2013年3月23日 (土)

アポロのエンジンを深海から引き揚げ

アマゾンの創業者で最高経営責任者であるジェフ・ベゾス氏が4000mの深海からアポロ宇宙船を打ち上げたサタンロケットの1段目のロケットエンジンを回収しました。深海からの引き揚げと言えば事故で5000mの海底に沈没したソ連の原潜を米国政府が富豪ハワー・ドヒューズ氏に依頼して極秘裏に回収したプロジェクトジェファニーが知られていますが、我が国でも同様のことが行われています。

H-Ⅱロケット8号機は1段目エンジンLE-7の不調から打ち上げに失敗しましたが、原因究明のため3000mの海底からLE-7を引き揚げ、原因を特定して改良に生かされました。かつては政府系の機関でなければ行えなかった深海での作業が民間によって簡単に行えるようになったのは技術の進歩と言えるのでしょうが、我が国のロケット技術も同様の手段によって他国の手に渡ってしまう可能性も考えられます。今後は落下したエンジンが回収されても機関技術が漏えいしないように何らかの破壊処置が求められるかも知れません。

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2012年11月30日 (金)

韓国衛星ロケット打ち上げが、また中止

韓国が衛星打ち上げを目指して、ロシアから1段目を導入したKSLV-1ロケットの打ち上げが又中止されました。KSLV-1は過去2回打ち上げに失敗し、3回目の打ち上げを目指していた10月に1段目のロシア製の部品に異常が見つかり、直前で打ち上げ中止なりました。29日に再度打ち上げを予定していましたが、韓国側が担当した2段目の配線に異常が見つかったとのことで、またまた中止となりました。これからは気象条件が厳しくなるため、年内の打ち上げは絶望的とみられます。

衛星打ち上げロケットは多くの部品が搭載されていますので、部品ひとつひとつの高い信頼性が求められます。例え9、999個の部品が正常であっても、1個の部品が機能しなければ正常な飛行ができなくなってしまいます。地道に打ち上げの積み重ねをせず、安易に他国の技術に頼ろうとしたために、韓国にはこの辺の技術の蓄積がまだまだ不足しているようです。果たして次は見事打ち上げ成功となるのでしょうか。

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2010年11月16日 (火)

快挙を通り越した奇跡だ、はやぶさ帰還

7年の歳月をかけて小惑星イトカワを往復した探査機「はやぶさ」が、またもすごいことを成し遂げました。本日JAXAが発表したところによれば、「はやぶさ」の帰還カプセルから採取した1500個の微物を岩石と特定し、その特徴からイトカワのものと判定したと言うものです。

はやぶさは米・ロも為し得なかった月以外の天体への着陸、往復飛行を成功させ帰還カプセルを予定された地点であるオーストラリアのウーメラ砂漠に極めて正確に落下させました。これだけでも人類史上初の快挙でしたが、加えて月以外の天体からの初の岩石採取にも成功したことになり、はやぶさの成功を更に高めたことになりました。

イトカワの着陸及びサンプル採取は機体の不調でJAXAのコントロールが十分ではなかった中で行われたために、採取に失敗したことも懸念されていましたが、微物ながらしっかりと採取できていたことは、システムの構成が不慮の事態をも乗り越えられる大変素晴らしいものであったことを改めて証明して見せたことになります。

JAXAの皆さん、本当におめでとうございます。そして改めてありがとう「はやぶさ」。本当に、本当に素晴らしい仕事をしてくれました。

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