2017年11月15日 (水)

観測ロケットSS-520で衛星打ち上げに再チャレンジ

13日にJAXAが発表したところによれば、観測ロケットSS-520による超小型衛星の打ち上げ実験が2017年12月25日に決定したようです。SS-520は2段式の固体燃料エンジンを搭載した観測ロケットですが、3段目に超小型衛星を搭載して衛星打ち上げの実証事件を行うことになり、今年の1月15日に4号機の打ち上げを決行しましたが、配線のショートによるトラブルが発生し、発射後に指令爆破して打ち上げは失敗しました。

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ランチャーに据えられたSS-520 4号機です。 (出典:JAXA)

当初打ち上げは1回限りの方針でしたが、失敗の原因が機体の仕様上の問題でなかったことから、再チャレンジすることが表明されていました。

再打ち上げの予定日は12月25日の10:00から14:15の間ですが、予備日として2018年1月31日までを予定しています。搭載する衛星は東京大学が開発したTRICOM-1Rで重量が3Kg、大きさは116mmX116mmX346mmと小さな段ボール箱程度ですが、カメラを搭載しており地上を撮影して送信することが可能となっています。

前回は大変悔しい思いをしましたが、今回は是非成功させて欲しいものだと思います。

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2017年10月10日 (火)

みちびき4号機打ち上げ成功

準天頂衛星の「みちびき4号機」を搭載したH-IIAロケット36号機は、本日午前7時01分37秒に種子島宇宙センターから打ち上げられ、午前7時30分に衛星を分離し、打ち上げは成功しました。これでみちびき衛星システムの当初の4機体制が完成することになり、2018年度の運用開始を目指すことになります。

今回の成功によりH-IIAロケットは30回連続での打ち上げ成功となり、H-IIAとしての成功率は97.2%、H-IIBロケットを含めた成功率は97.6%となりました。

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今回のみちびき4号機と同型の2号機の外観です。 (出典:JAXA)

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2017年9月30日 (土)

イプシロン3号機、打ち上げ延期

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は29日、今年11月に打ち上げが予定されていた個体燃料ロケット、イプシロンロケット3号機について、機体点検中に不具合が見つかったとして打ち上げを延期すると発表しました。イプシロン3号機は小型で高性能、低コストな地球観測を目指すレーダー観測衛星「ASNARO(アスナロ)2」を11月に打ち上げる予定でしたが、飛行中の圧力や温度などのデータを収集する装置に異常が見つかり、装置を製造メーカーに送って対応することから日数が必要と判断され、打ち上げ延期を決断したものと考えられます。

大変残念な結果ですが、みちびき3号機を搭載した先日のH-IIAロケット35号機の延期のように、事前に異常を検知し、万全を期して再トライする方法を取り入れていることは闇雲に打ち上げを強行して失敗するよりも大変優れたやり方だと評価します。

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イプシロン2号機の打ち上げの様子です。 (出典:JAXA)

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2017年9月27日 (水)

みちびき4号機のH-IIAロケット36号機は10月10日打ち上げ

日本版GPSの構築を目指す、準天頂衛星システムのみちびき4号機が10月10日にH-IIAロケット36号機で打ち上げ予定です。みちびきは日本上空を8の字の軌道で周回する3機の衛星と、赤道上に静止する静止衛星1基の組み合わせで、正確な位置情報を提供するシステムです。常に日本上空に1機以上が止まるため、GPSと違ってビルや山間の谷間でも電波が受信しやすい利点があります。

2010年9月に実証機の1号機が打ち上げられ、システムの有効性が検証されましたが、2号機以降の計画は進展せず、2013年にやっと正式に計画が確定しました。2018年の運用開始を目指して今年中に相次いで3機を打ち上げることになり、これまで2、3号機が打ち上げられ、所定の軌道に投入されています。

4号機はシステムを構築する上で欠かせないもので、安定した運用をするために将来は7機による体制を目指しています。準天頂衛星システムは正確な位置情報を提供することから、カーナビの位置精度の向上や工事車両や農業耕作車両の無人運転を可能にするなど国民生活の向上に役立つものと期待されています。また、3号機には災害時の安否確認に使用するメッセージ通信機能が搭載されており、こちらの機能も注目されます。

準天頂衛星システムは民生面だけでなく、正確な位置情報で安全保障の分野での活用も視野に入れているものと考えられますので、早期の運用開始が待たれます。

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2017年8月19日 (土)

