臓器移植法改正案のA案が本日の衆議院本会議で賛成多数で可決されました。参議院での採決を控えていますから、まだまだ気は抜けませんがこれでやっと脳死による移植に光明が見えました。
現在の法律では脳死者が事前に臓器移植を承認したことを証明するドナーカードがない限り、移植が認められません。また臓器提供者は15歳以上に限られるために、国内では幼児に対する移植は行うことが出来ませんでした。
移植に反対する立場の意見も判らない訳ではありません。主な論点は以下の通りです。
①心臓の鼓動があり体温が温かいのにどうして死と言えるのか?
②脳死者が回復する可能性は本当に0なのか?
③他人の死を前提として生命を延長することが許されるのか?
④重い障害を持ち、重度の医療行為が必要とされる患者の治療が白眼視されかねない
これらについては次のように考えます。
①、② :生物の生命は脳が司っており、脳が機能(脳の血流が途絶える→脳は血液によって酸素や栄養分を供給されており血流が途絶えれば脳細胞は死滅します)しなければ生命を維持出来ない。生命維持装置によって強制的に心肺機能を働かせることは出来ますが自発呼吸をすることは出来ず、脳死状態によって実質的な死と言わざるを得ません。残酷な言い方になりますが、たとえ体温があり、爪や髪が伸び続けたとしても、それはミクロとして細胞組織が活動しているだけで、マクロとしては生きているとは言えない状態です。勿論、現状では家族が移植を応諾しなければ、法律上の死とはなりませんが、我が国特有の死生観からこの考え方に違和感を覚える人がいることも事実です。
③将来的には万能細胞による再生臓器や人工臓器にとって代わる可能性がありますが、現段階では臓器移植によって救える命があれば医療行為としてやむを得ないものと考えます。ドナーは既に「脳死」と言う死を迎えており、決して移植の為に生命を断つのではありません。
④治療が必要な患者に対して十分な治療が行われるのは当然です。
我が国最初の心臓移植は一人の医師によりドナー(水の事故で救急搬送された青年)の死が判定され、同じ医師により移植が行われましたが、後日この時の判定には重大な疑義があることが判明し、現在では脳死判定は複数の医師が所定の要件を満たしていることを複数回確認し、移植は別の医師が行うことになっています。
死の影におびえ、移植を待ちきれない幼い子供たちが過酷な負担を負って海外に渡航せざるを得ない現状が、少しでも早く是正されることを願って止みません。
※投稿時点で日付が変わっていますが、この件については執筆時点での日付とさせていただいています。
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