2020年8月 5日 (水)

ベイルートで化学薬品が大爆発

レバノンの首都、ベイルートで現地時間の4日にキノコ雲を伴うほどの大規模な爆発事故がありました。現場は、ベイルート港の倉庫の一角で、化学薬品で、火薬の原料でもある硝酸アンモニウム2750トンが爆発したものと見られています。過去にも、硝酸アンモニウムが爆発する事故はいくつも起きていますが、テロ事件で爆薬代わりに使われたこともあります。

硝酸アンモニウム2750トンはTNT火薬1155トンに匹敵するそうですが、小型原爆に匹敵する爆発力です。過去の4500トンの事故では500人以上の死者が出ていますが、今回の事故でも、現在までに100人の死者と4000人の負傷者が確認されています。今後、現場の調査が進めば、犠牲者の数は更に増えることが予想されます。

この硝酸アンモニウムは、他国への輸送途中だったものが、安全上の理由で7年前に倉庫に移されたようですが、これだけの量の危険物を十分な監視を付けずに長期間放置したことは、管理責任を問われても仕方ありません。政情が不安定なレバノン政府には、荷が重すぎたのかも知れませんが、被害は市街地の広範に及び、ただでさえ混乱している市民生活に、大きなダメージとなりそうです。

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2020年2月18日 (火)

自衛隊員がテントで仮眠中に一酸化炭素中毒で死亡

ちょっと信じられない事故が起きました。報道によれば、17日午前7時半頃、北海道の上富良野演習場で、テント内で仮眠していた陸上自衛隊第2師団第25普通科連隊所属の31歳の隊員一名が意識不明の状態で発見され、搬送先の病院で死亡が確認されました。テント内では暖房用にストーブが使用されており、一酸化炭素中毒と見られています。

かつてキャンプがブームになった時、テント内で暖房用にストーブを使用し、一酸化炭素中毒で死亡する事故が相次ぎました。このような事故を受け、現在のテントにはテント内では火器の使用は厳禁との表示がされるようになりました。(とは言っても登山の場合は天候などの自然条件が厳しく、外で炊事を行うことはほとんどありません。事故の責任において、安全に配慮してテント内で行うのが一般的です。)自衛隊と言えば、野外での寝泊まりは日常的に行われていると思いますので、何故このような事故が起きたのか不思議でなりません。しかも、北海道の部隊であれば寒さにも強い筈で、年齢的にも豊富な経験を積んでいたものと思われますので、尚更意外感が拭えません。

冬山登山の場合、標高や気圧配置にもよりますが、マイナス20℃程度になることはざらです。以前、メンバーがワインを持ち込んだことがありましたが、いざ飲もうと思ったら、ワインが凍ってしまって飲めなかったことがありました。そんな寒いテントの中でも、炊事用の小さなコンロを炊けば、十分暖が取れます。勿論換気には十分気を配って、外気を導入するためベンチレーターを開いておきます。いつまでも暖まっていたいのですが、燃料は貴重なので、用事が済めば思い切って消火します。すると一気に温度が下がり、寝袋に入っていても何度も目が覚めて朝が来るのをひたすら待つことになりますが、だからと言ってコンロを付けたまま寝れば、あっという間に火事になることは必至です。

ベテランの隊員が、うっかり換気を怠ったのか、それとも普段とは違うテントで勝手が違ったのか、現時点で事故の原因は解かっていませんが、慎重であるべき火の取り扱いについて、油断があったことは間違いなさそうです。

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2020年2月13日 (木)

スキー場外で遭難の中学生を無事救助

11日午前、群馬県にある谷川岳天神平スキー場で父親と一緒にスノーボードでコース外を滑っていた中学生が行方不明となりました。午前11時頃、先に滑った父親が、ロープウェイの駅で待っていましたが息子が下りて来ず、携帯電話やトランシーバーもつながらなかったことから、午後0時45分頃に水上交番に通報しました。県警や消防が11日の午後7時まで捜索しましたが、発見できず捜索は一旦打ち切りとなりました。翌日になって捜索を再開し、自力で下山していた中学生を発見、無事に保護したということです。中学生は山中で雪洞を掘り、一夜を明かしたということです。

報道では現場の位置関係が判りませんので、地図を見ての勝手な想像です。

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関係者の話から、尾根の反対側で滑走跡を見つけたと言うことなので、赤い点線の尾根上を滑っていたところ、コース取りを誤って右側の斜面に迷い込み、ロープウェイの駅に帰れなくなったのではないかと推測します。スキー場のHPを見るとコース外の滑走は禁止されているようですから、これを無視して滑走した行為は非難されるべきです。また、滑走当時、視界が良くなかったとのことなので、この点からも滑走はすべきではなかったと考えます。但し、道に迷ったからは雪洞を掘って体力の温存を図ったこと、直接的には役に立ちませんでしたがトランシーバーを持参していたことは評価できると思います。恐らく、冬山での行動についてもそれなりの経験があったのではないかと想像しますが、分別の無い行為が多くの人に迷惑をかけることになりますので、特に父親については猛省を促したいと思います。

