2020年7月31日 (金)

9バンドアンテナを設置

またまた随分と更新が滞ってしまい、申し訳ありません。特に問題が起きた訳ではないのですが、新型コロナウイルスによって、生活のリズムが狂ってしまい、中々パソコンに向かうことができなくなってしまいました。これまで、極めて限定的発生に留まっていた浜松市も、二つのクラスターの発生によって、一気に累計の感染者数が100人の大台を突破してしまいました。これまで以上に予防に努め、感染しないように気を配っていくつもりです。

さて、本題です。私は現在、50年振りにカムバックしたアマチュア無線を楽しんでいますが、使っているアンテナは2種類です。1本は50MHz、144MHz、430MHzで使用している垂直系のグランドプレーン(GP)アンテナです。電波を放射するエレメントが垂直に立っています。もう1本が、7MHz、21MHzで使用している水平系のダイポール(DP)アンテナです。これらのアンテナを使用して7MHzから430MHzまでの5つのバンド(周波数帯)で交信しています。5つのバンドで交信ができれば、それで十分ではないかと思われるかも知れませんが、実は電波は周波数によってそれぞれ特性が違うのです。

7MHzと21MHzはもちろん、144MHz、430MHzもそれぞれ伝わり方が異なります。一般的に周波数が高く(波長が短く)なれば光に似て直進性が強くなります。逆に周波数が低くなると、電離層の影響を受けやすくなり、電波が反射したり、電離層で弱まったりします。電離層は、太陽の光線やX線などの宇宙線などにより大気中の気体の原子から電子やイオンが放出され、電子が濃く存在しているもので、季節や時間帯によって変化します。したがって、それによって電波の伝わり方が変化するので、いつも一定の状態で通信することができない状況が生まれます。このため、時間帯や季節によって通信する周波数帯を選択することも必要になりますが、それには選択肢が多い方が良いことになります。

そうは言っても、多くのバンドに対応するアンテナをそろえれば、それなりの費用が必要になります。そこで登場したのが今回設置したマルチバンドのアンテナです。このアンテナは3.5、7、14、18、21、28、50、144、430MHzと9バンドに対応していますが、こんなに多くのバンドに対応しているアンテナは他に例を見ません。

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写真中央が今回設置した9バンドアンテナです。右手奥にあるのがグランドプレーンアンテナです。このアンテナ、器用貧乏的なところもありますが、それでも立派に役目を果たしてくれています。但し、風には弱いので、あまり高く上げられないのと、流石に3.5MHzではアンテナが短すぎるので、物足りなさは残ります。でもこんなコンパクトなアンテナ1本で、9つのバンドで通信できるのは、ただただ驚きです。

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2020年6月11日 (木)

宗谷岬の局と交信

このところ、太陽の黒点活動が活発化している模様で、それに伴う電離層のスポラディックE層の出現の頻度が増しています。スポラディックE層(以後Eスポと略します)と言うのは、普段存在しない電離層のE層が太陽活動の活発化によってかなり高濃度で発生し、普段は突き抜けてしまう電波を地上に反射します。この働きによって、普段は聞こえない地域の電波が思いがけずに聞こえるのですが、聞こえるということはこちらの電波も相手に届くことになるので、通信が成り立ちます。

宗谷岬は北海道の最北端にありますが、電離層の反射の関係で、私の地域からは普段は7MHzなどの低い周波数でしか交信できません。しかし、Eスポが発生すると、より高い周波数でも交信が可能となります。今回は50MHzで、普段は聞こえない宗谷岬の局と初めて交信ができました。この局は、先週まで礼文島に移動しており、礼文島でも交信していましたので、2回目の交信でした。

日本の最南端は沖縄の波照間島、最西端は与那国島になりますが、こちらは未だに未交信で現在は宮古島が国内最遠となっています。

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2020年4月21日 (火)

縁は異なもの

前回の記事の続きです。日曜日、移動先から交信できたのは合計8局でした。多いか少ないかは人によって違いますが、私にとっては多い方です。その内4局は以前に交信したことがある局でした。

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地図に表示した①から④がその相手局です。(クリックすると拡大します。) 地図は国土地理院の地理院地図を加工したものです。