みちびき3号が再打ち上げへ

今月12日にH‐ⅡAロケット35号機で打ち上げ予定だった、みちびき3号機は燃料系統のバルブのヘリウムガスの漏れが見つかり打ち上げは中止されました。この原因についてJAXAと三菱重工は本日、ヘリウム漏れはヘリウムガスタンクの金属製のシールに異物が付着し、隙間ができたことが原因だったと発表しました。

まるで「下町ロケット」作中のエピソードのような話ですが、タンクの調達が予定通りに進まず、組み立ての順序を変更したことが異物の混入につながった可能性があるようです。何にしても、事前のチェックで異常を発見でき、打ち上げを中止できたことは幸運だったと言えるでしょう。通常の組み立て手順であったなら、組み立て後の点検で異常を発見できたのでしょうが、組み立ての順序を変えたことによってトラブルを見逃してしまいました。今後は通常の手順を変える場合には、チェックの方法も併せて変更する仕組みに変えるものと思われます。

H‐ⅡAロケット35号機は、19日午後2時29分に打ち上げられる予定です。

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2017年8月12日 (土)

みちびき3号を打ち上げへ

日本版GPSシステムを構築する位置情報衛星のみちびき3号が、本日午後1時40分に種子島宇宙センターから、H-2Aロケット35号機で打ち上げられます。当初は昨日の予定でしたが、天候不良で本日に順延になりました。

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H-2A31号機の打ち上げの瞬間 (出典:JAXA)

みちびき衛星システムは民生目的とされていますが、安全保障上も大きな役割を果たすことになっているのではないかと推測されます。他のみちびき衛星は日本の上空で8の字を描く順天頂軌道を通りますが、本日打ち上げの3号機は赤道上に位置する静止衛星で、大規模災害時には被災地との衛星通信を担うことが計画されています。今年の九州北部の豪雨災害でも孤立地区との通信が途絶して、安否確認に時間を要しましたが、この衛星によってこの問題も解決されますので、成功が期待されます。

※どうやら推進系に異常なデーターが見つかった模様で、確認作業に時間がかかるため、残念ながら午後3時49分に本日の打ち上げ中止が決定しました。次の打ち上げ予定は未定です。

13日追記

トラブルは、燃料や推進剤の量をコントロールするバルブを駆動させるヘリウムガスが漏れている可能性があったためと判明しました。異常の数値は許容の範囲内でしたが、打ち上げによって更に状況が悪化する可能性が排除できなかったことから中止を決断したとのことです。再打ち上げは、早ければ16日になる見込みですが、現時点では確定していません。

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2017年7月31日 (月)

民間ロケット打ち上げに失敗

堀江貴文氏が役員を務める民間ロケット打ち上げ会社のインターステラテクノロジズ㈱は30日午後4時32分、北海道大樹町から初めてとなる観測ロケット{MOMO」の打ち上げを行いましたが、発射後66秒にロケットとの通信が途絶えたため、燃焼を中止し、打ち上げは失敗に終わりました。当初の計画では120秒間エンジンを燃焼させ、高度100Kmに到達する予定でしたが、今回の到達高度は10Kmにとどまった模様です。インターステラテクノロジズ㈱は小型衛星の打ち上げを目指し、使用する液体燃料ロケットを自社で独自開発し、地上燃焼試験では120秒間の燃焼に成功していました。

通信途絶の原因は機体の破損により、ケーブル類が切断してしまったためと考えられます。速度が音速を超えたあたりで発生していることから、共振によって増大した振動に機体強度が耐えられなかったものと思われます。

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超小型ロケットで衛星の打ち上げを目指したSS-520 4号機 (出典:JAXA)       SS-520 4号機もテレメトリーの中断により打ち上げに失敗しています。

今回、初打ち上げとなった訳ですが、資金の問題もあり十分な地上での試験が行えていないようです。今回打ち上げ直前になって、燃料を開閉する電磁バルブが酸化剤の液体酸素による低温の影響で正常に機能しなくなり現場での対応を迫られる事態となりましたが、これも事前に注入試験を行っていれば、早い段階で気づくことができた筈でした。また、失敗の直接原因となった機体強度についても風洞実験などを行っていれば事前に把握できた可能性があります。ただ、自社の設備には限りがありますので、実際の飛行の中で解決するしかないのかも知れません。このあたりは、糸川博士が中心となってラムダ4Sロケットで国産初の人工衛星打ち上げに挑戦していた東大宇宙航空研究所とダブルところですから、是非とも頑張って欲しいところです。

