中央アルプスの5羽の雷鳥の雛が全滅の模様
環境省が11日に発表したところによれば、中ア木曽駒ケ岳周辺に生息している雌1羽から孵化したライチョウの雛5羽の生存が確認できず、全滅したと見られるとのことです。中アではライチョウは絶滅したものと見られていましたが、昨年から雌1羽が確認されていました。この一羽は他の山域から飛来したものと見られ、トキやコウノトリでも本来の生息地を離れて生存している例が確認されています。
最近になり、この雌が抱卵しているのが確認されましたが、付近に雄はいないことから無精卵の可能性が高いと判断されました。このため、環境省では乗鞍岳で採取した有精卵とすり替えて繁殖を目指したところ、5羽が羽化したことが確認されました。このまま順調に育つことが期待されましたが、残念ながらその願いは叶わなかったようです。生育地付近ではキツネの糞が見つかっていることから、捕食された可能性も考えられます。中アでライチョウが絶滅したのは、それだけ他の山域よりも生存する環境が厳しいためだと考えられますので、無理して増殖を図ることが本当に望ましいのか、改めて検討することも必要なのではないかと考えます。
南ア蝙蝠岳のライチョウです。
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