①は掛川市に移動していたお馴染みの局で、交信相手を探していたので私の方から応答して、情報交換を行いました。

②の局は伊豆市の局で、昨年の夏、南アルプスの茶臼岳に登った時に、私の方から呼びかけて交信してもらった局ですが、今回は先方から呼んでもらって交信できました。地形の関係で、自宅からは電波の届きにくい所なので、思わぬ応答に大変驚くと共に、うれしく感じました。

③の局は豊橋市の局で、自宅から何度も交信している局ですが、受信をしていたら、自宅を離れて運用しているのに応答してくれる局がいないとのことでしたので、こちらから呼びかけて交信したものです。

④は島田市の局で、昨年の9月に島田市の諏訪原城跡に移動した時に、応答してもらった局です。この局も応答してくれる局がいないとのことでしたので、私の方から呼びかけて、その時のお礼を述べることができました。

アマチュア無線の交信は、それぞれの都合で行うものなので、必ずしも相手の呼びかけに応じる義務はありません。しかし、同じ時間に同じ周波数でなければ出会えない相手には、言いようのない親近感を抱きます。言ってみれば、究極の一期一会と言えるのかも知れません。ましてや過去に交信した相手とは思い出の共有がありますので、再会を喜ぶのは人情です。今回は4局との再会を果たすことができ、大変満足でした。

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2020年4月19日 (日)

北遠の山から奈良県と交信

日ごとに春めいて、絶好の行楽シーズンを迎えていますが、今年はコロナ騒動で、気軽に出かけることができません。山歩きなら三密に当たらないので、まあ良いのではと考え、以前から無線機を持って登りたいと思っていた浜松市天竜区にある竜頭山(りゅうとうざん、1352m)に登って来ました。竜頭山はふもとから登ると3時間近くかかりますので、昔は3000m級の山を登る際に、トレーニングの山として登られていました。ところが、上部に南北に連なる林道が作られたため、林道を利用すれば手軽に頂上に立つことができるようになりました。登山を楽しむ登山者は、今でも下から登りますが、手軽に頂上に立ちたいと思う人は、林道をアプローチに使っています。今回は無線をやるのが目的なので、時間を有効に使うため、林道から登りました。

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新雪に輝く南アルプスの峰々。右が上河内岳(かみこうちだけ、2803m)、左側が聖岳(ひじりだけ、3013m)、真ん中の黒い山が光岳(てかりだけ、2591m)です。

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こちらは同じく新設で雪化粧した富士山です。

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林道の駐車場の気温は15℃でした。下界と、そう変わらない温度ですが、山の上では春がゆっくりやって来ます。生えているのはバイケイソウばかりでした。

頂上の一角には東屋があり、登山者の格好の昼食の場となっていますが、こちらは無線をやりたいので騒音を避けるために、稜線の岩場に陣取ることにしました。無線機のスイッチを入れると、430MHz帯で、おそよそ50Km離れている飯田市の局が聞こえましたが、残念なことに交信はできませんでした。気を取り直してダイヤルを回していると、なんと今度は奈良県の局がまるで近所の局のように、強力に聞こえました。信じられない思いで呼びかけると、なんと一回で応答がありました。相手からも強力に受信できているとうれしいレポートをもらいました。相手の局は奈良県山添村(やまぞえむら)にある神野山(こうのやま、618m)山頂からで、直線で178Km離れており、これまでの山頂からの交信距離を一気に更新することができました。

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位置関係はこんな具合です。神野山手前には843mの笠取山がありますが、何とか、かいくぐって繋がったようです。使用の地図は国土地理院の電子地図、地理院地図を使用。

その後、静岡市や、三島市、伊豆市の局とも交信出来て、収穫の多い無線登山となりました。

 

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2020年3月21日 (土)

宮古島と交信で交信距離を更新

世間では3連休を楽しんでいる方も多いのでは、と思いますが私は仕事でした。それでも早く出勤して早く退勤したので、夕食前に時間がありました。今日のコンディションはどうだろうかと、無線機のスイッチを入れると横手市の局が聞こえました。私の所では良く聞こえたのですが、立て続けに2局と尻切れで交信が終わってしまいました。それではと呼びかけると、すんなり交信ができました。気を良くしていると、今度は沖縄の宮古島の局が聞こえ、こちらも相手局と上手く更新できない様子でした。宮古島も、先日の南大東島と同様に、滅多に更新できない場所なので、以前から狙っているのですが、強力なライバルたちに敵わず、これまで交信出来ていませんでした。