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2019年12月 3日 (火)

またもや高齢者が逆走事故

先日も、高齢者の事故対策の一つとして自動ブレーキが義務化される話題を取り上げましたが、またまた高齢者による逆走事故が起きてしまいました。報道によれば80歳の男性が運転する軽自動車が関越道を走行中、立ち寄ったSAを出る際に誤ってSAへの進入レーンに入り込み、そのまま本線を4Km逆走、対向車の普通乗用車と正面衝突して双方の車は大破しました。この事故で、逆走した80歳の男性は死亡、対向車を運転していた74歳の男性も両足首を骨折する大けがを負いました。

死亡した男性は、10年ほど前に脳梗塞を発症、後遺症で足が不自由になっていたということですが、「他人に迷惑をかけたくない」として、周囲の免許証を返納したらとの声に耳を傾けず、運転を続けていたと言うことです。並走する形になった対向車線のドライバーによれば、法定速度を超える100Km以上のスピードで走行していたようで、逆走している認識を持っていなかったのではないかと言うことです。

高齢者は一般的に認識機能が低下していますが、今回の場合は認知能力が低下してしまい、正常な判断ができなくなってしまっていたことが考えられます。運転者が、自らの運転能力の低下を自覚して、運転を自粛してくれれば良いのですが、本人があくまでも運転を強行した場合は、有効な手立てがありません。異常な運転を感知し、車が自動的に停止するような機能の搭載も将来的には必要になるのかも知れません。

 

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2019年11月27日 (水)

自動ブレーキが義務化のようですが

政府が、21年度11月から新型車への自動ブレーキを義務化する方向で検討中と新聞各社が伝えています。昨今、高齢ドライバーによる暴走事故が後を絶ちませんので、これは朗報かと思いましたら、ちょっと気がかりな点がありました。報道によれば、モデルチェンジ車や新型車には、義務化が実施されますが、現行販売中の車種については25年度まで実施が猶予されると言うことで、義務化まで実に6年もあることになってしまいます。しかも、新たに販売される車が対象ですから、実際の販売数に対する割合は限定的となってしまいます。

疑問なのは、既に多くの車種で自動ブレーキが設定され、販売されているのに、何故そこまで猶予期間を設ける必要があるのか、と言うことです。当然自動ブレーキを搭載すれば、販売価格が上昇しますが、保険の掛け金では優遇される措置もありますので、ユーザーの負担はそれほど大きく無い筈です。ある自動車メーカーの調査によれば、搭載車の事故の発生率は非搭載車の15%にまで減少したと言うことですから、効果は明らかです。また、義務化までに猶予期間があってもメーカー判断で、事前実施に踏み切ることも大いに考えられます。であるならば、現行車も21年11月からの義務化に踏み切るべきではないかと考えます。

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2019年11月 7日 (木)

念には念を入れて

首里城の火災は衝撃的でしたが、出荷原因も配電盤のショートによる可能性が強まっています。また、あれだけの木造建造物が集合している場所なのに、防火体制が極めて貧弱だったことが浮き彫りになっています。今回の火災では、誰もが他の歴史的建造物は大丈夫か、と言った心配を抱いたと思います。昨夜の報道ステーションが姫路城を例に、この問題を取り上げていましたので、姫路城について改めて調べてみました。

姫路城の防火設備はスプリンクラー1078カ所、自動火災報知機669台、消火栓46カ所、モニターカメラ66台による24時間の監視となっています。そして毎日消防署との直通電話の通話確認と、1週間に一度消火訓練を実施しています。過去の消防訓練では2018年1月に、消防車両19台、人員115名による火災消火訓練を行っています。今回の首里城の火災を受け、7日に改めて消火訓練を行い、防火体制に不備がないかの点検を行うとのことです。

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姫路城大天守内部です。天井赤丸部分にスプリンクラーが設置されているのが、判ります。

首里城では屋内にスプリンクラーは設置されず、夜間は常駐の警備員はなく、火災報知機・モニターカメラも少数で出火の発見が遅れました。しかも、放水銃もわずか4基しかなかった上に、操作しようにも火災の熱で近づくことができない状態で、初期消火が全くできず、火勢を強める大きな要因となりました。

姫路城の防火体制は一見、万全に思えますが、油断は大敵。念には念を入れて万一に備えて欲しいものです。

 

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2019年10月30日 (水)

高齢者向けの限定免許を検討

高齢者が運転する車が引き起こす、信じられない事故が相次いでいます。東京池袋で発生した暴走事故では、青信号で横断歩道を渡っていた若い母子が高齢者の車にはねられ、二人とも死亡する痛ましい事故が起きています。この事故では、運転していた87歳の男性が病気で医師から運転を止められていたのに、これを無視して事故を起こしながら、未だに遺族に直接謝罪もせず、逮捕されないことに世論が反発していますが、実におかしな話だと思います。

さて、事故そのものの多くは、ブレーキ操作の際に誤ってアクセルを踏み、慌てて停止しようと、更に強く踏み込んで衝突事故に至ってしまうと、考えられています。また、その多くがAT車によるもののようです。そのため、以前から高齢者には、自動ブレーキ搭載車に限定して運転を許可してはどうかと、言った声が上がっていましたが、どうやら政府が重い腰を上げる模様です。

