出版不況、地図の昭文社が希望退職募集
雑誌の発行部数が減少し、廃刊や休刊が相次いでいますが、今度は地図の発行元が窮地に陥っています。昭文社は「マップル」などの道路地図や、「山と高原」などの登山やハイキングのための地図を発行しており、「山と高原」は時流を反映してWeb版の販売も行っています。しかし、業績は厳しく、来年3月期の業績見通しが、当初の黒字から赤字となり3年連続の赤字となることから、400人の従業員の20%に当たる80人の希望退職を募ることになりました。
かつては旅行やドライブの際には、道中や目的地の地図を開いてルート選定や所要時間の計算をしたものでした。ところが、最近はネットで電子地図を閲覧したり、目的地までの経路をシミュレーションすることが簡単にできるようになりました。その結果、わざわざ地図を購入しようとする購買層が減少し、販売が低迷する事態となっています。
実は、カーナビやスマホでナビゲイトしてもらう場合、あらかじめ地図などで経路を十分把握しておかないと、ナビのクセなどで思わぬ遠回りをさせられてしまうことが起こります。良く行く場所であれば、おかしいと気が付きますが、初めての土地などでは、どこをどう走っているかはナビ任せとなってしまうので、トラブっていることにさえ気づきません。私も旅行の計画を立てる際は、まず地図を見て大まかなプランを考えますが、この時、ネットの地図では表示範囲が狭すぎて各々の訪問地の位置関係の把握が掴めません。
紙の地図が無くなってしまう事態にはならないと思いますが、将来にわたって地図の出版を維持するために、もっと需要を喚起する方策が必要ではないかと思います。
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