これまでのことがありますので、どうせまた駄目だろうと思いつつ、横手の局と交信ができたばかりなので、気を良くして呼びかけると、こちらも一回で応答がありました。ただ、コンディションがあまり良くなく、私のコールサインが良く聞こえていない様子でした。そこで、繰り返しコールサインを伝えると、正しく伝達することができ、交信成立、先日の南大東島に続いて難関局とあっけなく交信することができました。

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浜松、宮古島間は1627Kmありますので、これまでの最長距離、沖縄本島の沖縄市までの1357Kmを一気に270Km更新することができました。私の交信終了後、多くの局が彼を呼び掛けていましたので、私が交信出来たのは、幸運の一語に尽きるようです。数多く受信をしていますと、たまにはこんなご褒美がもらえますので、無線の世界は面白いと感じます。

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2020年3月19日 (木)

南大東島と交信

昨日、南大東島の局と7MHzで交信できました。南大東島は沖縄の東方約400Kmの洋上に浮かぶ離島で、人口は1300人足らずの小さな島です。位置関係から、台風の放送に良く取り上げられますが、ラジオの気象通報での観測点にもなっています。人口の少ない離島なので、当然アマチュア無線を開局している人も少なく、恐らく現在では昨日交信した1局だけではないかと思われます。

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そんな訳ですから、その局が電波を出しますと交信を希望する多くの局が殺到します。私自身、これまで何回も呼びかけましたが、いつも他の局にかき消されてしまい、交信はかないませんでした。昨日も受信していると、この局が聞こえましたので、前の局との交信が終わるのを待って、呼びかけました。すると、どうしたことか私のコールサインが呼ばれ、無事交信が成立です。これまで何回呼んでも、全く交信できなかったのが、嘘のようにあっさり交信出来て、いささか拍子抜けでしたが、やっと交信出来たという嬉しさが、それ以上にこみあげて来ました。夢中で交信し、交信証明のQSLカードの交換を約束して10分ほどで交信を終了しましたが、軒先に上げた20mほどの電線のアンテナで、1170Km離れた離島と思いがけず交信でき、大満足です。1170Kmは浜松市と北海道の網走市との間に相当する距離ですが、物理的な距離以上に大変うれしい交信となりました。

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2020年3月17日 (火)

山の上から無線交信

日曜日、湖西市にある湖西連峰の大知波峠に行って来ました。数日前の予報ではあまり良い天気ではありませんでしたが、直前になって晴れの予報でしたので、無線機を持って山の上からの交信を目指しました。いつもは小型のハンディ機ですが、今回はいろんな周波数で試してみたかったので、ポータブル機を担ぎ上げました。

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下の方では風がありましたが、山の上は無風状態で、春の陽射しが降り注いでいました。

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こちらがいつも持って行くハンディ機です。本来は手に持って使うのですが、両手がふさがらないように自作のホルダーで三脚に乗せて使っています。

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そして、こちらが今回の無線機です。電源は密閉型のバッテリーでこれだけで2.5Kgの重量です。できるだけ遠くの局と交信したかったので八木アンテナも持って行きました。陣取ったのは、稜線から少し下った東側の場所なので、愛知県の局は諦めて東方向にセットして交信相手をを探します。すると、以前同じ場所から交信したことのある山の上から応答がありました。過去の交信記録を持って行かなかったので、正確なことは判りませんが、どうも1年前に交信した相手と、お互い同じ山で再開すると言う、初めての体験ができました。

その後も何局かから応答をもらい、最長はおよそ45Km先の局と交信、受信だけでは70Km先の局が明瞭に受信でき、当初予定した目論見は無事達成することができました。

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2020年1月15日 (水)

アマチュア無線の新しい免許状が届く

  我が国のアマチュア無線の資格は1級から4級までに分かれており、使用できる無線機の出力が決められています。私が50年ほど前に取得した電話級(現在の4級)の資格では10Wが上限でした。昨年の初めからカムバックして交信を楽しんでいましたが、昨年の夏に3級の資格に挑戦して、出力50Wまで出せる資格を得たのですが、残念ながらそれを実現する設備がなかったので、従来通り10W以下(実際は6W)で運用を続けていました。年末になって、やっと出力50Wの設備を入手できたので、早速設備変更の申請手続きを行いました。

