反比例して小さくなり、高度4500Kmでは地上のおよそ1/3になります。果たして到達速度が何Kmだったら可能なのか、幾度も試算してみました。最終的に到達した結論は、到達速度6.35Km/秒、高度500Km、ブースト時間240秒で計算したところ、高度4500Kmまでの到達時間は1604秒(26.7分)に収まることが解りました。弾道飛行なので所要時間は2倍とすれば53.4分となり、概ね53分の範囲に収まりましたので、技術的には可能だと確認できました。

また本日北朝鮮が発表した画像や映像から、「火星15号」は液体燃料式の2段式ミサイルであり、1段目にメインエンジン2基を搭載した構成となっていることが解りましたが、元々「火星14号」に搭載されているエンジンが旧ソ連が開発したRD-250と考えられ、エンジン構成を2基から1基に変更したものとすれば、当初の2基に戻したと考えれば自然です。つまり、最初から2基構成で開発するよりも1基構成で開発する方が、難易度も開発費も少なくて済みますので、賢いやり方だと思います。

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2017年11月28日 (火)

自衛隊のジブチ基地拡充に批判記事

今朝の中日新聞が、日本がジブチに設置している自衛隊のジブチ基地の拡充について批判的な記事を掲載しています。大見出しで『海外「恒久」基地 なし崩し 懸念』と報じています。以下一部を引用します。

~政府は今月、隣接する土地を借り上げることでジブチ政府と合意した。事実上の基地の拡張だが、そもそも派遣目的の海賊事件は激減している。なし崩し的に進む海外基地の恒久化に、疑問の声が上がっている。~

ソマリア沖では海賊が横行し、漁船やタンカーなどが襲われてアジトまで連行され、高額な身代金を要求する事件が多発しました。記事によれば2011年の発生件数は237件にも上りました。海賊多発の背景としてソマリアでは統一的な政府が機能せず、治安が不安定な上、産業や商業が未発達で収入の手段が限られることから、手っ取り早い海賊業が横行することになった訳です。

このため各国は海軍を派遣しましたが、我が国も護衛艦や哨戒機を派遣して2011年にはジブチに基地を開設しました。こうした努力によって海賊事件の発生は、一昨年は0件昨年は2件と激減しています。記事はこうした事実を捉えて、自衛隊の派遣目的が達成されたので、派遣そのものが不要ではないかとしています。

しかし、ソマリアの国内事情が劇的に改善された訳ではなく、現状は力でねじ伏せている状況です。広い海上では中々全ての海面に目を光らすことは困難なのですが、広範囲な海域を監視する能力を備える哨戒機は昼夜を問わず長時間の飛行が可能で、海上自衛隊が派遣しているP-3C哨戒機の存在は大変大きく貢献しています。哨戒機は大変高価な機体で、海自は米軍に次ぐ規模で配備していますが、他国は保有数自体が少なく、とても海外にまで派遣する余裕がありません。

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着陸態勢のP-3C哨戒機です。

また、2011年にはアルジェリアで石油プラントがテロリストのグループに襲撃され、日本人の人質10人が殺害される事件がありましたが、このような本土から遠く離れた海外で事件が起きた時、近くに航空機を運用できる拠点を持っていることは事件解決に向けた支援を取り易くしますので大変重要です。

今回の基地拡張は現在の基地12ヘクタールの外周部分の3ヘクタールを借り上げて、警備体制を強化する目的で行われるもので、海外邦人の保護のためにも好ましいものと考えます。

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2017年11月26日 (日)

日露外相会談でイージスアショアに言及

24日にモスクワで行われた日露外相会談で、ラブロフ外相が北朝鮮の核・ミサイル開発問題に関連し、日本が配備を予定している「イージス・アショア」について「米露の中距離核戦力(INF)全廃条約に違反している」と主張しました。これに対して河野外相は「日本の防衛が目的で、ロシアの脅威にならない」と主張しましたが、会談は平行線に終わりました。

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イージスアショア。 (出典:防衛省)

これはロシア側の言い掛かりで、会談を有利に展開しようとするロシア側の思惑からだろうと思われます。韓国配備のTHAADについても、中国が韓国にイチャモンを付けていますが、同種のものは中露も自国に展開しており、弾道ミサイル防衛について注文を付けるのは我が国の安全保障の対する内政干渉です。また、INFについては米露間の取り決めであり、我が国にこれを持ち出すのは実にトンチンカンです。

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先日報道されたイージスアショアの陸自基地から1000Kmの範囲です。

秋田駐屯地からロシアの沿海地方が射程に入りますが、ロシアは複数弾頭ミサイルを保有しており、現在のイージスシステムは複数弾頭の迎撃を想定していませんので、ロシアに脅威となることはあり得ません。そもそもがSM-3は迎撃ミサイルであり、他国を攻撃するものではありませんので、この問題は適当にあしらうべきだと考えます。

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2017年11月22日 (水)

岡田代表がB-2飛来拒否を要求

昨日の衆議院本会議で、安倍首相の所信表明に対する各党の代表質問が行われましたが、無所属の会の岡田克也代表が、核兵器を搭載可能な米軍のステルス戦略爆撃機B-2の日本飛来を認めるべきでないと要求しました。

これは所信表明の中で、台風による悪天候で中止になった航空自衛隊百里基地で予定されていた航空観閲式に、B-2が参加する方向で調整していたことを明らかにしたことに対するもので、「B-2に核兵器が搭載されているか否か、米政府は決して明らかにしないはずだ」と指摘し、核兵器を持ち込ませないとする非核三原則に基づき、B2の日本飛来を認めるべきでないと訴えたものです。これに対し、安倍首相は「航空ショーで上空飛行を行う航空機は武装していないと米国に確認している」と説明し、非核三原則については「見直すことは全く考えていない」と明言しました。

岡田氏の要求は的外れとしか言いようがありません。確かにB-2は核弾頭を搭載可能なAGM-86Bを運用可能ですが、AGM-86Bは射程が2500Kmもありますし、B-2の航続距離も12000Kmありますので、仮に北朝鮮に向けて発射するのであれば、わざわざ日本に立ち寄る必要がありません。日本の領空を飛行することには問題が残りますが、巡航考ミサイルは、あらかじめインプットされたコースを忠実に辿って飛行しますので、領空を迂回して飛行することで、この問題を回避することが可能です。逆に、記念行事に我が国上空を飛行することで、日米の軍事的な結びつきの強さや、軍事プレゼンスを誇示することで、北朝鮮にたいする大きな圧力になります。

北朝鮮が、国連決議による弾道ミサイルの発射禁止を無視し続け、核開発を止めようとしない現在、これを座視することは容認とみなされてしまいますので、できる限りの圧力をかけることは当然であると考えます。

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