安倍首相は29日午後、高齢ドライバーによる事故対策で、安全機能が付いた車種のみを運転できる限定免許制度を視野に検討するよう指示、「限定免許制度の導入も視野に入れつつ、年末までにサポカーの市場導入を加速化する措置を検討する」としています。また、「歩行者に対する自動ブレーキや、ペダルの踏み間違い時の加速抑制装置を装備する車を普及する必要がある」とも述べました。

どうやら、現行のAT車限定免許のように、一定の高齢者には自動ブレーキや、急発進防止機能のついた車に限って運転を認める免許を新設する構想のようです。しかし、一定の年齢で線引きするとしても、いくつからが妥当なのか、現在使用している車からの乗り換えに伴う経済負担をどうするのかなど、解決しなければならない問題がいくつもありますので、紆余曲折が予想されます。そうは言っても、高齢者事故の根本的解決方法と思われますので、どんな試案が出て来るのか注目したいと思います。

 

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2019年5月 7日 (火)

モスクワのシェレメチェボ空港で旅客機が炎上

10連休も終わり、今日から多くの人が仕事に復帰することと思いますが、連休の最後に海外で大きな航空機事故が発生しました。現地時間の5日夕方(日本時間6日未明)、モスクワのシェレメチェボ空港を離陸した、アエロフロート・ロシア航空のスホイ・スーパージェット100が離陸直後に落雷に合い機体に異常が発生、引き返して同空港に緊急着陸しましたが、滑走中に機体後部から出火、火災で乗客40人、乗員1人の合わせて41人が亡くなる大事故となりました。

事故の詳細は明らかになっていませんが、事故機は離陸後まもなく落雷に合い、通信機能が不能となったことからシェレメチュボ空港に緊急着陸したものですが、着陸時の動画によればかなりのスピードで着地したことから一度バウンドし、再度接地した時に機体後部から出火しています。一部報道によれば、落雷により事故機の速度計が正常に機能していなかった可能性があり、通常の着陸速度より高速で着地したことで、降着装置が折れ、胴体着陸になって火災となった模様です。また、離陸直後で多くの燃料が搭載されていましたが、事態が切迫していたためか、燃料の投棄を行わないまま着陸したことが、火災を大きくしたものと見られます。また、避難の際は手ぶらで非難することが決められていますが、前席の乗客が手荷物を持って避難したことで、避難に時間がかかってしまい被害を拡大したようです。

私も連休中に飛行機を利用して旅行をしましたので、とても他人事とは思えません。一般的に飛行中の落雷で事故が起きることはないようですが、この事故を契機に、落雷に対する機器の防禦性能が向上することが望まれます。

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着陸しようとする中国の海南航空機。(事故機とは関係ありません。)

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2019年4月19日 (金)

墜落したF-35A回収の動きか

空自の新型ステルス戦闘機のF-35Aが墜落してから10日が経過していますが、未だ機体発見との公式報道はありません。現場海域では海自の潜水艦救難母艦ちよだが海底での捜索活動を行っていますので、何らかの手掛かりは掴んでいるのではないかと思いますが、この種の情報についてはパイロットが機体に留まったままとなっていると考えられることから、実際に機体が引き上げられるまで公表されないことも十分考えられます。

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潜水艦救難母艦ちよだです。  (出典:防衛省HPより)

今回の水没地点は水深1500mの海底なので、捜索・引き上げの技術的な困難を伴うのではないかと思いますが、過去には水深3000mの海底から打ち上げに失敗したH-2ロケットのLE-7エンジンを回収した実績がありますので、ある程度の目算はできているものと思われます。そんな中、沖縄の那覇軍港で、米軍がチャーターしたと見られる深海作業支援船「ファン・ゴッホ」号が15日以降停泊しているのが確認され、話題となっています。情報によれば、「ファン・ゴッホ」号には3000mの海底から物資を吊り上げる能力のあるクレーンを備えていると言うことです。甲板上には「NAVY SUPSALV」の表記があるコンテナが積載されているのが確認されており、F-35A引き上げに備えて待機しているものと考えられます。SUPSALVはSupervisor of Slvage and Diving の略です。

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2019年4月16日 (火)

ノートルダム寺院大炎上

世界遺産に登録され、年間1200万人が訪れる、パリのノートルダム寺院の大聖堂が火災により炎上しています。西洋の歴史的建造物は石造りのため、火災とは無縁と思っていましたが、今回は改修中の屋根の部分から出火したようで、屋根の部分は梁や柱が木材が使用されていたので、これらが燃え上がってしまったようです。映像で尖塔が崩れ落ちる様子が繰り返し映されていましたが、フランス国民ならずとも大変ショッキングな光景でした。私もかつて訪れた際に、荘厳な様に感激した覚えがありますが、まさかこのようなことが起こるとは夢にも思いませんでした。

当局の発表によれば、主要構造物は維持できる状態とのことなので、なんとか早期に修復して欲しいものです。

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