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その結果年初に、申請が認められたとの通知があり、昨日新しい免許状が届きました。これで晴れて50W局の仲間入りを果たすことができました。これからより多くの無線仲間との交信を楽しみたいと思います。

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2019年12月30日 (月)

無線機を持って山登り

このところ山から遠ざかってしまっていたので、日曜日に手軽に登れる豊橋市の座談山(ざだんやま 309m)に登って来ました。前日、山梨県河口湖町の局と、富士山の反射を利用した通信で交信できて気を良くしていたので、ハンディのトランシーバーを持って行くことにしました。

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登山口は豊橋市の古刹、普門寺です。ここは平安末期の仏像を所蔵している由緒正しいお寺です。境内は東海自然歩道のコースにもなっており、ダジャレのようですが、山門から入山です。

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ここはモミジの名所ですが、今年は秋が異様に暖かかったので、この季節になっても紅葉が楽しめました。

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山中の伽藍跡。あちこちにイノシシが掘り返した跡がありました。干支も、もう少しで交代なので、デモンストレーションだったのでしょうか?湖西連峰から枝分かれした稜線に出ると、結構登山者に出会いました。師走のこの時期なので、そんなに登山者はいないのではと思っていましたが、世の中忙中閑を楽しむ人が結構いるようです。この分だと目的の山頂も賑わっているかも知れません。実は、以前とある山頂で周囲の迷惑を顧みずに無線機のスピーカーを鳴らしている登山者がいて、折角の山頂の雰囲気をぶち壊された嫌な思い出があるので、イヤホンを使うようにしているのですが、それでもあまり人が多いと迷惑になりかねません。

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頂上の一角から見た伊勢湾方面。遥か遠くに鈴鹿の山並みが霞んで見えました。無線機からは、約115Km離れている三重県津市の尼ケ岳(あまがたけ 957m)の頂上にいる局からの電波が強力に受信できました。すぐにでも電波を出したいところですが、賑わいが落ち着くまで昼食を取って時間稼ぎをすることにしました。

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あまり邪魔にならない場所にアンテナを立て、準備だけしておいて昼食を取りました。低気圧が接近しているせいか、風もなく穏やかな日和で、用意してきたダウンジャケットの出番はありませんでした。

結局尼ケ岳の局は下山してしまい、交信は叶いませんでした。交信できたのは30Kmほど離れた愛知県西尾市の茶臼山の局と、40Km離れた静岡県森町の局、浜松市と地元豊橋の局1局ずつの合計4局でした。この日使ったのは南アルプスの登山の時に使ったのと同じ出力1ワットのものですが、見通しが利けば結構遠距離と交信できそうです。これからは、もっと積極的に無線機を持って山に登ろうと思います。

 

 

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2019年12月21日 (土)

無線局の出力アップを申請

またまた無線の話です。アマチュア無線は、保有する資格によって扱える無線機の出力の上限が違います。開局以来、4級(旧電話級)の資格しか持っていませんでしたので、操作できるのは出力10W(144、430MHzは20W)迄でした。これはこれで、十分楽しめるのですが、様々な条件で交信をしていますと、もう少しパワーが欲しいと思う場面が無い訳ではありません。そこで、この夏に思い切ってワンランク上の3級の資格を取ったのですが、肝心の高出力の無線機にまで、手が回らなかったので、従来通りの出力を余儀なくされていました。そして、先日になって、やっと資金の目途が付いたので、念願の無線機を購入することができました。

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こちらが新しい無線機です。出力は従来の8倍以上、サイズも大きく、ツマミやボタンの類もぐっと増えました。

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こちらが従来の無線機です。

但し、アマチュア無線と言えども、国によって認可された免許が必要なので、いくら上級の資格を取ったからと言っても、勝手に新しい無線機を運用することはできません。従来認可されていた内容の変更が必要になるので、変更の手続きを申請しなければなりません。以前は申請書類を手に入れ、必要項目を記入して郵送で申請しなければなりませんでしたが、昨今はインターネットで簡単に手続きができるので、早速電子申請で変更の手続きを行いました。新しい免許状の交付まで2、3週間ほどかかりそうなので、到着を待ってパワーアップをしたいと思っています。

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