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2017年6月 1日 (木)

みちびき2号打ち上げ成功

GPSの精度を飛躍的に向上させることが期待されている、準天頂衛星システムのみちびき2号を載せたH-IIAロケット34号機が、本日9時17分種子島宇宙センターから打ち上げられ、予定軌道にみちびき2号を投入し、打ち上げは成功しました。H-IIAロケットの打ち上げ成功率は97.06%(33/34回)、H-IIBを加えた成功率は97.5%(39/40回)となりました。

準天頂衛星は日本とオーストラリアの上空を8の字を描いて飛行しますが、名前の通り頭の上の軌道を通ることから、都会でもビルなどの陰になり難い特徴があります。1基の衛星が日本上空に滞空するのは8時間ほどなので、今後残り2基を打ち上げて4基で24時間の運用を確立します。

みちびきのシステムによって、従来のGPSでは最大で10mあった位置の誤差が、最小で6cmまで向上させることが可能となりますので、農業機械や輸送機器の自動運転など幅広い応用が期待されています。

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2017年4月 8日 (土)

小型ロケットでの衛星打ち上げに再挑戦

JAXAは今年の1月15日に観測ロケットSS-520を使った小型衛星の打ち上げにチャレンジしましたが、電気ケーブルがショートするトラブルが発生し、打ち上げは失敗しました。当初打ち上げは一回のみとされていましたが、基幹システム外の単純なトラブルによる失敗だったことから再度チャレンジしたいとの意向が示されていました。

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1月15日の打ち上げ時のSS-520 4号機。 (出典:JAXA)

7日にJAXAが公表したところによれば、再チャレンジは今年度中に行われ、予算は前回同様の5億円になると言うことです。

先日スペースX社のファルコン9ロケットが回収したロケットの再使用による打ち上げと再回収に成功し、将来的に打ち上げコストの大幅な引き下げが現実のものとなって来ており、低コストでの打ち上げについての期待が高まっています。JAXAの小型衛星も民生技術を多用した低コストを売りにしていますので、次回は是非成功して欲しいものです。

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2017年4月 1日 (土)

ファルコン9が再利用エンジンでの打ち上げに成功

宇宙船や人工衛星の打ち上げにはロケットを使いますが、多額の費用がかかります。我が国も独自技術によって衛星の打ち上げを行っていますが、他国と比較して打ち上げ費用が高いと言われ、打ち上げビジネスはまだ緒に就いたばかりです。

米国では打ち上げ費用を下げるためスペースシャトルを開発し、何回も使えるロケットを目指しましたが、宇宙船の断熱タイルの剥離問題が克服できず、予定を切り上げて運用を終了してしまいました。

しかし、2002年に設立されたスペースX社は、再利用できるロケットとして2段式のファルコン9ロケットを開発し、これまで13回の回収に成功していました。フルコン9は2段目を切り離すと1段目の姿勢を180°ターンさせ、9基あるエンジンを全て噴射して減速、大気圏に再突入させてエンジンを9基から3基、そして最後は1基のみを使って軟着陸させます。

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ロケットの打ち上げから着陸までのプロセスです。

日本時間の3月31日、昨年4月に打ち上げ後回収された1段目を使用したファルコン9ロケットは打ち上げ後衛星を搭載した2段目を切り離し、2段目は順調に飛行して衛星の軌道投入に成功、1段目は再び回収されて再使用のロケットとして初めて再打ち上げに成功しました。現在は1段目のみの回収ですが、将来的には2段目の回収も目指すとのことです。

ロケット打ち上げコストの80%は機体のコストと言われていますので、再利用できれば打ち上げコストの大幅削減につながります。現在ファルコン9の打ち上げ費用は70億円以下と言われていますが、再利用が可能となれば理論上は20億円以下に引き下げることが可能となります。我が国はイプシロンロケットの打ち上げ費用を30億円以下にすることを目標としていますが、更なるコスト削減が必要になるかも知れません。

これまでは、より重いものをより遠くまでがロケットの性能の評価でしたが、今後はより安くの視点が重要になってきますので、より簡単な機構で安く作れることが優れたロケットの条件になって来るようです。

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